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41歳、不妊治療始めました

不妊治療(高度生殖医療)を受けていた2021年から2023年に書いたものをひとつにまとめました。
書く気力がなくなり書くのをやめてしまったので、飛び飛びの数回で終わっていますが、私たち夫婦が頑張った証としてここに置いておくことにします。

今、不妊治療をしている方達やこれから始めようと思っている方達の参考になれば嬉しいです。(40過ぎの心の叫びが参考になるのか?)
長いので自分に必要と思うところに飛んで読むでも良いと思います。

41歳 不妊検査を受ける

2021年9月29日

産みたいか、産みたくないかと言えば、断然産みたいが
産めるのか、産めないのかと言えば、年齢的にギリギリである私。

「41歳 子なし バツイチ」

文字だけ並べたら色々タイミング逃しちゃった人みたいだけど
人生41年目の今このタイミングのために、これまであったかもしれないタイミングを全てスルーしてきたんだと信じている。

恋人と付き合って5年目の夏。
一回り年下の彼と結婚した。

歳を重ね、恋人と穏やかな生活をするにつれ、子どもが可愛くてしかたないと感じるようになった。

そして
この人に自分の子どもを抱かせてあげたいと思うようになった。
この人の子どもを産みたいと思った。

恋人から夫に変わってすぐに一緒に不妊検査を受けてみないかと言われた。

夫は、恋人だった頃から慎重派で大切なことは下調べを欠かさないタイプ。
一方、私は、直感を大切にするタイプで、まあ、言わば行き当たりばったりで無計画。
夫からの提案は受けておいて間違いはない。

年齢的にも「妊娠は難しいですね〜」と言われる可能性が高い。
(今はもうやめたけど、15年近くタバコを吸っていたし。)

でも、分かっていても、分かったふりをしていても
現実を目の前に突きつけられるのは怖い。

2人で産婦人科に行って、それぞれ不妊検査を受けることにした。

夫は、精液検査だけで、問題もなかった。

私は、AMH検査で卵胞の数が年齢より少ないということがわかった。
41歳の時点で45歳相当の卵胞しか残っていないらしい。
年相応にあるべき数の私の卵胞はどこへ行ってしまったんだろうか。

「ちょっと急いだ方がいいですね」と医者に言われた。
ええ、わかっています。気持ちはめっちゃ急いでます・・・と思った。

医者の言う「急ぐ」は、早々に人工授精にステップアップすることを勧めているんだろう。

夫は、私の体が一番大事だと言い、人工授精は痛いらしいからしたくないと言う。
私は、内心ではすぐにでも人工授精で構わない。
それで授かる可能性があるなら、一ヶ月でも早く妊婦になりたい。

1日にごくわずかでも体は老化していく。
私は、妊婦になった体が十分に保てる自信があまりない。
だから、1日でも若いうちに妊婦になっておきたい。

まあ、この辺の夫の気持ちvs私の気持ちは後々話し合うとして。

不妊検査も途中だし、やれることをしよう。


卵管造影検査

2021年10月2日

不妊の原因には様々なものが考えられる。
女性側の原因では卵管に異常がある場合が約30~40%あり、この他の妊娠しにくい原因と比べて高いらしい。

恥ずかしながら、この歳になるまで自分の体の構造について詳しく考えたことなんてなかったから、卵管がどれほどに重要なものかわかっていなかった。
妊活をするうえで、自分の体について考えるのは初歩中の初歩なので、私もやっとこさ自分の体と向き合うことになった。

卵管は、自然妊娠をするうえで精子と卵子が出会うための唯一の通り道で、精子と卵子が受精し約1週間に渡り受精卵を育てていく大切な場所だということを知った。
卵管の長さは、約10cm。
受精卵は、10cmを1週間もかけて子宮までやってくるということ?!
いや、ゆっくり過ぎません??

