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RM "All Day" 一日中闘っている 〜日本語選びにこだわる和訳歌詞 no.080

残忍な世の中が 嗚呼
君を 嘲笑うような時
世間が何と言おうとも
俺たちは 飛び立つね

All Day(with Tablo)



最近の広告コマーシャルは皆似通ってんなぁ
とりあえず楽しめよ 気ままに
洒落た服を着た
見事なダンスを踊るこれら以外は
そうじゃない人の方が多いよね

ただ 習慣になった「気にしない」
わかってる
そんな奴らが余計気にするのさ
実際、身体は何ともなくて
心の方が問題
ああ そうさ
俺が俺をわかってないから

失せろ 人工知能
クソったれ 演算手順アルゴリズム
思索が必要だ
この畜生め 規則リズムの全て
思考する隙を与えない
俺の活動周期バイオリズム

いつ頃
使ってみるようになるのか 俺だけの詩は
生き残るために忘れ去られた
夢を見ること

ひと粒ほどの星になってしまった
埋もれた何かを
あなたも 探しているならば
俺の気持ちがわかると思うよ


平気さ 平気
俺はひねもす掘り返している
なんてことはない
俺は本当の自分を探している
平気さ 平気
俺は朝から晩まで歌っている
なんてことはない(さあ行こう)
All day
All day
All day
All day


これはどういう状況なのか?
俺たちはここで何をしてる?
全て元居た場所に在るしかない
誰も彼もが「中立ギア」
奴らは君が恐れるのを望んでいる

どこで敢えて思いを伝える?
さあ、折るよ おりがみ
「彼ら」は君の勇気と学識によって
「君」と言う存在を手に入れた
それは大きな事実

特色を踏みにじってしまった方針決議シンクタンク
冷え薄らいでしまった個人のインパクト影響力
更に大きな火を焚き付けて、
君の人生は 世紀の大一番ビッグマッチ

燃えさかれ 何を恐れてる?
ベンチからそのケツを上げて
ウォーミングアップを始めろ
彼らが「立ち振る舞え」と言えば、
俺たちは闘わなければならない

俺たちは'DNA'の中に'Dynamite'を得た
俺は上手くいくだろう そうなるだろう
目を見開いて理解し、上手くやるよ
ヘイターはほら、目を閉じて
俺の人生の有り様を見たくないなら
元々 夢の様なことを
目を開けて見ることは難しい
俺の存在を感じるか?


平気さ 平気
俺は一日中闘っている
なんてことはない
俺の邪魔をするな
平気さ 平気
俺は我が道を生きている
なんてことはない(さあ行こう)
All day
All day
All day
All day
お前の人生を生きろ


残忍な世の中が 嗚呼
君を 嘲笑うような時
世間が何と言おうとも
俺たちは 飛び立つね

君はそれを信じなければならない
君は生きて行かなければならない
君は夢を見ていなければならない
君はそれを信じなければならない
君は 感じていなければならない
わかっている 俺たちは、
終わるその時まで飛ぶのだと


韓国語歌詞はこちら↓
https://music.bugs.co.kr/track/6183185

『All Day』
作曲・作詞:Pdogg , RM , Tablo


*******


今回は2022年12月にリリースされたRMのソロ・アルバム「Indigo」の収録曲 "All Day" を意訳・考察していきます。

まずPdogg PD作のビートありきだったというこの楽曲は、かねてから「君と一緒に作業するなら憂鬱な曲は嫌だ、明るい曲がいい」と語っていたというEPIK HIGHエピック・ハイTABLOタブロ氏に、満を持してコラボの話を持ち掛けるに至った、という正真正銘「胸躍る」作品となっています。

上記動画の中でTABLO氏は、今回ナムさんからコラボの話を持ち掛けられた時「曲を聴く前に「그래 하자クレ ハジャ(よしやろう)」と即答した」と明かしていますが、この時の裏話が2023年1月31日付RollingStone誌のインタビューで明かされています。

依頼の連絡が入った時シンガポールに移動中だったTABLO氏は、機内ですぐに楽曲ファイルを開くことができず、それでも「RMは悪い曲をやらないと思う。彼にはそれができない」と全幅の信頼をおいた上で即答に至ったのだ、と。

この強い信頼関係にあるビッグネームふたりによるコラボレーションは、夢を追い続けるひとりの青年の半生そのものであると言っても過言ではない、たゆまぬ努力の「成果」のひとつとなっています。



