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祖父母の店のなかに、自分の店を作った話 その2

このコロナ禍で、私の周りの人たちは止まることなく大きく動いていた。 その渦中に引き込まれる形で、もう1人の私はいた。 夏に決まった、大阪の相方の店(バー兼イベントスペース)の中華そば屋への改装計画だ。
オリンピックイヤーにインバウンドとイベントでかなりの売り上げ見込みが立っていたのに、それがひっくり返され、大きく舵を取った。 その計画を聞いた時、これはまた大きくシーンが動くぞ、と確信し、ワクワクした。
そのタイミングで自分の会社を辞めて相方とタッグを組みたいと言った大参謀の決断も、潔かった。 私の身近な人びとは今、この時、このコロナ禍の逆境に勝負をかけている。 これはすごいことだと思った。  

私は、自分の店の2号店の準備をしながらこの新世界の大きな渦に巻き込まれた。 自分の船の舵取りをしつつ、相方の船の動力も担っている形で、かなり力を使い、時にあっちとこっちで身が引き裂かれるようになりながらクタクタになったが、ここ新世界の渦に確かな手応えを感じた。

  何より、仲間で作り上げているライブ感は消費電力が膨大だが、未来を大きく明るく照らしているようだった。 

 そして、時に羨ましかった。
こちらの船は私一人でずっともたつきつつ、踏ん張っていた。  

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働き者のばあばんは孫が頑張っているので、いてもたっても入れず手伝ってくれた。

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秋には間に合わせたいと、必死だった。その時、実家の家族と夙川の叔父一家のサポートが本当に暖かくて嬉しかった。

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なかなか作業しにこれない私に代わり、店のなかをずいぶん片付けてくれた。特に叔母は必殺仕分け人。みるみる断捨離が進んだ。  

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もちろん、叔父もイワノスポーツの仕事の傍、手伝ってくれた。いままでこうやって一緒に作業したことがなかったので、父親とも違うけど、なんだか叔父ってこんな感じなんだなと改めて思った。それは、30数年姪をやってきてまた新鮮な感覚だった。 

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小学生の従兄弟や、普段ものづくりの仕事をしている職人の妹も手伝ってくれた。ここには写ってないけど、母や父ももちろん。

デザインの仕事も、ありがたいことに沢山舞い込んできて、グラフィックデザインではパソコン上で右往左往、現場装飾系仕事で右往左往、でいつも締め切りに追われていた。 ずっと足がもつれそうになりながら、そんなサポートのお陰で、2020年11月24日になんとか開店に漕ぎ着けた。 北浜店のオープン記念日11月23日につなげる形を決めたので、必死のパッチでこじ開けた。

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けれども開けてみたら全然お客さんは来ない。 

不安ばかり襲ってきた。 

11月はコロナ第3波などと言われ、世の中の状況も理解しているが、やはり商売をしている以上お金が発生しないというのはとても不安なこと。 

確かに、全然余裕がなかったので告知もしていないし、周りの店に挨拶も行けていないから、世の中にまだ知られてないのだろうけど。。。   

自分をなんとか納得させようとしながらも、同じ時期にオープンした力のあるお店は賑わっているし、ますます焦った。   

人と比較することは好きじゃないが、こんなに自信が無くなることがあるのかと自分でも驚く程だった。 

 ———
 つづく


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