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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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2023年5月の記事一覧

子どもの自立を促す「独り言」

「自立と家庭学習」 教育を通して、私達はこどもに何を学ばせるのか、教育には常に未来像・展望を心に描いておかなければならない。私達の周囲では、軽視できない問題が数多く発生している。それだけに、子ども達には、判断力・問題解決能力・思考力が必要で、その為の指導が求められている。更に、子ども達に求められるのは何かと尋ねられたら「自立」と答えるだろう。判断や問題解決能力、そして思考力は、自立する人間にとって最も大切な力ではないだろうか。 多くの保護者は、高学年や受験期に入ってから子

家庭学習の充実を

「家庭学習の習慣化を」 まもなく新年度が始まります。小学校に上がるお子さんをお持ちのご家庭では準備にお忙しいことでしょう。子ども達が本格的な授業を経験するのは5月の連休明け辺りになるでしょう。何事も最初が肝心です。新小学1年生は、最も学習に前向きな年齢です。どこか自分自身が大きくなったと思い、向学心に燃える時期でもあります。家庭学習の重要性を感じられている保護者も増え、既に始まっている学力重視の教育現場からの刺激を受け、以前から、保護者の方々より、家庭用のフラッシュカードの

基本を忘れずに

「刷り込み」 人間の知識の中で、基礎に関する知識に誤りがあると様々な所で恥をかくことになる。特に漢字など、低学年の漢字で間違った筆順で書く大人は多い。平仮名や片仮名でさえ筆順を間違える。毛筆を中心に文字指導を行ってきた我が国では、今は硬筆指導が主流だ。そして、縦書きから横書きへと、書くことの流れが変化してきた。英語などは、縦に書けない性質を持っている。筆記体など横書き専用で縦書きは無理だ。文字が繋がって行かないからだ。平仮名・片仮名・漢字は縦書きに於いて流れるような美しい線

音楽教育「独り言」

「もっと音楽教育を!」 桜満開、絶好のお花見日和。事務所に来る道すがら、車を止めて暫く花見見物としゃれた。真っ青な空に薄いピンクの花が映える。江戸川沿いの土手は一面菜の花がここぞとばかりに咲き乱れ、サイクリングロードは暫く菜の花ナロードとなる。毎年、この景色に魅了されている。世は消費税が上がり何となく重苦しい雰囲気だが、自然だけは人間社会にお構いなしで私達に春を告げている。江戸川なのだが「♪春のうららの隅田川…」と歌いたくなる。 我が国には、音楽教育というものがあった。そ

見直される算数指導

「タイル学習」 最近、連日全国からタイルのご注文や問い合わせを頂きます。殆どの方が、私どもの動画映像をご覧になってのご注文です。やはり、指導の仕方や、タイルの応用がご理解頂けると指導もし易いと思われます。タイル指導は、指導対象が幼児から中学生までと幅が広く、昨日も解説させて頂いたように、小学生低学年で指導される、タイルを使った2桁の掛け算ですが、そのタイルとタイル図がそのまま式の展開と因数分解に応用できるのです。中学の教科書もタイルを模した図が使われています。しかし、タイル

視線・視点「独り言」

「中学生の春期講習から」 幼児の数、小学生の算数、中学生の数学とこの3段階の指導をされている先生は少ないだろう。私は、幼児教育からの目線で、教科指導や、子ども達の心理、行動を見ている。各テレビ局から様々なご質問や取材を受ける。その際、人の発達を胎教から見ている私の視点や原因の分析は違うと言われた。例えば、いじめや・虐待・ネグレクト・体罰こうして並べるとどれも其の本質が同じであることに気付くはず。幼児教育とその指導は、胎教→乳幼児→幼児→小学生低学年→高学年→中学生と指導して

親の学歴と年収が子どもの学力に影響

「学力差は何故生まれる」 もうすぐ新学期が始まります。特に幼稚園から小学校、小学校から中学校へと大きく環境が変わる場合は、親子とも緊張するものです。また、保育園や幼稚園に入園する場合は、お互いの不安が重なり合います。 その中でも小学校入学は、子ども達にとって新たに学業を学ぶという大切な目標があります。学ぶと同時に、学校から、子どもの学業に対する公的な評価が加わるのです。この公的評価は、転校に伴う編入や、受験などの際とても重要な個人情報となるのです。学んで生きる、つまり学生

