私の声の基 その2

歌声の個性とは

高校生の時に作詞作曲し歌い始めた。

学生時代にはミュージカルの舞台に出たいと思い、ダンスとボイストレーニングに通い始めた。

ボイトレで初期の頃に言われたのが

ドリカムっぽいね

小学生のころからドリカムを聞いていたと言うと、トレーニングの先生は、無意識に歌声を真似している傾向がある、と言うのだ。

身に覚えがない…

つまり真似しているつもりはない、だけど似ていると言われる。

まずは、無意識についた癖を取ることを目的にレッスンが始まったのだった。

当時の私は、自分の歌は自分だけの声の表現で発していると思ってたけど、第三者の歌のプロに聞いてもらったら他のアーティストに似ているという価値をつけられ、それはマイナス評価であった。

聴き慣れた歌声、表現に引っ張られるのは確かにあり得る。だったら、じゃぁ、本来の自分の声で歌ってる人っているの?という話。

何人かの先生についてボイストレーニングを行ない、だんだんと声の癖は取れてきて、歌いやすくもなってきた。

だけど、その、癖をつけていた要素はなんだったのか。思い通りに表現できてるのか。本来の私の声はなんなのか、ということについて、感覚的にも具体的にも言語化できることなく、手応えがないままだった。

本来の声

元々の声、本来持っている声、と言われてもピンと来ない方が多いだろう。

例えば、カラオケに行って、「この人の歌、あのアーティストっぽい」とか、「この歌歌うときだけアニ声になるなこの人」とか、思い当たることありません?
ビブラートの掛け方とか、ファルセットへの切り替え方とか、地声や喉声の感じとか。なんとなく本家本元の方とちょっと似てる感じ。

そのアーティストが好きすぎて、その歌を聞きすぎて歌唱法までコピーしていたとしたら。
「"青い空"と歌うとき、その空の様子をどんなふうに表現して歌うか」まで、コピーしていたとしたら。それは私の歌ではないのかもしれない。
そのコピーした表現方法が無意識に体に染みついて(これがきっと声の癖)、意識することなく歌っているのだとしたら、それは私の本来の声ではない、ということになりかねないな。

声、歌、表現

本来の声 というのは、「表現する」ということを抜きにして、リラックスした体で呼吸し発声すること、と今では理解している。

その人の体、口の大きさ、歯の並び、舌の具合、喉の太さ、声帯の形や性質、など。そういった個人の体の個性による声。ポイントは、力まず、気持ちよく発声した時の声が本来の声、というところだと思っている、

歌と表現は

を 歌詞の背景なども含めて表現したで 歌う。

ということだと思っている。

なので、歌い手の生きてきた中で得られた経験と感性が強く表出する。その人の性格、大事にしていること、大切なこと、好きじゃないことなどがダダ漏れするはず。

歌の表現=歌唱法 は、好きなアーティストに引っ張られがち。もしそれに気づいたら、まずは自分の本来の声を確かめる(リラックスして発声する)。

本来の声で、歌の歌詞の様子を思い浮かべながら、歌ってみる。そうするとね、ここの歌詞でアクセントつけたい、とか、このメロディの流れが最高に気持ち良いからストレートにロングトーンしたい、とか、欲が出てくる。それはもうその人自身の表現、その人だけの歌になる。

(好きなアーティストのコピーだって技術が必要だしそれもとても表現力の勉強になる。そのあたりは その3 で。)

なんだか駆け足だけれど、私の今現在の、声、歌、表現、はそんな風な理解です。

その3に続く


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