その卵管が狭くなっていたり(狭窄)、または卵管が詰まっていたり(閉塞)した場合には、妊娠しにくくなる。
そりゃそうだ。
狭かったり、詰まっていて通りにくかったりしたら、うまくいくはずがない。
居心地が悪すぎる。

では、なぜ狭くなったり、詰まったりするのか。
原因は膣から子宮を通って何かしらに感染し、その後癒着などを起こすことがあるかららしい。
で、狭くなっていても、詰まっていても普段の生活では無症状なので、無自覚だとのこと。
だから、妊活で調べてみて発覚することが多いそうだ。
頑張っているのに妊娠しない、調べてみたら卵管が詰まっていた・・・という感じ。
頑張っているのに妊娠しない数ヶ月を過ごさなければいけないなら、痛くてもいいから自覚症状が出て欲しいと思った。

それから、子宮の形も個人差があるという。
子宮は、三角形っぽい形だと思っていた。

みんな大好き「いらすとや」さんは子宮のイラストも提供していた。すごい。

イメージはまさにこんな感じ↑。
濃いピンクのところが子宮内膜で、内膜に囲まれている真ん中(内膣というらしい)は逆三角形。

ところが、逆三角形の底辺の部分がぐっと落ち込んでいるような弓状子宮や真ん中に仕切りのような内膜がある中隔子宮など色々な形があるらしい。もちろん大きさも個人差がある。
子宮筋腫などがあるとその位置やサイズによっては、内腔が圧迫されて狭くなってしまうことがあるらしい。
内腔の形の異常は妊娠しにくい原因や流産の原因にもなるということだった。

私の内膣は、どんな形なんだろう。
検査をしても何も言われなかったから、イメージ通りなのかな。
でも、見せてもらったレントゲンで「ここが子宮です」と指された場所は、なんかグシャっとした形に見えて潰れているようだった。
あのロールシャッハテストみたいな白黒は一般人にはようわからん。

子宮卵管造影検査は、左右の卵管の状態を知ることができるし、造影剤が子宮を通ってから卵管へ流れるので内腔の形も見ることができる。

いざ検査へ

検査は、レントゲン室で行われた。
レントゲン室の寝転がる台に、婦人科おなじみのアノ脚を乗せる台?がくっついている感じ。
婦人科では、椅子に座った状態で脚を開くが、この検査の時は寝転がった体勢で脚を開く。
なんとも言い難いとんでもない姿勢。
医療じゃなかったら知らんおじさんの前でとる体勢ではない。

まず初めに膣の洗浄をする。
(なんともない。強いて言えば、何かが入ってくる不快感。)

次に、いよいよ腟から子宮の入り口にチューブを入れる。
(まだ痛くない。)

そのチューブの先にバルーンがついていて、バルーンに空気を入れてチューブが抜けないようにする。
(ぐっと押されるような感覚はあるけど、痛くはない。)

そして、チューブから造影剤を注入する。
(痛くないわけがない。人体にないものが流れ込んでくるわけだから。でも、どこが痛いのかはよくわからなかった。おそらく、造影剤が流れ込んできている間が痛いんだと思う。痛みレベルは人それぞれで、私の場合は生理痛の重い時くらいだった。全然耐えられるレベル。でも、まあ痛い。痛いのは流し込んでいる間だけで、すぐに痛みはひく。)

造影剤を流し込んだら、1回目の撮影をして終了。
時間にして5分くらい。

1回目の撮影が終わったら、2回目の撮影まで15〜30分待機。

2回目の撮影は、下着も履いたままなのですぐに終わる。

やってみた感想としては、「なんだ、こんなもんか」という感じ。
痛い痛いと聞いていたから、緊張しまくっていたのに。

造影検査をした後は、ゴールデン期間と呼ばれている。
造影剤は、半年程度かけて体外に排出されるらしいが、その間は妊娠しやすいそうだ。

だって、卵管が通りやすくなっているわけだからね!

