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【開催レポ】設立記念祭対談#1〜自然と共存する〜

こんにちは!
earth tree広報チームのぺくです。

只今earth treeは設立記念祭の真っ最中。
毎週多くのイベントが開催されています。
これから、イベントの一部をnoteでもダイジェストでお届けしていきますので、楽しみにしていてくださいね!


さて、記念すべき初回は、9月4日(土)に開催された、設立記念祭対談(第1回)の開催レポートをお届けします。

テーマは「自然と共存する」
earth tree代表の加藤大地(かで)と、一般社団法人山守 代表理事の西本賢(にしけん)さんがお話しました。
カンボジアで竹と、日本で森と向き合うお二人だからこそ語れる、自然と共存していく豊かさと大変さ、そしてそれぞれが目指す未来とは・・・?

対談を通して、自然とともに生きる豊かさを知ることはもちろん、お二人の姿から、社会課題と向き合うきっかけやヒントが得られるはず。
ぜひお読みください!

※本文中の写真の一部は、にしけんさんより頂戴しております。

それぞれの活動について

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みんなで元気よく乾杯の後は、早速それぞれの活動についてのお話へ。

カンボジアで竹と向き合い続ける、加藤大地

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2009年〜2012年の間、「かで&ぐりこの世界一周ハネムーン」と称し、足掛け2年10ヶ月53ヶ国の旅をしていた、かでさん。
その旅の途中、大好きになったカンボジアで、2009年に180人の旅人と小学校を建設したのが活動の始まり。
その後も、2014年に幼稚園建設、2015年に公園建設・・・と、たくさんの支援者やボランティアの方々と力を合わせて活動してきました。

2018年に家族でカンボジアに移住。
一般社団法人Kissoを設立し、カンボジアの農村部で「生活の基礎づくり」にこれまで取り組んできました。

学校建設を通して、学べる環境をつくることは、「未来をつくる」ことであり、素晴らしいこと。
一方で、せっかく学校に通い始めた子どもが、そもそも栄養が取れていなかったり、衛生的な洋服が着られなかったり、病院に行けなかったり・・・という現実を目の当たりにするなかで、「学べる環境づくり」と同時に「働く場所づくり」が必要だと感じたことが活動の原点。

とはいえ、最初は「働く環境をつくるといっても、カンボジアの農村部でどんなことができるんだろう?」と考えるところからのスタート。
とにかく考えて、動き回っていくなかで、「自然素材を活かしたものづくり」という、村の人たちの”得意”を見つけ出し、形にしてきました。

そのひとつが、現在建設中のearth treeビレッジ。
学ぶ環境、働く環境、レストラン、宿泊所、農場、遊び場が一体となった、新しい形の学校です。

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現在建設中のearth treeビレッジ

村の人たちの”得意”に気づき、基盤も方向性も固まったことから、2022年7月にNPO法人earth treeを設立し、現在に至ります。


日本で森と向き合い続ける、西本賢

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もともとは、書家&ミュージシャンとして、さまざまなアート活動を行っていた、にしけんさん。
あるとき、「きらめ樹間伐」に参加したことがきっかけで、森が好きになり、2020年から森の活動を始めました。


日本では今、林業の衰退や国内産木材の需要低下などの理由で、適切な手入れがされていない森が増えています。
手入れがされないと、木々が互いの成長を阻害しあって、根が十分に張れないことから、木が倒れやすくなったり、木の根が土砂の流出を阻止できなくなったりします。

そこで、間伐が必要になりますが、機械を使って木を切り倒すのは、危険を伴います。
にしけんさんが取り組む「きらめ樹間伐」は、木の皮を剥く方法で、子どもでもできる方法。

木の皮を剥くと木が枯れ、葉が落ち、そこに太陽の光が入ります。
そうすると、木が太り、根が十分に張れるようになることで、土壌が安定し、土砂災害を防げるのです。


きらめ樹間伐の活動がきっかけで、海外材の輸入が増えたことで、日本国内の木材の自給率が下がり、森の手入れがされない現状を知った、にしけんさん。
そこで、木材の需要を上げるために、「家を作ろう」と思い立ち、その楽しい形として、きらめ樹間伐で乾燥させた木で、2021年4月から1年間をかけて100名を超える支援者の方々と、ツリーハウスを作りました。

実際に作ったツリーハウス(伝統工法を活かし、日本の家の良さを存分に体感!)

今年2022年5月からは、もともとご活動されていたNPO法人から独立し、一般社団法人「山守(やまもり)」を設立。

活動の根本にあるのは、

「自然のシステムをきちんと知ることで、自然と共存した形で、人間の生きる場所を確保することができる」

ということ。
そのために、森に入り、森の循環(雨が降り、草木が生え、土になり、やがて海へ流れる)を学び、活かそうと奮闘されています。

そして、そのようなご自身の想いを分かりやすく伝えるためには、みんなが楽しめるシステムが必要だと考え、ツリーハウスをはじめ、みんなで森を元気にできるプロジェクトを多数企画されています。
*今回の対談中も、実際に製作された、南米の打楽器・カホンを見せてくれました!


