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【続編⑩】第四章〜第二節 「2.ウォーキングのチェック方法 ②歩行速度のチェック」 これならできる!運動指導初心者の指南書〜特定保健指導、介護予防指導などで必ず役立つ!

②歩行速度のチェック
 ウォーキングのチェックの2つ目はあなたの歩く速さです。

 厚労省の「特定健診問診票(標準的な質問票)」に 「ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速い。」かどうかという質問があります。その解説として「対象者の体力や身体活動の強度を評価するための項目である。」としています。

 歩行スピードがその人の体力強度についての一つの指標となっているわけですね。

 また歩行スピードと認知症の関係性は前節の「ウォーキングは量と質」のところでもご説明致しましたね。

 ということで、歩行スピードは、フィジカル面や脳の機能の指標になるもの。しかも、簡単に測定ができますので、是非一度調べて、高齢期の方であれば、今後も半年に一回はチェック入れていくことをお勧めします。

 用意するものとしましては、ストップウォッチ、または秒針付きの腕時計1つと、10〜15mのメジャー1本。

 先ほどの歩幅測定の時と同様に、10mをいつもの街中で歩く感じで歩いた時のスピードを測定します。

 歩幅測定同様に10m~15mをいつもの速さで歩いていることを確認できたら測定開始です。まずは先ほど確認した通りいつもの通り歩き始め、2〜3m先くらいにメジャーの「0」のところにラインを引いておきます。そのラインを超えた、または踏んだ瞬間ストップウォッチをスタート!そのままのスピードで歩き、10mのところにラインを引いておいて、そのラインを超えた、または踏んだ瞬間ストップウォッチを止める。

 注意としては、10mラインのところをゴールとせず、そこから2〜3m先にゴールラインがあると思って実施してください。
*歩幅チェックの時同様に、この方法を3回実施して、一番数値が小さな時のデータを選んでください。

 これで、10 m歩いた時のかかった時間がわかります。もし、8秒かかったとしたら、10m ÷ 8秒で1.25mになります。つまり秒速1.25mの歩行速度ですね。分速に換算すると75m/分です。

 通常の歩行速度は4km/時(67m/分)、「速歩」は5〜7km/時(83~117m/分)と言われていますので、先ほどの75m/分は「やや早歩き」ですね。目指すは「速歩」ですので、分速80m台以上110m台となります。

ちなみに、日本の横断歩道の青信号は、秒速1mを基準にして設定しているので、分速60mより遅くなると青信号中に渡りきれないということになります。

 色々と数値をご紹介しましたが、あくまで目安としましょう。そして、今よりは少し早歩きにしてみる。まずはそこからです。

 何度も申し上げますが、「運動は諸刃の剣」です。少な過ぎても、多過ぎてもよろしくありません。

 運動の負荷を上げる時は、客観的な数値は方向性を探る一つの目安(目標)として、今すぐクリアーするものではありません。いつかはそのゴールをクリアーするとして、今は、これまでよりは、少し多く、早く、重たくするという負荷の掛け方をしていきましょう。

[補足説明]
歩幅チェックの時にも説明しましたが、この歩行速度チェックも一人でやるよりはパートナーに測定してもらった方が正確に測れます。10〜15mいつもの感じで歩いたら、2〜3m先にスタートラインを用意して、そのラインを超えた時、または越したところをパートナーはよく見てストップウォッチをスタート。10m先のゴールラインを越すか踏んだ瞬間、ストップウォッチを止める。被験者はそのゴールよりも2〜3m先をゴールとして歩いてください。

 また、前章の歩幅チェックの時に、3歩目の時にストップウォッチをスタートさせ、13歩目の時にストップウォッチをストップ。こうすれば、歩幅と歩行速度を同時に測定することができます。この場合は、測定者が2名いた方が良いです。一人は歩幅のチェックで、もう一人は歩行測定でストップウォッチを担当した方がより良いです。

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