自分の卵管や子宮の状態を知るためにもやった方がいい検査だと思うけど、何より中々妊娠しない人は卵管を通りやすくするためにも検査を受けることをお勧めする。

詰まっていたり、狭くなっていたりしたら痛いらしい。
でも、状態も知らずに中々妊娠しない悶々とした日々を送るよりも、痛みに耐えた方がマシだと私は思う。

さて、卵管造影検査を終えた私は、ゴールデン期間を手に入れた。
テレレレッテッテッテー↑↑ドラクエのレベルアップ音すら聞こえる。

42歳になりました


2022年1月26日

妊活を始めて、約半年が経った。
まだまだ妊活初心者だが、年齢による焦りで、焦りに焦って…
ひどいメンタルでした…いや、現在進行形で。

約束事のように毎月毎月やってくる生理に、その度に泣いている。

焦ってできるわけでもないし、40を過ぎたって妊活しなくても妊娠する人もいるわけで、妊娠は奇跡だから、クヨクヨする必要はないんだとわかっていても、心にはそれは届かないもので。

そんなこんなで42歳になってしまいました。

ちょっと老眼がきていても、体の回復が遅くなっても、あちこちなんだかダルくなっても、それでも年齢を重ねていくことは素晴らしいことだし、「歳をとること」に抵抗はなかったけど、さすがに「歳はとりたくない」と心から思う。

今日は、D23。

いつものサイクルでは、今日明日あたりに生理が来る。
今朝の熱は低かったし、毎日検査しているラッキーチェック(排卵検査薬)の色が昨日少し濃くなっていた。
私の場合だけかもしれないけど、ラッキーチェックが生理の日にも色が濃くなる。

体に力を入れていたら生理来ないんじゃないか?
キュッとお腹に力入れていたら…。
バカみたいな発想で生理をこないようにする方法を考えている。
40過ぎてあり得ない発想だけど、それくらいに生理にきてほしくない。
生理がこないと妊娠もできないのに。
もう頭がバグってきている。


初めての採卵の日

2022年5月20日

採卵日の受付から手術、帰路に着くまでの記録

8:00前。
開院前のクリニックに並ぶ。
不妊治療が保険適用になってから、パートナーと一緒に来ている人たちが増えた気がする。

8:00 開院してすぐに受付を済ませる。
開院のタイミングでは、事務さんが受付機の前に立ち、流れるように患者に受付番号を渡していく。
私が通っているクリニックでは、受付番号の紙が3枚綴りで出てくるので、そのうち1枚は自分で持ち、残り2枚を事務さんに渡す。
この紙をミシン目で切り取る作業が地味に厄介。
3枚綴りのうち「ご本人がお持ちください」と書いてあるものだけ切り取るわけだけど、1枚目か3枚目だろうことは覚えていても、どちらだったかは半年通っても覚えていない。
毎回もたつく。
そのため、事務さんがパッパと受付番号を渡し、スムーズに流してくれるのは本当にありがたい。
めちゃ早い。神業。

クリニックには当然不妊治療目的の方もいれば、婦人科系疾患の方もいる。
不妊治療の中には、ブライダルチェックの方、タイミング指導中の方、人工授精の方、体外受精へのステップアップで説明を受けに来た方、採卵日や移植日の方とさまざまな段階の患者がいる。
そして、段階によって、案内する内容は違う。
事務さんは、診察券番号や診察券に貼られた特別診察券で瞬時に案内を変えてる。
本当にすごい。プロ。

めちゃくちゃ緊張して来院するも、クリニックに入ってからは緊張を感じる暇がないスピードで待合室に通され、気づいたら内診台にあの姿で座っていた。
クリニックに踏み行ってから内診台に座るまで5分程度のことだった。

私の予定では、受付を済ませ旦那と手を握り合い「頑張ろうね!」とエネルギーチャージする時間が十分にあるはずだった。

現実は、受付を済ませ、旦那がトイレに行き、旦那がトイレに行っている間に診察に呼ばれ、卵がちゃんとあるかを確認され、痛み止めの座薬をいれられ、待合室に戻ったと同時くらいに、旦那がトイレから戻ってきて、旦那が戻ってきたらすかさず看護師が声をかけてきて、旦那は採精室に案内され、私は更衣室に案内された・・・。

一息で言えそうなくらいのスピード感。

ガウンに着替えて病室に着いたのが8:10だった。
途中、事務さんの仕事ぶりを褒めまくったが、ここまでたった10分。
私の緊張を返して。

この日、採卵を受けるのは私と私より若いであろうショートカットの女性の2人だけだった。
1階の待合室から一緒に案内を受け、看護師と一緒に三人でエレベーターに乗り、一緒に更衣室に案内された。
もちろん病室も一緒だ。
更衣室で看護師さんがこの後のことについて説明をして、いなくなると2人きりになってしまう。

