スタートアップに途中参画するときに最大限気をつけていること

副業などもやっていたし、なんだかんだフリーランスみたいな働き方を2年ぐらいしているので、一般的な人よりは『新しい会社に入る』という経験を僕は多くしています。半年以上働いたことがある会社はざっと10社ぐらい。細かいのをいれるともっとあるけれども。

一方で、僕は自分自身で創業メンバーとして事業や会社の立ち上げも3回しているので、新しいメンバーを受け入れる側の気持ちも理解しているつもりです。

そこで自分の経験をもとに、

  • 途中参画するならこんな入り方がスムーズな気がする

  • 受け入れ側としてはこんな入り方だと嬉しい気がする

という両軸から気をつけていることをまとめてみます。そろそろ4月だし、もしかしたら新しい会社にいく人もいるかもしれないしね。なお、僕はスタートアップの経験の方が長いので、この記事は主にスタートアップ向きになると思いますが、いろんな会社で使えると信じています。

その会社のいままでの文化や背景を尊重する

多くの人は、参画したタイミングでどうにかバリューを出して、企業との信頼関係を強固にしようとします。そのバリューの出し方にはいろいろあります。そのなかでも、1番簡単にバリューを出している気になるけど、実は1番やってはいけないことがあります。
それは、その会社のいけてないところ(改善できるところ)を「これをやったほうがいい」「これはこうするべき」「なんでこれできてないんですかね?」などその人の過去の経験に基づいて指摘しまくることです。

もちろん会社によっては、「ありがとうありがとう!そうだよね!テヘペロ」と全力で受け入れてくれる会社もあると思います。
ただ、他の物事の優先度が高くてそれができてなかったのかもしれないし、多くの議論の末にそういう状態になっているのかもしれません。
創立からいままでの流れや歴史なんて、すぐに感じ取れるわけないじゃないですか。他の国からやってきた人に「日本ここおかしくない!?グローバルに合わせなよ!」って急に言われても「お、おう」となるのに近いというか。
いままでの背景などを想像せずに、また、信頼関係がないなかでズケズケと改善ポイントだけ伝えてしまっては、ポジティブに受け止めない人もいます。または、その指摘事項が正論だったとしても、正論だけじゃ人の気持ちって動かせないですよね。

そこで、一回はそれを受け入れながらも信頼関係ができてきたタイミングで「こういう改善点があると見えるのですが、どう思いますか?」「ここについてはちょっと違和感があるのですが、どういう経緯でこうなっていますか?」などと、ちゃんと誠実に伝えることが重要です。
もちろんその回答として「うわー、ぜんぜんそれ検討すらしてなかったわー!」「ごめん、ちゃんと検討しないでそうなってます!」っていう返事がくることもあり得るのですが、その場合でも「なかなか手を回しにくい領域ですよね!じゃあこれ必要だったら私がやっておきますね!」という形で共感しながらも相手に不愉快な気持ちにさせず、気持ちよく改善アクションに移るのがよいです。口だけではなくアクションに移るというのも大事。

最初の1ヶ月のミッションの確認、丁寧で慎重なコミュニケーション

参画したということは、なにか解決したい課題がその会社にあって雇われているはずです。どんな課題を解決するべきなのか? そこのすり合わせを確実にしましょう。
そのミッションが中長期の話になることもあると思いますが、まずは短く区切って最初の1ヶ月で期待される動きに対してすり合わせをするのがオススメです。
この作業は、面接の担当の人だけではなく、周りの一緒に働くメンバーともしておくのがよいです。もしくは「こういうミッションで入っていて、最初の1ヶ月はこういうことをします」ということを周りにも宣言し、理解してもらうのでもよいと思います。

もちろん、すり合わせした通りに動ける場合もあれば、動けない場合もあります。少しでもずれてきたらそのタイミングでタイムリーに上長に共有しましょう。もしくは、他に自分が貢献できそうな部分を見つけた場合も、勝手に動かずに共有してから動いた方がよいです。
そして最初の1ヶ月はいろいろ質問しちゃうかも〜ってこともちゃんと伝えておきましょう。会社が違えば、文化や仕事の仕方も違います。早く新しい会社に馴染もうとしてくれるための質問や努力を受け入れ側が悪く思うことはないはずです。
正直、どこにどんな地雷がうまっているのか最初はわからないんですよね。「あ、ここ貢献できるかもー! 作業して信頼度あげてもらおっ」って思って安直に勝手に動くと、他のメンバーの作業領域をとってしまう可能性もありますし、過去に検討して一旦ペンディングになっている作業かもしれません。

