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企業にとって「褒める」ことが意味すること

「褒める」ことが人間関係を築く上でとても重要になると述べました。

今日は「褒める」ことを企業の観点から見てみたいと思います。

「コーポレート・カルチャー部」の立ち上げ

学生時代に勤めていた会社では「文化統括部」という部署を立ち上げ、「楽しい会社を創る」をミッションに活動していました。

次は現職にて「コーポレート・カルチャー部」という部署を立ち上げました。これは企業文化を規定し、企業が向かうべき方向性を明らかにするための場所です。

企業文化を考える上では、2つのことを考える必要があります。

1. 企業にとって、よくない行動を規定する
2. 企業にとって、よい行動を規定する

この2つは似て非なるものです。

「よくない行動」は企業倫理に関わるようなことから、企業の推進力を阻害するようなことまでが含まれます。どちらかというと「守り」の行動規定です。

一方「よい行動」は「攻め」の行動規定です。どんどん促したい行動、大切にしてほしい価値観を規定します。

両者を切り離して考えるべき理由は、よい行動を促進するために、よくない行動が正当化されることがあるためです。売り上げをあげるというよい行動を促進するために、パワハラが許容されていては、何のために組織を形成するのか、本末転倒です。

よい行動、よくない行動のどちらもを企業の文化として表明し、それを守り抜き、育てていくための手を打つことが、コーポレート・カルチャー部のミッションです。

組織における「褒める」ことの真価

「褒める」ことは、企業にとって、よい行動を規定することです。

いいところを見つけ、それを伝えることで、その行動が強化されます。

裏を返せば、どんな言動が促進されるべきか、組織を率いる立場の人たちは把握していなければいけません。

自分も見習いたい言動、他の人も真似をしてほしい言動、組織のよい性質を表すような言動。これらを発見し、組織レベルで強化すること。

これが企業文化を育むことだと思います。

私は比較的小さな組織(50人前後)でしか働いたことがないので、これは理想論だと思われるかもしれません。仕事では「褒める」なんて生暖かいフィードバックは不要だという役職者もいるでしょう。

しかしながら、少しの手間をかけることで、組織に活気が生まれ、笑顔が生まれ、前向きな気持ちが生まれるのだとしたら、私はかけるべき価値があると思うのです。

そして何より、促進されるべき言動が促進されることは、組織にとっていい影響しかないはずです。「褒める」という行動は、成果を追い求めるという企業の根本的な要求に対しても、とてもダイレクトで効果のある施策に見えます。

組織における難しさ

「褒める」という行為自体を企業文化として醸成することが、今の私の内なる目標です。

しかし、「褒める」行為自体を当たり前に行われるものにするのはなかなか難しく、自身の次なる課題です。(リモートワークでも観測可能なよう、「褒める」ことに特化した社内ツールの投稿数で測っています)

この課題に対してはまだ具体的な手を打てておらず、同じことを内なる目標にしているメンバーもまだいない状態です。

同じ観点を持つ仲間を増やし、文化を醸成できるよう、次の半年くらいで向き合いたいと思います。

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