なってしまう というのも、私はめちゃくちゃ人見知りである。

人見知りなんだから、他の人がいてもスルーしてしまえば良いものを一応「コミュニケーションは取った方がいいのだろうか」「明らかに私の方が年上だから、私から声をかけるべきか」「この状況の場合なんて・・・」「声の掛け方を間違えたら、とてもデリケートな内容に触れることになってしまう・・・それはまずい」「良い天気ですね?いや、今日は微妙に曇っている。それに良い天気なんて人によって違うんだ。だから、ニュース番組に気象予報士やお天気お姉さんは晴れたとしても良い天気とは言わないらしい。」なんてことが頭の中をぐるぐる駆け巡る。

そして、そうこうしているうちに着替え終わってしまった。
ショートカットの彼女は、まだ着替え終わっていなかった。
着替えるどころか靴からスリッパに履き替えたくらいしか変わっていなかった。

私は、この状況に焦るあまりかなりのスピードで着替えてしまったようだ。
ショートカットの彼女に「着替えるのめちゃくちゃ早くない?!準備万端すぎるでしょ」と思われているのではないかと思いながら、言いようのない完全なる作り笑いで会釈をして、病室に向かった。

病室は、ベッド2台しか置いていないかなりシンプルな部屋。
入ってすぐ左手に壁に沿ってベッドがあり、突き当たりには窓がある。
その窓に沿ってもう一台のベッドが置いてある。
私は、奥のベッドを案内されていたので、奥の窓際のベッドに腰掛けた。

入院経験が何度かあるので、すぐにカーテンを閉めて自分の空間を確保した。
視界が遮られ、気を使わなくて済むので安心。

そのうちにショートカットの彼女が病室に入ってきた。
ベッドに腰掛ける音。
カーテンを閉める音・・・・がしない。
どうやら、ショートカットの彼女はベッドにちょこんと腰をかけたまま、カーテンも閉めずにそこにいるらしい。
めちゃくちゃ静か。

「ちょっと待って。次の指示はナースコールでするって言ってた。ということは、ここにはもう看護師さんは来ないんだ。もし、私が先に呼ばれたら?????カーテンを開けたままのショートカットの彼女の前を通り、次の場所に行くってことでしょ・・・」
「え。声かけた方がいいの???なんて??」
「お先にー・・・軽すぎる」
「前失礼します・・・上司と部下か」
「あ、どうも・・・初見でもないのに?」
なんてことが頭の中を駆け巡っていると、プルルルルーと私のナースコールが鳴った。

呼ばれてしまった。この時、受付してから30分経ったところだった。

「○○さーん」
慌てふためきながら私が返事をしようとすると
「○○さーん、いらっしゃいますかー」と返事を催促された。
慌てふためきまくりの私は「はい」ではなく「います!います!」とかなり存在をアピールした返事をしてしまった。
恥ずかしい。

ガウンのポケットにナプキンをつけたショーツをいれ、別の階の別の部屋へ移動するように案内があった。
カーテン全開でベッドにちょこんと腰かけているショートカットの彼女にまた言いようのない完全なる作り笑いで会釈をして、病室を後にした。

エレベーターで案内された階に移動すると、エレベーター前で看護師さんが待っていた。
さっきの病室より狭い1人部屋に案内された。
持ってきたサニタリーショーツが回収され、声がかかるまで待っているように言われた。
ベッドと洗面台、テレビなんかがある部屋だった。
ベッドには布団に触れないで下さいと書かれた紙が置いてあり、洗面台の前に椅子があった。
いつまた呼ばれるのかわからないので、とりあえず椅子に座って待つことにした。

正面の洗面台に自分の顔が写る。緊張でガチガチになっている。
思えば、昨夜全然眠れなかったな。

数分で看護師さんが来て、次の部屋に案内された。
前の部屋よりさらにちょっと狭い病室で同じように椅子が置いてあった。
ここで「今履いているショーツを脱いでガウンのポケットに入れておくように」と言われた。
ノーパンで椅子に座りたくないな・・・と思っているうちに看護師さんが呼びにきた。

