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花屋の道具・其の一

今回は花自体の話からちょっと離れてみる。
花というモチーフではなくて、花という商材を扱っている花屋が日々使ってる道具の話。
花が好きとか花に癒されるとおっしゃっている方々には花の裏方支えている肉体労働者にあんまり興味はないと思うし。
そういう存在を助けている道具の諸々なんてさらに興味なんて湧くわけもないと思うのですが。
花で生業を立てている労働者が使っている道具。
酷使しても酷使しても結果を出してくれるし、どこまでもついてきてくれる相棒のごとく。。の存在。
そういう道具の話します。
花屋的には絶対の相棒。
魚屋さん、料理人さん、床屋さん、美容師さん、洋服屋さん、あげだすときりがなくなりそうなんですけど。
こういう職業の方々の相棒。
それって刃物です。
キチガイに刃物とかいう言葉もあるけれど、刃物を振りかざさなければ成り立たない仕事というものもあるわけで。
というか、刃物はもともと仕事をするために存在するわけです。
社会の平和な均衡を揺るがすために刃物が振り下ろされるって状況は特異な成り行き??。
と。
そんな話に持っていくのって???。
なので早々にそんな話の腰は折っといてと。
人の能力の延長線上にあるのが道具ってもんだよね。
人の可能性を広げてくれるのが道具。
花屋という人はあらゆる場面でモノを切るという場面にあるわけです。
美容師さんが髪を切る。
魚さんが魚をさばく。
仕立屋さんが布地を裁断する。
同じように花屋さんは植物を切る。
花束を作る。
バランスよく花を束ねたら茎を揃えて切る。
花姿を整えるために余計な葉や花を切り落とす。
商品価値のなくなった花を処分するために花を切り刻む。
まあね、これ以外にもたくさん刃物登場する機会があるわけです。
そういうことで、花屋が使う刃物の話。
花屋にとってのハサミってのは、美容師さんのハサミや魚屋さんの包丁ほどに最重要アイテムというほどにはいかないかもしれないけど。
やっぱり、ハサミ持ってないと始まらない。
花の納品に朝一急いで行った先。
ちょっと花の手直ししよっかと思ってハサミ忘れてきたってなった時の汗はまさに汗汗。。。なんです。
道具は自分の分身。
こだわりの道具ラブラブ。
そんな風にモノに魂込めるの。
???。
気持ち悪いです。
なので、そういう局面から語ることはないんですけど。
でも、日々直面する現場でストレスを少しでも軽減してくれる道具っていうのはありがたいもの。
自分が身体の延長のように自然に使っているもの。
それはなんでもいいわけではなくて。
さっき、こだわりNO!とか言ってたのに。
やっぱ、あるのかな??。
使ってるハサミはもう10年以上決まってる。
池坊のハサミ。
コンパクトでともかく使いやすいのです。
手のひらにすっぽり入るし。
ほんとこのフィット感を外れたハサミはもう身体が受けつけないのです。
花屋さんがみんなこのハサミを使ってるわけではないですよ。
池坊という生け花用のハサミ以外に古流ってのありまして。
この古流のハサミというのも花屋さん使ってる人多いかな。
この古流のハサミは坂源さんというメーカーの握りがカラフルに作られたのが超メジャーです。
花屋さんになりたての時はこのカラフルで可愛いこのハサミを持って、自分も花屋さんになったなあって感慨にふけるような入門編的な道具です。
これ以外にも人それぞれ場面場面で使うものも変わってきます。
バラの水あげの時に使うハサミは切り口を潰さないように常に鋭い刃が必要です。
そのために数回しか使わない使い捨て的なハサミを常備してる意識が高い花屋さんもいます。
自分のお師匠さんはそういうタイプでしたが、自分はそこまでやっていないかな。
あと、草花に使うハサミでは歯が立たない花木のようにものもあるので、パワーがあるハサミも常備してます。
さらにそれでも歯が立たない場合にはノコギリ登場!!。
それとラッピングペーパーやリボンを切る時に使うハサミはまた別物。
こちらも切れ味落ちるとストレス倍増なので頻繁に替えられますね。
さてさて、花屋にはハサミが相棒みたいなこと言ってきたんですけど、ハサミ以外にもう一個肌身離さずに持ってる道具ってのがあって。
肌身離さずって言ってもね、仕事の時ですけど。
それはフローリストナイフ。
別にどんなナイフでもいいのだけれど、フローリストナイフってのを使ってフラワーアレンジメント作ってると一丁前に自分も花屋!!って気分上々になるので大事な道具です。
一日に一回も使わないこともあるけれど、やっぱり必要になる時があるので花用のハサミとナイフは花屋という仕事に従事している間は必ず持ち歩いている道具です。
さあ、今回は花屋の使う道具として、刃物をざっくり話してみました。
次は刃物以外の道具に移っていきます。

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