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新NISAに向けた準備③(投資先の選定とアセットアロケーションの考察)

来年から始まる新NISAに向けて、自分にとって最適なアセットアロケーションが少しずつ見えてきたので、記事にしていきたいと思う。

アセットアロケーションとは、「株式」「債券」「不動産」「コモディティ」の比率のことを言う。

株式投資でも「日本」「米国」「欧州」「中国」などの国や、「情報技術」「金融」「生活必需品」などのセクター(業種)に分散させることが出来るが、これはアセットアロケーションを更に細分化させたもので、「ポートフォリオ」と呼ぶ。

アセットアロケーションとポートフォリオを混同しているブログやSNSを見掛けるが、インデックス投資家で堅実な投資戦略を練るのであれば、アセットアロケーションの方を重視すべきだと考える。

私のような凡人投資家は、ポートフォリオをオリジナルで作成することよりも、時価総額加重平均で自動的にリバランスをしてくれるeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)のような低コストの全世界株式インデックスファンド1本に大人しく投資しておく方が賢明である。

下手にインドの成長に期待をして新興国株式の比率を高めたり、半導体の将来性を過信して半導体セクターや情報技術セクターを個別に買うことは、経済と世の中の情報に精通した一部のプロ投資家にしかお勧めできないと思っている。インドが成長することや半導体産業が今後も経済を牽引していくことは、私のような素人投資家でも簡単に想像ができることであり、既に株価に織り込まれていると思っておいた方が良いだろう。

自分でポートフォリオを組むということは、低コストのインデックスファンドで組成したとしても、自分自身でアクティブファンドを作り出しているのと同じことである。平均点の投資成績を求めるのであれば、全世界株式インデックス投資1本に投資しておけば十分なはずだ。

時々、全世界株式インデックスファンドと米国のS&P500指数に連動するインデックスファンドの2つの投資信託を保有している人や先進国株式インデックスファンドと米国高配当株式インデックスファンド(VYMなど)を保有している人を見かけるが、投資先の企業に着目すれば、双方のファンドで投資先の国や企業が被っていることに気が付いて欲しい。

これでは、単にある企業又は国の比率を高めているだけで正しい分散とは言えないだろう。あらゆる国、あらゆる業種に広く分散させるということは、オルカンのような時価総額加重平均型の全世界株式インデックスファンド1本に投資すれば良いのである。仮に、この先、米国が衰退したとしても(衰退することは無いと思っているが、先のことは分からない)、時価総額加重平均であれば、その時代ごとに自動的にリバランスをしてくれるわけだから、10年、20年先の世界情勢を予測する必要も無い。

死ぬまで資産運用をするのであれば、ボケ老人になっても平均点の投資成績が残せる全世界株式インデックスファンド1本に投資するのが理に適っているというのが私の結論だ。

つまり、インデックス投資家であれば、ポートフォリオにはあまり神経を研ぎ澄ます必要は無い。

むしろ、個人投資家の投資戦略で重要なことは、アセットアロケーションの比率を決めることだ。


アセットアロケーションは年齢や保有資産によって、各々で変わってくる。そして、一度決めたアセットアロケーションをころころと変えることは好ましくない。自分にとって最適なアセットアロケーションは何かということについては、確固たる信念が必要だ。

信念を持たず、中途半端に決めてしまうと、情報過多な今の時代において、SNSで日々発信されるインフルエンサーの一声で頻繁にアセットアロケーションを変えることになりかねない。

毎月節約して得られた大切な自分のお金を、投資に注ぎ込む訳だから、他人の言葉に惑わされないだけの投資理念を持つこと。

そのためには、自分自身でも本を読んで勉強することが大切だ。

間違っても他人の意見だけで、投資先を選択することが無いように注意して欲しい。


私の投資方針はシンプルであること。

伝統的なアセットアロケーションに照らし合わせるのであれば、株式、債券、不動産、コモディティの4つのアセットに分散させるべきある。

しかし、不動産投資は管理の手間と目利きが必要となるため、私にはリスクが大きすぎる。そもそも仕事をしながら不動産まで勉強する余裕はない。不動産投資をするということは、不動産会社に足を運び、現地を見に行く必要があるなど、貴重な休日に子育てをしながら不動産投資に精力を注ぐのは現実的では無い。不動産を購入した後も、仲介業者に任せきりという訳にはいかないだろう。このような理由から、不動産に関してはリート(不動産投資信託)を検討している。