1.「Fly」という名の道標みちしるべ

"All Day" の終盤には、こういった歌詞があります。

잔인한 세상이 오 너를 비웃는 것 같을 때
(残忍な世間が ああ 君をあざ笑うような時)
세상이 뭐라고 말해도 우린 날아오르네
(世間が何と言おうと俺たちは飛び立つね)
ー"All Day" より

※引用文に付けた和訳は直訳
https://music.bugs.co.kr/track/6183185

楽曲歌詞最終行で「We know we fly all day」と締めくくられるこれらのフレーズは、2005年にリリースされたEPIK HIGHの "Fly" の歌詞のオマージュとなっているのです。

오늘도 잔인한 세상은 너를 비웃고
(今日も残忍な世間が君をあざ笑って)
거울 앞에서도 기죽고 또 홀로 술잔을 비우고
(鏡の前でもくじけて また 独りで盃を空にして)
ー"Fly" 歌詞より

※引用文に付けた和訳は直訳
https://music.bugs.co.kr/track/80122082

Fly (My Baby) 세상이 뭐라고 말해도
(飛べ世間が何と言おうとも)
Fly, fly, get em up high
(飛べ 飛べ 高く飛んで行け!)
ー"Fly" 歌詞より

※引用文に付けた和訳は直訳
https://music.bugs.co.kr/track/80122082

バンタンがデビューした年のインタビューでヒップホップに沼落ちしたきっかけを尋ねられたナムさんは、次のように話しています。

エピックハイ先輩たちを見てヒップホップにハマった。小学5年生の時 'Fly' が出たのに関心がなく、6年生になって偶然聴いた。衝撃が大きかった。ラップでここまで人の話を紐解いていくことができるのかと思った。その時からシャワーを浴びる時も曲を掛けておいて、歌詞をプリントして覚えて、自分で直してみたりした。たぶん三千~四千回は聴いたんじゃないか。
ー韓国経済新聞 インタビュー記事(2013.10.15)より抜粋して翻訳

https://www.hankyung.com/entertainment/article/2013101500634

この「沼落ち」した頃のエピソードについては『[슈취타シュチタ] EP.1 SUGA with RM』でもナムさん本人によって語られています。

(うちには今現役小学6年生の子がいるのですけれど、小6のナムジュン少年が "Fly" に出会った時のこの様子をもし母として自分が目の当りにしたら、やっぱりマイクでも何でも買ってあげたくなるんじゃないかなぁなんて思います…)

このように楽曲 "Fly" は、詩人を志していた少年に音楽という翼を授け、ラップという表現手段が己の言語となることを気付かせた上で、彼を現在地へと導いた最も重要な道標に他ならないのです。

ナムさんが大切な楽曲への敬意を存分に込めた "All Day"。
その深い想いに応える形で、TABLO氏も自身のパートにバンタンとナムさんへの思いを込めています。

어디서 감히 생각을 말해?
(どこで敢えて考えを言う?)
어서 접어, origami ※1
(さあ折るよ、折り紙)
They got you by your balls & your socioeconomics ※2
(君の勇気と社会経済学によって、彼らは君を得た)
That's big facts
(それは大きな事実)

※引用文に付けた和訳は直訳
https://music.bugs.co.kr/track/6183185

※1 韓国にも折り紙文化はあり、鶴をたくさん折って瓶に詰めると願いが叶うという言い伝えも存在しているとのこと(参考)。日本のように糸では繋がない。
余談:TABLO氏の愛娘ハルちゃんが折り紙が好きだったようで、パパも頑張って上手に折れるようになろうと努力していたとのこと(参考
※2
balls…勇気、度胸の意のスラング(参考
社会経済学…個人や組織の活動が社会経済に及ぼす影響を与えるのかを研究する学問

この部分を読んで私は、TABLO氏が見てきたこれまでのバンタンの活動に対する賛辞が込められているのではないかと思いました。

敢えてどこにも訴えることができない、胸の内に秘めざるを得なかった(ただ黙々と折り紙を折って祈りを込めることでしか表現できないような)抑圧されてきた思いを、バンタンが勇敢な姿でもって解放し、知性をもってして正攻法でより良い在り方を提言してきたことについて、TABLO氏はそれが「大きな事実」であるとここで讃えているのではないかと。