(参考記事)
ここまで、一部以下の記事を参考に執筆しています。

森林を守るために「間伐」はどうして必要なの?(日本森の十字社HP)


活動を通して感じる、自然の豊かさ

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感覚が開く

事務作業に集中しているときや音楽を演奏するとき…などは、どちらかというと、自分の”中”に入っていく感じがする。
一方、森のなかにいると、木を倒すときはもちろん、夕方になって森に入ると、いろいろな音がしたり、風が変わったり・・・それに対して、自分の感覚がどんどん開いていく感覚がある。

森に入っていると、「感覚が開く」とお話されたのが、にしけんさん。
この感覚を心地よく感じると同時に、

昔の人たちはきっと、この感覚を持って生きていたし、
地球で生きていく以上、この感覚は失くしてはいけないもの

だと思っておられるそうです。
だからこそ、みなさんに伝えて、一緒に体感していきたいともお話されていました。

リラックス&自然体で生きられる

カンボジア農村部の方々は、たしかにお金はあまり持っていないかもしれない。
ただ、自然とともにあるからこそ、自然素材を活かすことはすごく得意だし、エネルギーみたいなものはすごく持っている。

それに、誰が偉いとか偉くないなんてあまり気にせず、すごく自然体で過ごしている。

自然と人間が上手く共存しているカンボジアの農村部でも、にしけんさんとよく似た感覚を持つとお話されたのが、かでさん。

仕事で村へ出かけるときも、ガタガタの道を車で走ったり、田んぼが続く道を横目に見ながら村へ向かったり・・・たしかに、日本の方が便利で過ごしやすいけれども、カンボジアにいるときの方がリラックスできるという感覚が、かでさんのなかにもあるようです。

だからこそ、

成長率が高く、まだまだ成長を続けるであろうカンボジアで、
常に、自然と人間が上手く共存しながら成長を遂げられるようにしたい

と思っていて、現在おもに扱っている竹に加え、土や藁も組み合わせた、自然建築に取り組んでいこうとしています。


二人が目指す未来

日本の森の現状は、海外から木材の輸入が増えたことはもちろんですが、建築方法が変わったことも大きいと言います。
伝統工法よりも、現在主流となっている建築方法の方が、速いうえに、コストも少なくて済むからです。

建築の主流が「自然素材を使う」方向にできれば、環境も守りつつ、経済も回せる

にしけんさんのツリーハウスも、伝統工法を存分に活かして作っている背景があり、お二人の活動に通ずる部分が感じられました。

活動を進めるなかで、大変なこともあったとは思いますが、楽しそうに進んでいくお二人の姿が印象的!
そんなお二人は、これからどんな世界を創っていきたいのでしょうか。


自然素材を活かす技術で、明るい未来を創る

カンボジアの農村部の方々は、手先が器用で、ものづくりが得意。
彼らに確かな自然建築の技術を伝えていければ、きっと自然と共存できる形で成長を遂げていける。

その思いを胸に、カンボジアで竹と向き合い続けている、かでさん。

活動を続けていくなかで、1年前までは昼間からお酒を飲みながら、ハンモックに揺られてのんびりと過ごしていたのに、今や「竹建築職人と呼ばれたい!」と、日々一生懸命に竹と向き合っているという、村の人たちの変化も感じられるようになったと言います。

earth treeの活動を通して、日本の方々が竹建築に興味を持つきっかけになると嬉しい。

そのうえで、「日本でも竹建築を取り入れたい」という動きが出て、カンボジアの竹建築職人さんたちが技術を伝えに日本へ行き、日本で活躍してくれて、日本でも竹や自然素材の良い使い方が広がったらいいなと思う。

そして、実際日本に行ったカンボジアの職人さんたちが、カンボジアに戻ってきて、日本での経験を伝えることで、次の世代の人たちを後押ししていけるようになればいいな。

そんな未来をワクワクと描きながら、熱く熱く語っていました。


日本各地の森に「ハレの日」を作りながら、「1000年続く森づくり」を達成する

「1000年続く森づくり」をビジョンに掲げ、森と向き合い続ける、にしけんさん。

「活動を通して、自然の大切さや豊かさを伝えていきたい」

そう強く思ってはいても、活動を続けるなかで、モチベーションが下がってくることもあったそうです。
そこで思い至ったのが、日本各地の森に「ハレの日」を作ること。

「今まで入られていなかった森に入る」というのが、まずひとつの「ハレの日」。
それがどんどん定常化していくと、日常化(=「ケ」と言います)していきますよね。
そのなかで、今回のようにツリーハウスを作ったり、ツリーハウスマルシェをしたり・・・というのが、ひとつの「ハレの日」だと思うんですよ。

そんな風に、「ハレ」を続けていくと「ケ」ができて、「ケ」を続けていくために「ハレ」の日を作って・・・という風にしていきたいんです。

ツリーハウスをはじめとした、シンボリックなものを作ることで、多くの人たちが関心を持って、その場所を訪れるようになります。
そんな風に、今後も日本各地の森に「ハレの日」を作りながら、「1000年続く森づくり」を達成していきたいと、力強くお話をされておられました。

また、今回のかでさんとの対談を通して、「竹建築を使うハレの日を作れたらいいな」とも。
これからの活動で、他にもどんな「ハレの日」を作っていかれるのか、すごく楽しみですよね…!


最後に

いかがでしたか?

今回書ききれなかった部分も含め、お二人の熱意溢れるお話から、私自身、得るものがたくさんありました。
同じように、悩み迷ったり、大変なことがあっても、前に進み続けてきた姿に、勇気をもらった方も多いのではないでしょうか。

以下の対談動画もぜひご覧いただき、お二人の熱い想いに触れていただけると嬉しいです。


earth treeでは、現在「設立記念祭」を開催中!
引き続き、たくさんのイベントが開催されるので、今後のイベントは以下からご確認ください。

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また、一般社団法人山守の今後の活動については、ぜひ以下のリンク集から、FacebookやInstagramをフォローして、ご覧いただけると嬉しいです。


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