いろんなかたがおっしゃっていますが、中途入社するとき、業務委託としてジョインするとき、プロジェクトの開始時・・・などなどにおいて、最初の動き方はすんごーく重要です。
ここは丁寧しすぎるぐらいなコミュニケーションをこころがけましょう。

コミュ障でも、最初は頑張る。誰に何を聞けばいいかを理解する

それができればコミュ障じゃねえんだよ・・・って思ってる人もいる気もしますが、とにかく最初は「みんなと仲良くなりたいっす!」「私はみなさまの敵じゃないです!」「会社に貢献したいっす!!」というオーラをぷんぷん放ちながら、いつもよりも意識してコミュニケーションをとるようにしましょう。

参画から数ヶ月もすると、新しい会社にも慣れ、自分の意見もいいやすくなっているはずです。ただ、そう思っているのは自分だけで、周りはまだ新参画者に慣れていない可能性もあります。
最初に信頼関係を作れなくて、あとからギコちない関係になることも多々。特にリモートワークだと顔合わせる機会もないので、仕事で関わらない人は疎遠な関係になることも多くあります。

なので、できるだけ1on1をいれることをオススメします。15分でもよいです。たぶん断るひとはいないはず。たぶん。
そして、その1on1のなかで困ったときに誰に何を聞けばいいのか把握しましょう。特に最初はわからないことだらけだと思います。もちろん、参画時にその説明がなされる場合もありますが、スタートアップでは、オンボーディングプログラムがちゃんと組まれていないこともあるはず。
自分の仕事が円滑に進められるように、明確にしておきましょう。

フィードバックの時間をもらい、次の参画者にプレゼントを残す

そして、参画してから1ヶ月ぐらいで自身の動きについてフィードバックをもらいたい旨を伝え、ミーティングの予定をいれるのも忘れずに。
定期的にフィードバックがある会社もあるとは思いますが、参画したばかりの人に遠慮してなかなかネガティブなフィードバックをしにくい会社も多くあります。ズレがあったら修正できるように、そしてそれを聞く体勢がある
ことを示すためにも、「1ヶ月後にフィードバックをもらう打ち合わせいれてもいいですか?」と伝えて予定をいれましょう!

信頼関係ができてきたタイミングで「こういう改善点があると見えるのですが、どう思いますか?」「ここについてはちょっと違和感があるのですが、どういう経緯でこうなっていますか?」などと、ちゃんと誠実に伝えることが重要

と、前述させていただきましたが、このタイミングで、1ヶ月働いてみて違和感があったことはお伝えできるとよいかもしれません。
というのも、その違和感はなかったことにすると、自分でも忘れてしまう類のもので、入社したときにしか感じられないことが多いからです。

ある企業で働いていたときに、みんな当たり前のように打ち合わせに2-3分遅れてくるので「なんでみんな打ち合わせに時間通りに来ないんですか?クライアントにも同じことをしていないか少し不安です。」と伝えたところ「確かに、同じこと私も参画したときに思っていたけど、私もミーティングに遅れて参加することに慣れちゃってたな・・・」と言われたことがありました。
企業のなかで当たり前になっていることって気づきにくくて、なお本人たちも無意識でやっているので、指摘されたときに「ふああああ!確かに!!」ってなることも多いと思うんです。それを伝えることも中途入社の方の役目だと感じています。

また、参画してからの1ヶ月で困ったことがあれば、次の参画者も同様に同じ問題で困る可能性があるので、メモをしたりして残しておいたり、解決できる手段があれば、他のメンバーと相談しながら改善もしていきましょう。それができるだけで、チームや会社への貢献という意味では大きいと思います。


意図せず長くなってしまいました!

もっと短くすればよかったな、とか思いながら、気づいたことがあればまたアップデートするとして、一旦は投下しておきます。

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