世界における差別問題であったり、韓国国内における階級社会であったり、個人における尊厳の問題だったり。バンタンの行動がそれぞれの問題における「声なき声」を代弁し、時には矢面に立ってまで発信をし続けていることが、どれ程の功績であるか。

ちゃんと見ていてくれている先輩がいるって、どんなにか嬉しいことでしょうね😊

そしてそのようにしてバンタンから力を得た者たちが自分の中にある「強さ」を確信する場面では、楽曲 "Dynamite"、そして "DNA" の名が歌詞に登場します。

We got dynamite in our DNA
(俺たちはDNAの中にダイナマイトを得た)
I'mma be okay, I'mma be that way
(俺は上手くいくだろう 俺はそうなるだろう)
눈 부릅뜨고 알아서 잘 지낼게
(目を見開いて理解し、上手にやる)
Haters 어서 눈 감아 내 인생 꼴 보기 싫으면
(ヘイターたち さあ目を閉じて 俺の人生の有り様を見たくないなら)
원래 꿈 같은 일은 눈뜨고 보기 힘들어
(元来 夢のようなことを目を開けてみるのは難しい)

※引用文に付けた和訳は直訳。意味が通るように改行位置を意図的に変更
https://music.bugs.co.kr/track/6183185

TABLO氏自身も過去にヘイターによる攻撃を受けた方であるので、この部分には自身の思いもストレートに込められていると思われます。
バンタンが、ナムさんが紡いできた音楽や言葉たちが、TABLO氏の心と共振している様子が伝わってきます。


2.いつかきっと、が叶った日

気になるのは、EPIK HIGHのいちファンに過ぎなかったイルサンのナムジュン少年が、いかにして人生を変えた憧れの人とのコラボ曲を全世界に向けて発表するに至ったのか、その道のりです。

ふたりの間で共作についての話が出始めて以来、実に4年の歳月が過ぎたと前出の動画で明かされていますが、2022年の4年前というと2018年。TABLO氏が歌手イ・ソラに楽曲提供した際、ユンギがフィーチャリングで参加した頃(2019年1月リリース)と重なります。(この時はTABLOから直々にオファーがあったとのこと)

SNSの投稿を遡ってみると、2014年11月6日『Mカウントダウン』の収録で現場が一緒になったEPIK HIGHと防弾少年団の姿がありました。↓

(TABLO氏の両脇をナムさんとユンギがかためてるのがわかりやすくて良いですね…嬉しそう)その収録回の様子の動画↓

そしてこちらは2016年に韓国で初版が出たTABLO氏の著作『BLONOTE』をご本人から献本してもらったナムさん。サインとメッセージ入り。「To ナムジュン 疲れた時少しでも力になれますように」↓

2019年4月にV LIVEで公開された「MAP OF THE SOUL : PERSONA」のレビュー動画には、アルバムが出た後ソロ曲 "Intro : Persona" について「BLOヒョン」と「Gaekoゲコヒョン(Dynamic Duo)」からメッセージをもらい、ラップを高く評価してもらえたことを嬉しそうに話しているナムさんの姿が残されています。
(Dynamic Duoも初期のグループインタビューでその名が挙がっており、Gaeko氏とナムさんは2017年にコラボが実現しています

その後もTABLO氏がバンタンの楽曲を自身のアカウントで紹介したり、ナムさんがEPIK HIGHの曲を紹介した投稿に反応する場面も見受けられ、お互いがお互いの音楽を尊重しあっている様子が伝わってきます。

だからこそ本当に納得のいく楽曲(ポジティブな楽曲)で共作をしたい、とこだわった結果、4年という月日を経て今に至った、ということなのでしょうね…その場所がナムさんの記念碑的ソロアルバムとなったことは、もう運命であったと言うしかないのではと思います。


3.AllDay一日中闘っている

一方、楽曲歌詞の内容はというと…。

ナムさんのパートは「K-POPアイドルとしての多忙過ぎる日々に対する悲鳴」とも言えるものとなっています。「人として成熟する機会を与えられない」と2022年の防弾会食で涙ながらに訴えた内容や、"ON" の歌詞と、ほぼ同軸の感情なのではないかと思われます。

