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コミュニティとつながりの重要性


その1:実体験


私は静岡大学時代にボランティアサークルに入って良いコミュニティ体験に恵まれ、人生が180度変わりました。何が180度変わったかというと「生きている意味がわからない」「生き続けるものまあまあしんどい」という考え・気持ちから、「生きているのが楽しい」「これかれらも生きていきたい」という考え・気持ちに180度変わったのです。自分に合った良いコミュニティとつながりに恵まれると、こんなにも命が元気を持ち始めて人生が楽しみに豊かになるのだと実体験しました。

CRファクトリーというコミュニティをつくってからも、このコミュニティとつながりの中で人生が変わったり豊かになる人たちをたくさん目の当たりにしてきました(もちろん私もその一人です)。CRファクトリーだけじゃなくて、例えば関係が深いところで言うとチャリティーサンタやコモンビートやSETやマドレボニータやこまちぷらす(他にもたくさんたくさん)との関わりの中で「良いコミュニティとつながりは人間を豊かにする=社会を良くする」という仮説はどんどん確信に変わっていきました。

その2:エビデンス・データ


ハーバード大学の75年以上に渡る成人研究は、「良好な人間関係こそ幸福と健康の秘訣だ」と結論づけています(ロバート・ウォールディンガー)。ブリガムヤング大学のホルトランスタッドの研究によれば「寿命」に最も大きな影響を与えるのは「人とのつながり」であり、「孤独は喫煙より身体に悪い」ことを証明しています。イギリスでは孤独担当大臣が設けられ、孤独は1日15本の喫煙以上に身体に悪いという調査結果を発表しています。

JAGESの近藤克則先生たちの研究グループは、「つながりや社会参加の健康への効果・効用」についてのエビデンスをこれでもかこれでもかと宝の山のように生み出し続けてくれています。「他者との交流」が認知症予防になり、「サロン参加」が要介護予防になり、「役割を担った男性の社会参加」がうつ傾向の発症リスクを劇的に下げることになる、など、「コミュニティとつながりの重要性」についてのエビデンスがどんどん積み上がってきています。

その3:時代背景


ここ最近、資本主義経済や新自由主義がもたらす「環境破壊」や「格差」などの弊害がより指摘されるようになってきました。このメインシステムを駆動しているだけで、果たして良い社会をつくれるのだろうかという疑問が湧いてきています。株主資本主義のもとでは、人間は経営リソース(経営資源)であり、売上や利益を生み出すための「道具」という構造の中に位置づけられています。「ひどい!」というよりも、そういう構造とシステムを私たちの社会はメインに位置づけていて、その力学だけを推し進めすぎると、「人間性」は社会の中心にはならないし、道具として役に立たない人はますます振り落とされて「格差」や「孤独孤立」が深まっていく。そのような強力なメインシステムで私たちの社会は動いているのだということを冷静に把握することが必要です。

テクノロジー分野では「デジタル化」がより進んで、情報収集も人に聞くよりインターネットだし、買い物もAmazonをはじめとしたネットショッピングだし、娯楽・エンタメもどんどんデジタルになってきました。これはますます「個人化」「個室化」「分散化」していく傾向を強めていきます。お隣におしょう油を借りに行かなくても、それぞれがそれぞれに生きていける社会構造をテクノロジーが実現しようとしてくれています。ここにAIロボット、AIアシスタント、AIペットが入ってきて、ますます個人がばらばらの分子のようになっていく。そんな社会力学がこれからもますます働いていくでしょう。

だから・・・


だから・・・
これからの社会は「コミュニティ」と「つながり」が重要なのです。出逢いがあって、交流があって、体験がある。一緒に活動しているうちに「つながり」ができて「居場所」ができる。そこには「楽しみ」や「喜び」や「感動」があって、「道具化」や「個人化」の力学を補完するような「人間性」と「つながり実感」(私は誰かとつながっている・何かとつながっているという感覚)があるのです。

その「コミュニティ」と「つながり」を生み出すのは私たちNPO・市民活動・地域活動・サークル活動ですよ。私たちには大切な役割と責任があるのですよ。へこたれることもあるかもしれないけど、今の時代やこれからの時代にとって、とても大切なことをやっているのだと思います。経済的な指標では評価されづらいけど、そんなことは今に始まったことじゃないから、仮に誰からも理解されなくても自分が信じた価値をがんばって追い求めましょう。良いコミュニティとつながりは人間にとって社会にとって大切です。がんばっていきましょう。

by CRファクトリー 呉 哲煥

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