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「絵を描く」

子どもの絵を見ていると、その子の成長過程が見えてきます。子供たちが最初に描くのはたいていの場合「顔」です。それは、幾度となく間近で見るからです。次第に顔だけでなく手や足も描くようになるのですが、顔の横から手が、下から足がと、胴やおしりなどはもう少し時が必要です。

子どもが絵を描くようになること、それは脳の大きな発達を意味しています。頭の中にあるイメージで描かれる絵は目の位置や口の位置などがちぐはぐです。自分の中の顔のイメージを、描き表わすので抽象的になります。また、まだ上手にクレヨンなどの筆記具を扱えないことから、線など上手には描けません。

もう一つ子どもの描く絵には、人の神経が数多く集まっているところを描いています。頭。目、鼻、口、耳、手、足、子どもの描くこれらの部位は、神経が最も多く集まっているところです。偶然の一致にしてはあまりにもはまりすぎています。私自身、とても不思議な気持ちになります。

子どもの絵は決して批判をしてはいけません。子供のお描く絵は、こどもの心を表すと言われています。子どもの描く絵をけなすという行為は、子ども自体を否定することにつながります。十分な注意が必要です。子どもの描くものが具体的になる前を「なぐり描き」といいます。あまり意味のなさそうな線をたくさん描きます。その線が胸腺を描くようになり、そして結ばれたとき、丸・円となります。円を描くことができた、これが知能の発達を示します。最初に円を描かれた用紙は記念にとっておくべきでしょう。

では、実際に顔の絵を描いてみましょう。何も見ずに自分自身の顔の絵を描いてください。似ている、似ていないは関係ありません。では、その絵が正しいものか(?)検証してみましょう。
ご自身の顔を指でなぞります。正しい場所に耳や目や鼻はあるでしょうか。

如何でしょうか、たった3つの基本です。それぞれの位置が正し場所にあるか、この位置が眼鏡をズリおろさずかけることになり、眼鏡の形状が生まれました。これが写実的な絵の基本ではないでしょうしょうか。絵とは面白いものです。子どもの成長や心も感じることができます。ものの見方の訓練にもなります。もいう一度、鏡を見ながらご自身の顔を描いてみてください。順序は、鼻、目、口、耳、そして顔全体の輪郭です。ご夫婦で描いてみると、ひょっとして似たような顔になるかもしれません。

2013/3/23


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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