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イノベーションを起こすクリエイティブ思考術/エリックゼミ 第1回【2019夏学期】

2018年末の WEEKLY OCHIAI で「デジタル&イノベーションはいい加減やめよう(そして実践しよう!)」と掲げていた松永エリック・匡史氏。そのエリック氏が担当する「イノベーションを起こすクリエイティブ思考術」ゼミの第1回の模様について、ゼミ生の加藤美野がレポートをお届けします。

第1回のテーマは、「デジタル時代の経営戦略立案方法」。とはいえ、よくあるデジタルやイノベーションのお話ではなく、このゼミでは変わったところをやっていく、とのこと。26名のゼミ仲間と過ごす3ヶ月、楽しみです!

講師のエリック氏とは一体、何者なのか?

まず、講師プロフィールを確認してみます。

Professor
青山学院大学教授/アバナード デジタル顧問
松永エリック・匡史


バークリー音学院出身のプロギタリストという異色の経歴を持つアーティスト、教育家、ビジネスコンサルタントとマルチに活動。戦略コンサルティング、デジタルトランスフォーメーションのパイオニアとしてアクセンチュア、野村総合研究所、IBM、デロイトトーマツコンサルティング メディア・エンターテイメントセクター アジア統括パートナー/執行役員、PwCグループ デジタルサービス日本統括パートナーとしてデジタル事業の立ち上げと業界をリードし現職。現在青山学院大学の教授と並行しONE+NATION Digital & MediaのCEOとしてデジタルサービスのプロデュースを行う。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。ONE+NATION Digital & Media Inc. 代表取締役CEO

ちょっと色々ありすぎですね…?
ビジネスコンサルタント
エンジニア (SE)
プロミュージシャン・⾳楽プロデューサー
⼤学教授

それぞれの経歴にまつわるたくさんのエピソードを交えて、エリックさんの自己紹介からゼミはスタートしました。

この自己紹介の中に、すでに以下のようなイノベーションのヒントがありました。

イノベーションはすでに生まれている
「なぜイノベーションが生まれないのか?」とよく問われるが、どの会社でもすでにイノベーションは起きている(特に若者の中から)。ただ、イノベーションを殺しているのが現実。

イノベーション=新しいもの?
「新しいものが出てきてびっくりする」だけがイノベーションではない。キーワードは「懐かしい未来、新しい過去」。過去の素晴らしいものに、新しいものを加えていくこと。

イノベーション=ノリ!
「とりあえずやってみる」をやらない人が多すぎる。お金を使わなくても、物が作れる時代。人とのつながりが新しいものを作る。

デジタルとは何か?

デジタルはテクノロジーを意味するのか?
(AIとかIoTとかドローンとか…)

まずは、2005年のローマ法王就任式の写真と、2013年の写真を見比べてみます。

2013年には、たくさんのスマホカメラのディスプレイが写っています。これが、「テクノロジーの進化によるイノベーション」なのでしょうか。実は写真を撮ること自体は2005年でもできました。でも2013年では、神様にカメラを向けちゃうということにみんなが抵抗を持たなくなっています。単にテクノロジーが変わったのではなく、文化が変わった
そして1万人のカメラの向こうには、その場にいないにもかかわらず、映像を通じてリアルな体験をしている人たちがいます。

このように、テクノロジー起点ではない発想を持つことが大事だとエリック氏は話します。つまり、面白い体験ができるかどうかを発想する。

デジタルという言葉の定義は「拡散量」。アナログは「連続量」。デジタルの特徴は、非連続性。非連続性がイノベーションの特徴になります。

デジタルはテクノロジーではなく、文化や人の考え方の変化を起こすイノベーション

音楽とイノベーション

音楽におけるイノベーションとは、シンセサイザーができた、というようなことでしょうか。そうではないとエリック氏はいいます。

下記のすべてがイノベーションです。

楽器ができた!
音階ができた!
ハーモニーができた!
楽譜ができた!(楽譜はソフトウェア)
ビジネスになった!(パトロネージュ)
記憶メディアがでてきた!(蓄音機、レコード、カセット…)
持ち出せるようになった!(ウォークマン)
モノからコト化した!(レンタル、デジタルメディア、ストリーミング)
気分に合わせたレコメンド!(楽曲を選ばない)

「パトロネージュを現代に蘇らせたのがAKB」という話を聞いて、歴史をもとに新しいことを発想する意味がわかる気がしました。また、ストリーミングが流行ることで失われていくものがあるという話も、納得でした。

ゼミのミッション発表!

さて、エリックゼミでは今後、デザイン思考でイノベーションを発想していきます。
テーマは、スポーツ × ファッション × エンターテイメント × テクノロジー。

ミッション
フレンズZ東京(Bリーグ)をデザイン思考でアップデートせよ

次回、本物の「デザイン思考」に続きます!

文:加藤美野(ゼミ生)
写真:岩田尚子

💡ゼミ詳細

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