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今年初めての富士山詣。

2024/6/4

久々の晴れの休日。窓ガラスに燦々と映える朝日。ハイテンションな気分。昨晩今日の行き先色思案していたのに、勢いで富士山行きを決定した。まだ富士宮口から宝永山や富士山本体に向かうには、ちょっと身体鈍りすぎ。それは自覚してるので、今日はスバルラインで奥庭の駐車場に車停めて、御中道の散策にしておこう。労せずして高度にも身体慣らせるし、山を登ることを身体にちょっと思い出してもらえそう。さらに、写真も撮れそうだしね。楽しい算段描いているくせに、身体はなかなか目覚めない。出かけることを拒否しているっぽい感じさえする。しかし、自分的には賽は投げられた。グダグダ考えていないで出かけよう。ソックス履いてリュックにお湯とカップ麺とパン詰めて用意はできてる。今日は奥庭の上の御中道をサクッと歩くだけだから、荷物はそんなにいらない。ただこの前の上高地のことあるから寒さは要注意。レインウェアはしっかり着ていこう。なにしろ、富士山の5号目は上高地より500m以上高いし。何しろ富士山だ。何が起きるかわからない。服装と雨具は必要。そしてなんか不都合なことが少しでも起きたら即撤退。さて覚悟も決まったら、出かけよう。5時半過ぎ、まだ道もそう混んでいないだろう。部屋のドア閉めて。さすが夏だよね。すっかり昼の明るさ。横浜めちゃ晴れだけど、富士山はどうだろう?。夏の富士山はなかなか天気に恵まれないから。でもあれだけ逡巡繰り返して決めた覚悟。もう覆りませんよ。車のエンジンをかける。出発!。まずは横浜新道に滑り込んだら保土ヶ谷バイパス。町田から東名。大井松田あたりで富士山が大きく見える。やった富士山バッチリじゃん。いや待て裾野と頂上は見えてるけど、間には雲がかかっている。ちょうど5号目あたりがヤバそう。他の空はどこにも雲なんてないのに。今日はそのまま御殿場まで行って富士五湖道路へと進んで行くとやはり空はグレーに変わってきた。そこからスバルラインに向かうと雨がぱらつき始めた。今日はこりゃ残念で賞かな?。でも富士山の天気はわからないからなあ。5号目まで行ったら雲の上という可能性もあるし。まあ雨に濡れてまで山行することもないから、ダメだったら5号目のお土産でも覗いて何か食べて退散しよう。そういうのも富士山のお楽しみの一つ。スバルラインの入り口で往復料金¥2100を支払ってお山の本体に入ってゆく。ガスが濃くなり水滴もフロントガラスに落ち始めた。徒歩の山行以前に車でのドライブも要警戒だ。剥き出しの自然を目前で味わえるのは貴重な体験かもしれないが。普段からそんな自然に慣れていないどころか、何も知らないでぬくぬく暮らしているんだから、車に乗っていても身の危険を感じる以前に身の危険に陥ってしまうかましれない。実際カーブを登っていく道の先もガスで見通しが悪くなってきている。これ以上酷いことになってきたら、5号目なんて諦めて即撤退という選択肢も入ってくる。車で富士山から滑落なんて洒落にもならない。そろそろと運転していっても1号目、2号目、3号目た着々と標高をあげていく。さすがスバルラインは観光道路。道は広いし舗装もザレていない。着実な運転していればちゃんと要望に応えてくれる。標高が上がっていくにつれ視界は次第にクリアになってきた感じがする。もしかしたらもうちょい登れば雲の上に出るんじゃないか?。と淡い期待も出てくる。でもそう上手いことはいかず、4号目を過ぎる展望所も過ぎたけど南アルプス方面も雲の中みたいだし、目前の富士山もダメっぽいので通過。まもなく、奥庭の駐車場の看板が見えてきた。視界からはガスは消え陽が差してきているが、遠景は雲にすっかり遮断されている。絶好の眺望は無理かもしれないけど、雨は降っていないしそこそこの景色は見れそうだし、だいたい富士山を歩くことができそうだという展開は幸せだ。駐車場場にはまだ車一台しか停まっていない。ドアを開ける。氷のような空気が流れ込んでくる。さすが富士山、別世界にやってきたことを思い知らされる心持ちがするよ。そういうこと味わうためにやってきているんだけどね。ほんと久々だよ。この日を待ち焦がれてたよ。冷たい空気を胸いっぱいに吸い込んで、靴の紐を締め上げる。そしてレインウェアのファスナーも首元まで上げる。ストック一本取り出して、さあ行きましょうか。スバルラインを横切りお中道の登山口へと入っていく。さあ、鈍った自分の身体を富士山は受け入れてくれるのか?。それとも跳ね返されるのか?。まあ、頂上行こうとか、恐れ多い野望は抱いてないし、すぐそこまで行って写真撮ろうって話なんで、そのぐらいのことはさせてくれるんじゃないかな?。まもなく樹林に入り、足下は富士山らしい赤い砂利になってくる。少しの間この赤い砂を踏み締めて歩いていると林の木々の隙間から富士山の山頂が垣間見えた。