看護師さんが先導して歩きながら「では、オペ室に行きますね」と言った時にはオペ室についていた。

2個前の待合室いる?!ってきっとみんなが思うだろうなとか思いながらオペ室に入って行った。

そこには初めましてのDr.と看護師さんがいた。
いつもの見慣れた椅子型の内診台ではなくて、フラットなベッド?板のような手術台にあの脚を広げて乗せる台がついている。
このタイプは、卵管造影の時にも乗ったことがあるけど、椅子タイプの内診台よりも複雑な心境になる。

手術台に座ると初めましてのDr.が「麻酔しますねー」と言って、腕に注射の準備をする。
初めましてのDr.は麻酔科医だった。
「よろしくお願いします」と丁寧な挨拶をしながらも採卵してくれる院長先生まだきてないのに・・・と思っていたら、麻酔科医の「チクッとしますよー。すぐにボーッとしますからねー。消毒からはじめ・・・ま・・・・す・・・よ・・・」の声が最後ボワーっとした感じになるくらい爆速で麻酔にやられた。

お腹にグッと違和感があって、一瞬目が覚めた。
右手側に看護師がいて、足元にまさに採卵中であろう院長先生の姿が見えた・・・気がする。

名前を呼ばれて目が覚めると「終わりましたよ。車椅子に乗りますからね」と手術台を降りて車椅子に移動したらしい。(覚えてない)
病室まで看護師さんが押してくれる。
この時、看護師さんに「あのー、私、昨日全然眠れなくて。今からって眠ってもいいんですか」と間抜けな質問をしたことだけはめちゃくちゃはっきり覚えている。
看護師さんは「そういう方多いですよ。眠って大丈夫ですよ」というようなことを言ってくれた気がする。

思い返せばところどころしか覚えていなくて、麻酔をする時は手術台に座っていたのに、採卵は横になってやったわけだし、気づいたら預けてあったサニタリーショーツを履いていたし、車椅子からベッドに移ったことも、布団をかけて寝たことも覚えていない。
麻酔すごい。

でも、病室に戻ってすぐにしっかり夫にはLINEしていた。

8:57
「無事に採卵終わりました。ぼーっとはしたけど眠るほどの麻酔の効き  
 手間はなかった」
「ぼーっとしてるから少し寝ます」

11:17
「起きた 元気」

〝利き手間〟って、「効きでは」って言いたかったんだろうな。
眠るほどのって。ガッツリ眠ってましたから。
少し寝ますとか言ってしっかり1時間寝てるし。
なんなら途中1回看護師さん来て、チラ見したくせに、構わず続けて寝てたから。

起きた後は、今朝から絶飲食だったから用意したポカリスウェットをガブ飲みした。
採卵の日には、手術後に飲むために水分を用意してくるように指示があり、看護師さんからは低血糖になってしまう方もいるのでスポーツドリンクをお勧めしますーと言われていた。
こんな美味いポカリあるかと思うくらい絶妙な糖分だった。
さすが製薬会社。

12:45
またナースコールが鳴り、着替えて待合室に来るように案内があった。
またもやショートカットの彼女の前を通って病室を出なきゃいけない。しかし、今回はしっかりぴっちりカーテンが閉めてあった。
手術後戻ってきた時に看護師さんが閉めてくれたんだろう。
看護師さんありがとう。作り笑いの会釈をせずに済みました。

と思っていたのも束の間、結局更衣室で一緒になってしまった。
ところが、今回はショートカットの彼女が気をきかせたのか、私の完全な作り笑いの会釈に耐えかねたのか。
ロッカーの方を向いて着替えていて、私が動いてもこちらを気にする素振りもなく顔を合わさないまま私は更衣室を後にした。

その後、待合室で顔を合わせることになるのだが、ショートカットの彼女は完全に私のことをスルーした。
さっきまで同じ病室で寝ていたではないか!!!とちょっと寂しくなるくらい華麗なスルーだった。