子ども達は学びたがっている「独り言」

「今の社会に子ども達から喝!が入る」 「正義」久しぶりに聞くことばだ。偽装社会と言われる現代社会で起きる事件を締めくくるのは司法と警察・検察なのか。こうしたえん罪は、袴田さん以外にも、無実の罪で投獄された方の数はどれほどあるのかと疑ってしまう。それも証拠の捏造を取り沙汰されては言葉が出ない。正義を守るはずの司法も、警察や検察も、その存在自体が否定されかねない程の罪を犯してしまった。権力というものを持つ前提には、間違いなく「正義」を追求することなのだが、この二字熟語を失うと警

我が子の学力大丈夫?

「あてにできない評価?」 小学校の「あゆみ」はほぼ3段階で表記されています。この評価になれると、左に多くの○が付いていることで安心してしまいます。ところが、3段階評価を5段階評価に変えると、今まで成績優秀と思っていた「あゆみ」の評価に異変がでてきます。更に10段階では…。 成績の分析は、評価基準を細分化すると大きく変化します。また、学力は地域差があり、例えば、算数で評価5の子が、他の地域に行くと評価3か2になる事もあります。学校の評価は学校における学習と生活に関し、現状の

「分析総合」算数指導

「算数指導を考える」 劣等意識 子どもが持つ意識の中で最も学力に悪影響を及ぼすのが劣等意識です。30年ほど前までは、小学3年生後半から4年生ごろに劣等意識が芽生えてくると言われていました。しかし、最近ではその年齢が下がり、幼児でも持つと言われるようになってきました。幼児期では、過度な受験対応と、合格に至らない場合において顕著に見られるようになりました。また、保護者による言葉の虐待が招くこともあります。虐待の中でもかなり日常化している精神的虐待は、言葉による人格の否定、能力の

「分析総合」算数指導

「算数指導を考える」 昨日は、文章問題の分析で、加法までお伝えしました。さて今日は減法、引き算です。減法の文章問題には足し算以上に様々な要素が加わっており、子ども達が文章問題に苦手意識を持つ一番大きな要因となっています。保護者の方から引き算の文章問題に関する質問が多いことからでも、子ども達がかなり苦戦していることがわかります。引き算の文章問題の基本は残りを求める問題で「求残」と呼ばれる問題です。「残る」この言葉の持つイメージや、実際の体験が文章問題を解くための大きなヒントに

「分析総合」算数指導

「算数指導を考える」 今年に入り、弊社が開発した「算数タイル」の問い合わせとご注文が増えています。たぶん、YouTubeにタイル指導の動画を多数アップしたことで、タイル指導の様々な活用をお知りになったからだと思います。 特徴的なのは、近くにタイル指導をしてくれる幼児教室がなく、家庭で指導するという目的で購入されるケースが目立ち、更に、指導の対象が3歳前後と低年齢であることです。学力重視の時代に対応するするため、低年齢からの指導が重要視されてきています。特に信頼と実績のある

できる子の特徴

「シンプル」 子ども達の使う筆箱・ペンケースを見たことがありますか。沢山の筆記具が入っていませんか。特に高学年や中学生になると、必要以上に筆記具を詰め込むことが多くなります。成績の良い子どもの筆箱の中を覗くと、必要最低限のものに限られており非常にシンプルです。また、モノを丁寧に扱っています。学習で使うシャープペンシルなどは常に決まっており、消しゴムも同じモノを長く使っています。その他には、三角定規、コンパスが入っているのですが、意外に、成績の振るわない子の多くは、この三角定

休日の独り言

「本質」 今日は彼岸、幼い頃は両親と共に訪れた先祖の墓だが、今では父の墓参りとなった。お寺は、上野と浅草の中間ほどにあり、スカイツリーがよく見える。いつもは車で行くのだが、奥さんと久しぶりに雷門まで歩き浅草寺に行くことにした。お墓参りには、次いで参りは御法度だ。まずは墓参りをしっかり済ませた。 幼い頃から慣れ親しんだお寺は、お線香のにおいが立ちこめていた。どこか安心感を感じるいつものにおいだ。お彼岸のお参りは日本人の大切な習わしだ。ご先祖がいなければ今の自分はいない。今一