『ぎゅるるるるるるる』
まだ外が暗い冬の朝。
意識が浮上しかけ、微睡む時間帯のアラームが鳴り出す前。
「ぎゅるるるるるるるる〜っ」
薄暗い部屋に鳴り響く大きな音。
飛び起きた私。
音の出どころがななだと分かり、急いで散歩グッズを手におしもポイントまで連れて行った。
ちなみに、『おしもポイント』とは、大や小をする場所のこと。
ななは不思議そうな顔をしていたが、普通にするものをして、通常のお散歩を済ませただけで、お腹を下したわけではなかった。
玄関で手足や顔を拭いている間にまた、
「ぎゅるるるるるるる〜〜〜」
と鳴り出した音。
……これは。
「なな、お腹空いたのか!!」
急いでおやつをあげてから、ななのお待ちかねだったであろうマンマちゃんを差し上げた。
「ごめんね〜」
実はちょっと前、三日間くらいお腹を下していて薬を飲んでいたので、また、再発したのかと思い込んでいた。
「今朝のマンマちゃんたちょっと多めね」
ななは、無心でマンマちゃんを頬張っていた。