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11 今日もまたカミーノ不思議体験

フランシス・カミーノを2005年と2007年の2回巡礼した。手元には巡礼者証明書(クレデンシャル)しか残っていない。その当時の記憶も今ではほとんどなく、この2回の巡礼で体験した何がしかのエピソードが心に少し残っているだけだ。

そこで、まともな巡礼記を書くのは諦めて、この2回の巡礼で記憶に残っているエピソードをこの『スペイン巡礼2005(カミーノ・フランシス編)』に残そうと今日(2022年9月19日)決めた。

この11に書くエピソードはもしかしたら2007年の記憶かもしれないが、それは良しとしよう。

クレデンシャルに残る5月3日の巡礼宿スタンプはすでにかすれていてどこに泊まったか定かではない。

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それでグーグルマップで俯瞰するとトサントス村から19キロ先の丘陵地の中に教会があった。たぶん、都市ブルゴスに泊まる前に、ここに泊まったのではないかと思う。

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この近辺の巡礼宿をネット検索をするうちに懐かしい光景をみつけたのだ。それはさびれた山の中にある巨大なカトリック僧院である。なんでこんなとこにこんな巨大な僧院があるのかと思わせる壮大な姿である。イギリスに並ぶ帝国として栄えたスペインには、かつて栄華を極めた時代があったのであろう。その残滓が今も朽ちることなく残っているのである。

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この日もえっと思うような不思議なことが起こった。

・この数日、巡礼路で何度かオーストラリアのタスマニア島から来たというカップルとすれ違っていた

・ある日、歩いていると男性の方が足を引きずっていたので見ると靴が大き過ぎて足の皮膚が擦れて出血していた

・応急処置に手のひらサイズのバンドエイドを踵から足首にかけてベタッと貼ってあげた

・すると効果的麺で何事もなかったようにささっと歩きはじめて行ってしまった

・この日は山道に入ったところで小柄な女性の方が重たいバックパックを担いで杖をつきながらノロノロと歩いていた

・聞くと彼氏はとっくのとうに行ってしまって取り残されているという

・それで軽快に歩けるようにとトレッキング向けの呼吸法を教えてあげた(呼吸法の詳細はまた別にしよう)

・すると数分もしないうちにその呼吸法での歩き方を学んだ彼女はものすごいスピードでその場からいなくなった

・2時間ほど歩いただろうかこの巨大な僧院が目の前に現れその傍らの草むら(上記写真の赤丸で囲んだ場所)でそのオーストラリア人のカップルが寛いでいたのだ

・男性に声をかけると(ぼくが道々呼吸法を教えた)相方のアリソンがいきなり別人の天使のようになってしまったという

・彼女は呼吸法によって意識がゆったりとおおらかになったのだろうとぼくは推測した

・女性の方になんであんな小走りのような速さで歩けるようになったのかと聞くと、ぼくに言われた通りに素直にやったらいきなりエネルギーがみなぎって止まらなくなったのだと言った

・マタイによる福音書 3 「よく聞きなさい。心をいれかえて幼な子のようにならなければ、天国にはいることはできないであろう」という節を思い出す

・元々男性の歩きは早かったが呼吸法を会得した女性も男性並みに歩きが早くなったようで彼らにあったのはその日が最後だった

・男性に不思議がられると同時にいろいろありがとうとお礼を言われた

その後、その日は彼らと一緒に荘厳な教会をみたり食事をしたようだが、詳しいことは覚えていない。

でも、かえってそれがいいのかもしれない。

まあ、パウロ・コエーリョの「星の巡礼」じゃないけど、この土地ではいろいろ予期せぬことが起こりますね。

つづく