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ハナを捨てよ、庭へ出よう/軽井沢レイクガーデン編/4

さてさて、軽井沢レイクガーデンがどれだけ素晴らしいかを延々やっていたいのですが。
自分がここに惹かれるのにはもう一つ理由みたいなものがあります。
理由みたいなもの。。。?。
曖昧に言ってるのはちょっともやもやと表現が難しい感情みたいなものがこの場所に特別感を与えているのです。
レイクガーデンの理念は自然のファンタジー。
レイクガーデンの賛美も現実離れした幻想の世界を見せてくれることに対してです。
ファンタジー、幻想の物語、そういう世界って、パステルトーンのお花畑をふわふわるんるん散歩して惚けている図が延々と流れているわけではありませんよね。
グロいキャラが出てきたり、継母にひどい仕打ち受けたり、魔女をかまどの中に押し入れたり。。。R指定されちゃいそうな要素ありありのエピソードがファンタジーを高みへと導いているのだと思います。
レイクガーデンのファンタジーにも自分は一つのダークサイドを見立てています。
だから、他の人が感じるのとはちょっと違ったレイクガーデンのファンタジーが心乱し、揺らすのです。
自分は数年前に李香蘭という歌手に惹かれました。
音楽面からだけではなくその人の一生のドラマにどっぷりと浸かり、自分の生きている日本という国家のことを考え考え頭がクラクラする思いでした。
その過程で李香蘭は山口淑子となり、ワイドショーの司会をしていた時代のエピソードで日本赤軍の重信房子という人物にインタビューしている動画に出会うのです。
李香蘭から今度は重信房子という人に興味津々になってしまって。
髪の毛さらさら長髪美人の戦士であるのですが、国際指名手配されていた超犯罪者です。
今の言葉で言えばバリバリのテロリスト。
日本の女子大生がパレスチナへ向かいゲリラと行動を共にしていたということだけでも彼女のドラマに引き込まれて行くのです。
日本人に旅好きは今もたくさんいるのでしょうが、こんなツアーを選択する女子大生は絶対いないでしょう?。
一体彼女をこんなツアーに引きずり込んだモチーフって何?。
ま、そこに興味が向かいますよね?。
平和ボケとか言われる現在の日本にもリアルに炎上している時代もあったわけで、自分はもうその雰囲気を感じることことが微塵もない世界しか知らないんですけどね。
学生運動、過激派、赤軍派。
今となっては信じられない行動的ジャパーニーズがブイブイ言わせてたみたいですね。
重信房子という人はこういう時代のアイコンだったのかな?。
自分もそんな時代に生きていたら、彼女のような人に憧れて日本赤軍に共感を抱いていたかもしれません。
その彼女と日本赤軍のことを知ろうと思うと、自ずと連合赤軍の犯した事件も知ることになるわけです。
よど号事件やあさま山荘事件。
もはや歴史の彼方へ追いやられた事件。
遠い記憶になってしまい、いまさら誰も取り上げることもない事件になっています。
特にあさま山荘事件は当時はテレビ番組が通常の放送全部取りやめて生中継をしていた国家的な大事件だったはずです。
でも、今思うと、あさま山荘事件ってどこで起きたいた事件なのかも考えたことなかったんです。
でも、重信房子という人物に興味惹かれたおかげで彼女たちの仲間の過激派の行動を検索しているうちにあさま山荘の場所を知ることになったのです。
それは相当の衝撃でした。
ただただ美しい景観の中に入り込み、日常からトリップするかけがえのない場所。
何度か訪れ親密度も増していた場所。
軽井沢レイクガーデン。
そこからちょっと見上げた別荘地にあさま山荘はあったのです。
夢のファンタジーの世界と悪夢のような人の命のやり取りされてた大事件の世界は思いっきり重なり合っていたというリアル。
この事件もはるか昔。
人々の記憶からもとっくにこぼれ落ちてますよね。
でも、軽井沢のイメージ貶めてるような過去の負の遺産。
極上の植物で作り上げられた地上の楽園。
レイクガーデンはあさま山荘があった別荘地の付加価値を高めるための施設でもあったのです。
あさま山荘事件の当時と今のレイクガーデンはまるで違うものにリニューアルされているようですが、趣旨は同じだと思います。
黒塗りの木製のベンチに腰かけて、水面を渡る風に身を委ね目をつむると、蠢く人々の怒声と銃器の音が聞こえてくるようです。
それは平時に見る悪夢のような、でもその世界に惹かれていく自分もあるわけで。
帰りがけにレイクガーデンの門を出て、森の奥の別荘地に目をやるのですが、ここから先は別の世界の闇に飲み込まれそうな震えがきます。
至高のファンタジーのダークサイド。
惹かれてやまない軽井沢とレイクガーデンの吸引力はこういうところにもあるのです。

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