診察では「卵胞は3つ見えていたけど2つだけ採卵できました」と言われた。
ひとつも採卵できないかもしれないとも思っていたので、2つでも安心した。
育った卵胞は3つと言われた時は、ちょっと悲しかったけど、42だし。
よく頑張ったよと自分のお腹をさすって褒めた。

13:15
会計も終わり、病院の外で待っていた夫と合流。

絶飲食だったので空腹の私は、麻酔直後だというのにマックをガッツリ食べた。

二日後に受精したかどうかを電話で確認することになった。
二日間気が気ではない。

採卵までは緊張する暇もなく進んだのに、今回はたっぷり緊張する期間を与えられてしまった。


つわりたい 43歳になりました

2023年2月13日

1月で43歳になった。
不妊治療の保険適用の年齢から外れてしまった。
保険適用内のうちに高度生殖医療から離れることにしたから
保険適用外だろうが関係ないのだけど。

1月の生理初日から数えて、今日で37日目。
未だ生理はこない。

自己タイミング法で夫と相談しながら、まだ見ぬ赤ん坊のことを思いながら頑張った。
先週あたりから体調が良くなく、吐き気がしたり、熱っぽかったり、だるかったり。
生理前の症状と巷で言われる妊娠超初期の症状は酷似しているから
「生理来るんだな〜」の気持ちと「つわってる!!(つわりに苦しんでいること)」の気持ちで私のメンタルは大揺れだった。

そして今朝、恐る恐る妊娠検査薬をしてみたけど見事に真っ白だった。
真っ白。
どんなに目を凝らしても、近づいても何も見えない真っ白だった。

膝から崩れ落ちそうになった。
何度も崩れ落ちてるから耐えたけど。

私、想像妊娠してるのかな。
まさかな。

43にしてこんなに不順になります????
まさかな。
やめてくれ。

夫と相談して、今週一緒に病院に行ってもらうことにした。
ほら、妊娠検査薬で陰性でも病院行ったら陽性だったって人もいるし。

まだ希望は捨てたくない。
淡い期待はもっていてもいいでしょう。

ああ、生理来そう。。。


もうすぐ2年

2023年3月29日

不妊治療を始めてもうすぐ2年になる。
43歳になってしまった。

妊娠できそうな兆候は全くない。
どんなに頑張っても、どんなにホルモンを補充しても身体は老いる一方だ。
人の体ってすごい。
きちんとその時がくるようにそこに向かって進んでいるのを診察のたびに実感する。

不妊治療で2年なんてまだまだ浅い方で、もっと長く続けている人はたくさんいる。
諦めるのは早いのかもしれないけど、潮時が見えてきている気がする。

「諦めたらできた」という話をよく聞くから、なんなら諦めた方ができるんじゃないかとすら思ってる。

私は43歳で、正直閉経にはまだ早い。更年期障害もまだ感じてない。
最近、めちゃくちゃ老いを実感しているのは視力。
これが老眼なのね…。
日々文字と目の距離感が掴めず、顔の前で手を必死に前後に動かしている。

閉経にはまだ早い年齢だと思っているけど、体は着実にそこに向かっている。
不妊治療していなければ実感することもなかったカウントダウンなんだと思う。

不妊治療に関しては、目の前のできることをして、自分の体を信じるしかない。

もし、まだ20代でこれを読んでくれている人がいたら…

マジで…本当に、これは本当に!!!

妊活は計画的にした方がいい。何もしなくても妊娠できる人もいる。
だけど、自分がそうとは限らないんだ。
ほとんどの人が漠然と「いつかできるさ」と思っているのではないかと思う。
私もそうだった。でも、違った。

人生のタイミングと自分の体のタイミングが合うことって奇跡なんだ。

そして、妊活を意識してし始めたら体の首という首を温めて。
腹なんて出すな。絶対に。
はっきりとコレは効果がある!!やらないとダメよ!!とは言い切れないけど、「しない」より「する」方が自分の後悔が減る。