コモディティでは、代表的なものとしてゴールド(金)が当てはまる。しかし、ゴールドは利息や配当を生まず、複利効果が得られないため、投資には否定的に考えている。

ゴールドは、リスクヘッジの代表格とも言える商品であることは事実である。先日、低コストのインデックスファンドが登場することがSBI証券から発表された。守りのアセットアロケーションを構築するには、魅力的な投資先である。

SBI・VシリーズとSBI・iシェアーズ・シリーズのインデックス型ファンド拡充に向けた公募11ファンドの募集・設定のお知らせ (sbigroup.co.jp)

しかし、私の資産はまだ1500万程度であり、リタイア前の資産形成段階である。

今すぐ購入すべきアセットでも無さそうだ。

退職金を得て、完全リタイアした後にアセットアロケーションにはめ込んでも遅くはなさそうだ。当面は、コモディティをアセットアロケーションに加える予定は無い。


以上を踏まえて、2024年新NISA運用開始後は、夫婦の新NISA投資限度額3600万を全世界株式インデックスファンドへの投資で埋める。

現時点で、候補となっている投資先は、

① eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
② SBI-SBI・全世界株式株式(雪だるま)
③ SBI-SBI・V全世界株式

上の3本の投資信託の中から1つを選定して、2024年から始まる新NISAでは、全世界株式インデックスファンド1本に投資するつもりだ。

余剰資金は特定口座で債券とリートに投資する。

今は暴落への備えとして債券比率を高めているが、リタイア前の40代では、株式を中心としたリスク先行型のアセットアロケーションで良いと考えている。

<40歳代>
① 株式(全世界) 70%
② 債券(米国)20%
③ 不動産(リート)10%

債券への投資は、6月からの設定が発表されたSBI・i シェアーズ・米国総合債券 インデックス・ファンドで決まりだ。今まで投資信託では最適な米国債券ファンドが無かったのだが、信託報酬が0.1%を切る超低コストの米国債券インデックスファンドが登場したのは有難い。しかも、米国の投資適格債券に幅広く投資が出来る大変魅力的な投資先だ。

不動産への投資は、
① eMAXIS Slim 国内リートインデックス
② eMAXIS Slim先進国リートインデックス
が現時点では候補となる。

不動産も株式に対してある程度の相関関係が期待できるが、全世界株式インデックスファンドに包括されている部分もあるため、積極的に購入するアセットでは無さそうだ。国内リートに関してはマイホームもあるため、不要とも言えるかもしれない。金融資産の10%程度で保有していれば十分と考える。


最後に、50歳代以降のアセットアロケーションも載せておく。

<50歳代>
① 株式(全世界)60%
② 債券(米国)30%
③ 不動産(リート)10%

<60歳以降>
① 株式(全世界)50%
② 債券(米国)40%
③ 不動産(リート)10%

保有する投資商品は、
① 全世界株式インデックスファンド(NISA口座)
② SBI・i シェアーズ・米国総合債券 インデックス・ファンド
③ 不動産投資信託(国内、先進国)2本
の合計4本と必要最小数で運用する。

アセットアロケーションは、比率が崩れたらリバランスをすることが大切である。リバランスすることで、割高なアセットから割安なアセットに資産を移して運用効率を上げていく。

投資商品を必要最小数に絞り込み、シンプルな投資を行うことで、リバランスも容易に行うことが出来る。全世界に不動産投資ができるようなファンドが誕生すれば、更にシンプルに資産運用を行うことが出来るのだが、ここは誕生を心待ちにしたい。

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