요즘 광고는 똑같애 ※3
(最近の広告は全く同じだ)
일단은 즐겨라 내 맘대로
(とりあえず楽しめ 俺の心のままに)
멋진 옷을 입은 멋진 춤 추는 이들
(かっこいい服を着てかっこよくダンスを踊るこれら)
밖은 몸치가 더 많네
(外はリズム音痴が更に多いね)
그저 습관이 된 I don't care
(ただ 習慣になった「気にしない」)
알지 그런 놈들이 더 do care
(わかるよ そういう奴らがもっと気にする)
사실 몸은 아무것도 아냐 마음이 더 문제
(実際 体は何もない 心がもっと問題)
어 그래 내가 날 모르니 huh
(ああ そうだ 俺が俺をわかっていないから)

※引用文につけた和訳は直訳
https://music.bugs.co.kr/track/6183185

※3 広告…韓国ではテレビCM(CF)も広告と表現する。(参考

――きれいに着飾って器用に踊る人たちをテレビCMで見かけるが、どれも同じように見える。
こうして(自分もそちら側の人間として)見ていると麻痺してくるが、世の中こんなに踊れる人はそうそういないのだから、とりあえず自分が楽しんでやればいいと思う。
周りの評価に対して「気にしない」という事がただ習慣になってしまった。そういう人間に限って内心めちゃくちゃ気にするタイプだってことはわかってるのに。
実際、どこか不調であっても体はいたって健康。問題は心の方。自分で自分を理解できていないから。――

꺼져 인공지능 f*** the algorithm
(消えろ 人工知能 クソったれアルゴリズム)
사색이 필요해 f*** all the rhythm
(思索が必要だ クソ喰らえ全てのリズム)
사유할 틈을 안 주는 내 바이오리듬
(思考する隙間を与えない俺のバイオリズム)
언제쯤 써보게 될까 나만의 시는
(いつぐらいに使ってみるようになるのか 俺だけの詩は)
살아남느라 잊혀진 dreamin'
(生き残るために忘れ去られた夢見る事)
너도 하나쯤 별이 돼버린
(君もひとつ程の星になってしまった)
묻혀진 뭔가를 찾고 있다면
(埋もれた何かを探しているのなら)
Honey you taste it like me
(俺みたいにそれを味わうだろう)

※引用文につけた和訳は直訳
https://music.bugs.co.kr/track/6183185

――決められた手順しか踏めない、効率重視の仕組みは消え失せろ。
深く考えて行動することが必要だ。規律なんかクソ喰らえ。
日々のルーティンの中では考える余裕が持てない。
いつになったら自分だけの言葉で話すことができるのか。
業界で生き残るために、夢を見ることも捨て去った。
ひと粒の星のように弱々しい、埋もれてしまった何かをあなたも探しているなら、俺の気持ちがわかるだろう。――

そしてTABLO氏のパートでは、自身の経験も踏まえているであろう「虐げられている者たちの現実と、時を経て得た答え」を説いています。長く業界に携わり、年齢的にも折り返しの時期を迎えたTABLO氏ならではの、豊かな知見をベースとした珠玉の言葉たちが並びます。

이게 무슨 분위기야
(これは何の雰囲気なんだ)
What we doin' here?
(俺たちはここで何をしている?)
전부 제자리일 수밖에
(全部元の場所にあるしかない)
죄다 중립 기어 ※4
(何もかも全てが中立ギア)
They want you in fear
(彼らは君を怖がらせたいのだ)

※引用文につけた和訳は直訳
https://music.bugs.co.kr/track/6183185

※4 중립 기어(中立ギア)…噂や過激な発言に出会った時、迂闊に態度を決めずに一旦様子をみる、の意。(参考

――自分の可能性を信じて辿り着いた場所なのに、周りの様子が理解できない。伝えたいことがあってこの場所に立ったはずなのに、一体自分が何をしているのかわからない。
結局、出る杭は打たれる。打たれたくなければ、自分が元居た場所に戻るしかない。どんなに必死に窮地の様子を訴えても、触らぬ神に祟りなし。誰も真実を語ろうとはしない。
ヘイターたちはただ君を怖がらせたいだけで、他には何も考えてはいない。――

특색을 밟아버린 think tanks
(特色を踏みにじってしまったシンクタンク)
식어 식어버린 개인의 임팩트
(薄れ、冷え切ってしまった個人のインパクト)
더 큰불을 지펴, 네 인생은 빅매치
(更に大きな火をつけろ、君の人生はビッグマッチ)

