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アラフォーでも、モスキート音は聞こえる? 佐俣アンリさんが考える「良いバイアス」

歩いて10分ほどの最寄り駅から帰るとき、2つのルートのどちらかを選んでいます。
1つは最短距離だけど景色があまり変わらないルート。もう1つは桜並木があって、途中に農園があるルート。私は後者が好きですが、ある日一緒に歩いていた子どもが訴えてきました。

「この道、途中でピーってうるさい音がするから好きじゃない」

どうやらある家の庭先でモスキート音(超高周波音)が鳴っていたようでした。
深夜の繁華街やコンビニで鳴っているとは聞いていたものの、まさかこんなところに……。そう思いつつ、同じ場所を通っても私には全く聞こえてきません(余談ですが、私と同世代の家族には聞こえるらしくてちょっと悔しい)。

ノンフィクション作家の稲泉連さんによる、当時国内最年少ベンチャーキャピタル(VC)創業者のインタビューの中にこんな一節が出てきます。

「僕には一人のベンチャーキャピタリストとして、大事にしている言葉があるんです。それは『モスキート音が聞こえるか?』というキーワードです」

プレジデントオンライン

同業者である独立系VC「ANRI」の代表パートナー・佐俣アンリさんも、「自分自身にもアンコンシャス・バイアスがあるはずだから、若い人の言うことのほうにバイアスをかけて考える」と言います。若い起業家たちと仕事をするアンリさん(39歳)の言葉は、「モスキート音」を聞く努力をしたい、とも取れました。同時に「上の世代の考えも若い世代の考えも分かるから、それをつなぐ役割を担いたい」とも語ります。

私たちも、モスキート音を聞きながら聞こえない世代にそれを通訳する存在でありたいと思っています。

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