ここまでの展開で、富士山が登場するなんて想像もしてなかったのでこの不意打ちにかなり度肝を抜かれた感じ。しかもめちゃキレイではないか。初夏の山というより、山頂の方は氷の塊。まだまだ厳しい山様。あそこに行こうなんて気持ちはどこにも湧いてこない。とっつきにくいからこそ、神々しいんだと思う。もっと上まで行ったらもっとキレイに見えるかな?。それはちょっと期待薄。雲がすごいスピードで上がってくる。キレイに開けていた富士山頂上付近の絶景を雲が横切っていく。あっという間にそこにあったはずの富士山の存在をかき消していく。これはゆっくり富士山の絶景を眺めて歩く長閑な山行は望めないかな?。それでも全然富士山が見えないシチュエーションにはならない希望が見えたので一安心。さあ早く樹林帯抜けて上の展望がいい所に行って食事タイムにしよう。赤い砂利道を進んでいくと傾斜がキツくなり始めて道は階段に変わる。やがて周りの木々の姿は消えて景色が開ける。前方には広い空。青い大きな空を白いガズがものすごい速さで流れていて風景をあっという間に変えていく。目眩く場面転換に心が乱される。今この瞬間は今しかない。今出会っている瞬間は二度と現れない。そうこの愛おしい一瞬。カメラのキャップを外す、山頂は雲にかけれてしまった富士山の山頂。下の方まで雪が残っている。空を背景にして雲の表情がどんどん姿を変えていく。この変化はいつまでも飽きることなく見ていられる。振り返ると富士吉田市内や精進湖、本栖湖方面。こちら方面には南アルプスや八ヶ岳、うまくいったら北アルプスや白馬まで見えるはずなんだけど、今日は残念ながらその眺望を見ることは叶わないようだ。でも雲の間から下の街並みや本栖湖が見える。はるか下だ。本栖湖や精進湖から見るとあんなに大きな富士山も、こちらから見ると遠くの水たまりくらいの感想しか出てこない。しかし、ここはまだ5号目の手前だ。見上げればここから見る富士山も、遠くから見る富士山よりも大分残り少なくなっている感じだけど、まだまだ大容量の山の塊が目の前にそびえている。世界にはまだまだたくさんの山々やそれらが形成するスゴい景観はあるだろう。でも、赤い砂利が延々と続き、照りつける日差しを遮るものが何もない山道。眼下を流れていく雲の塊。自分の今いる状況にあっては、これ以上の異世界感で迫ってくる富士山を超えてくる存在はない。まるで世界を超えた宇宙といった概念に一番近い場所なのかもしれない。目まぐるしい速さで行き交う雲の向こうに瞬時に現れては消えていく富士山の頂。また今年もここに戻って来たなと感慨に耽る。登山シーズンにはごった返す観光地としての富士山も今の時期のこのコースは閑散。今日はまだ人には出会っていない。静かに階段登りの道を進んでいくとやがて東家が見えてくる。さあ、あそこで食事にでもするか。今日はカップ麺シーフードとランチパックとミネラルウォーター。この休憩ポイントも人影はない。富士山一人占めの食事タイムだ。東屋に到着。富士山一人占めはいいが、今日は風景がパッとしないのは残念。でも、誰もいない富士山の至近距離地点でカップ麺啜れるのって幸福の極みだと思わない。ガスの向こうな霊峰の気配を感じて食物を体内に注入できる場面の当事者になれるなんて、まさに神事の場面に対峙してるってこと?。そんな、たいそうなことじゃないのかもしれないけど、こんな浮世離れした場所で、インスタント麺食べるといった行為もなんか神がかったことのように思えるじゃないか?。東家に到着して、リュックを下ろす。カップ麺を取りだいてポットの熱湯を注ぐ。出来上がりを待つ間。カメラを持って写真撮りまくり。飛ぶように流れていく雲が風景をどんどん変えていく。その状況に巻き込まれるように風景の変遷に巻き込まれて、お湯が入ったカップ麺のことを忘れてしまいそうになる。さあさあ、ちょっと落ち着いて、食卓に戻ろう。カメラを置いてカップ麺の蓋を開ける。湯気といい香りが漂ってくる。ランチパックも出して、さていただきます。もう6月になっているのにあたたかいカップ麺が美味しい。さすが富士山、食事時間も異世界感がある。ちょっと落ち着いて食事とろう。今日の山行はここで食事したら後は帰るだけ。五号目の観光スポットまでのトレッキングも今日はやめておく。それより、早く帰ってうちでゆっくりと初富士山の余韻に浸ろう。なんてきれいごとだけど。結局春の繁忙期のおかげで身体的に攻める気力か起こらない。しばらくは一から体力つけて夏の山シーズンに備えていこう。その第一歩として、象徴的な存在として富士山を訪れたということもある。富士山が見えるというだけじゃモチーフが弱い。富士山という山本体に触れることが大事なんだ。それができたから今日は充分満足。山の神様今日もありがとうございました。今年最低でももう一回は富士山の土を踏みにきますのでよろしくお願いします。

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