※引用文につけた和訳は直訳
https://music.bugs.co.kr/track/6183185

――格差社会を是正するために個人の特色を踏みにじった研究機関。
おかげで個性が輝く場は失われ、特出すれば周りからはねたまれる。
そんな社会でくすぶって終わるくらいなら、人生ここぞという時にもっと大きな火をつけて、敢えて闘いを挑め。――

Burn it up 뭘 겁이 나
(燃え上がれ 何が怖いの?)
Get yo ass off the bench, start warmin' up ※5
(お前のケツをベンチから上げて、ウォーミングアップを始めろ)
We gotta fight when they say, “Behave!” ※6
(俺たちは彼らが「振る舞え!」と言えば闘わなけらばならない)
We got dynamite in our DNA
(俺たちはDNAの中にダイナマイトを得た)
I'mma be okay, I'mma be that way
(俺は上手くいくだろう 俺はそうなるだろう)
눈 부릅뜨고 알아서 잘 지낼게
(目を見開いて理解し、上手にやる)
Haters 어서 눈 감아 내 인생 꼴 보기 싫으면
(ヘイターたち さあ目を閉じて 俺の人生の有り様を見たくないなら)
원래 꿈 같은 일은 눈뜨고 보기 힘들어
(元来 夢のようなことを目を開けてみるのは難しい)
Ya feel me?
(俺を感じるか?)

※引用文につけた和訳は直訳
https://music.bugs.co.kr/track/6183185

※5 yo=you'reもしくはyourを語源とする省略語(参考
※6 Behave…大人から子供や動物に対して行動をたしなめる時に使う言い回し。大人が大人に対して使うと失礼にあたることがある。(参考

――屈することなく燃え上がれ。休んでないでとにかく動け。
人前で表現することを選んだ俺たちは、「やれ」と言われたならばいつでも良い状態で舞台に上がらなければならない。
それでも、俺たちは自分自身の中に起爆剤を得た。だからきっとうまくいくだろう。しっかりと目を見開いて、理解をしながら最善を尽くす。
ヘイター共よ、俺が夢を叶え成功する有り様を見たくないのなら、その目を閉じるがいい。元々、夢のような出来事を目を開けながらにしてみることは不可能なのだ。
目を閉じていても、俺の力を感じるか?――

サビでは「Live your life(君の人生を生きろ)」と、核心に迫るひとことも現れます。
自分の能力を誰かのものさしで勝手に測られて、都合に合わせて押し込められたり誇張されたり、時には偽られたりすることに対して「己の中のチカラ」を燃やせばきっとうまくいく。我が道を行け、と。

そして歌詞は前述した「We know we fly all day(俺たちは自分たちが一日中飛ぶことを知っている)」の一行で締めくくられます。ここでの「all day(一日中)」は、「一生涯」と捉えてもいいのではないかと思い、意訳で反映しています。

一生を賭して音楽を、詩作を続けたいと願い望んでいるナムさんが、「自分は一生自分の翼で飛んで行くのだ」と確信を持って歌う歌を、彼ひとりではなく、人生の方向を決めたきっかけでもある同じ意志を持った敬愛する先輩と共に歌っている…。

一曲の力に衝撃を受け憧れを持って新しい世界に飛び込んだ少年が、こんなにもドラマチックなハッピーエンド(全然エンドじゃないけどむしろスタート地点)を迎えている有り様を我々ファンが〈楽曲〉で共有できている幸せ。これ以上の贅沢はないのでは?と思います。

実はTABLO氏、ナムさんがRolling Hallで行ったアルバム「Indigo」ミニライブにサプライズゲストとして出演予定があったことを、EPIK HIGHのヨーロッパツアー(2023年2月7日 ベルギー・ブリュッセル公演)にて打ち明けていたようです。何でも、移動の飛行機が遅延して出演が叶わなくなってしまったとか…😢(ソースにライブ中の撮影映像が含まれているのでリンクは控えます。「tablo rolling hall brussels」で検索するとヒットします)
この話題が出た公演にて、EPIK HIGHは "All Day" をパフォーマンスしています。(セットリスト

いつか、この楽曲で二人が「飛ぶ」姿を見ることができるチャンスがまた巡ってくることを、願わずにはいられません。



今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
💙