ホルモン補充のシールで皮膚がかぶれたり、注射のためだけに通院したり、毎日自己注射したり、身体の負担はたくさんある。

だけど、一番はメンタルがキツい。
メンタルへの負担、ストレスはものすごい。
自分はわかってる。厳しい道のりだって自覚してる。
…と思っていても、ズタボロにやられる。

それが、不妊治療。

色々な選択を迫られることがあるけど正解はないから
正しい選択ができたのか不安に押しつぶされそうになる。

出産できたとき
夫婦2人で生きていくことを本当に謳歌できるようになったとき
その時に「正解だったんだ」って思うんだろう。

尊敬する元上司であり人生の師匠がある時、こんなことを言った。
「ベストはない。ベターを選ぶことに専念する。」

それは不妊治療についてではなかったけど、人生もそうだなと思った。
ベストな選択ができたのかどうかは、後にならないとわからないことが多い。
だから今は、ベターを選ぶことに専念する。

治療疲れで何が言いたいのかわからなくなってしまったけど
とりあえず私は明日もベターを選ぶことに専念する。

不妊治療戦士みんなの戦いが報われますように。


やさぐれ妊活戦士

2023年9月21日

1年ぶりの採卵

約1年ぶりに採卵した。

空胞が続いて受精すらできない周期を繰り返し、こころがポッキリ折れてしまった。
「結果が怖い」という理由で採卵をやめてしまってから約1年経っていた。

1年ぶりにした採卵の結果は「受精できず」だった。

1年前より前進?回復?した気がしたのは、空胞じゃなくて、一応採卵できたこと。
でも、未成熟で培養しても成熟しなかった。

医師から「このまま続けても妊娠できないかもしれないよ」と…
とうとう言われてしまった。

私はまだ43歳。
若い頃はタバコも吸っていたし、お酒も毎日飲んでいた。
でも、わりと真面目に生きてきたつもりだ。

45歳でも自然妊娠する人がいる。

私はどうだ。医師に難しいと言われてしまった。

西洋医学が当てにならないなら
東洋医学と手をとってコツコツとコツコツと奇跡を待つのか。


奇跡はどうしたら起きるのですか。
奇跡を起こすために私に足りないことはなんですか。

タバコはとうにやめた。
アルコールだってかなり控えてる。
禁酒した時期もあった。
鍼もお灸もやった。
漢方も飲んでる。
食事も気をつけてる。
たくさん歩くようにしてる。
サプリも飲んでる。
子宮に良いというデリケートゾーン用の石鹸も使ってる。
きっと来ると信じるようにしてる。

あと…あと何が必要?

夫は働けど働けど給料は泡のように消えていく。
有給も消えていく。

信じる者は救われる?
信じているが未だ救われない。

努力は報われる?
いったいいつ報われるの?
それとも、報われるだけの努力をしてないと?

こんな苦しさを何年も何年も続けている人もいる。

どうしたらいいって言うんだ。

やさぐれたらストレスが溜まる。ストレスは妊活の敵。

やさぐれることすら許されないのか!

ねえ、空から見てるって言うじゃない?
ねえ、見えてる?
私と夫のこと見えてる?

まじで。
本当に。
お願いします。

世の中の全ての妊活戦士へ。
みんなの努力が報われて
信じる者は救われるタイミングが必ずきますように。


あれから

高度生殖医療は約2年半続けた。
私たち夫婦は、不妊治療を始めた時に小さな島に住んでいた。
だらか、周期が来るたびに私が一人で島を出て実家に泊まり治療に通う日々だった。
一ヶ月のうち半分は離れ離れに暮らしていた。
成果が出ない治療、消えていくお金、夫との距離。
全てが私の心を蝕んでいた。

1年ぶりの採卵↑の後、もう一度だけ採卵した。
未成熟だったけど、培養してもらい受精まで進むことができた。
最後のつもりで挑み、おかなに卵が戻ってきた時はそれだけで本当に幸せだった。

私たちは今、不妊治療を目的とした漢方を扱う漢方薬局にお世話になっている。
毎日、毎日、魔女のように7種類の漢方薬を自分で煎じている。
なんとも言い難いドス黒いその煎じ薬を1日2回飲んでいる。

44歳の今
この漢方もいつまで続けるか悩んでいる。




諦められない。


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