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失恋したときは引っ越し。では、社長交代のときは?

ある巨大グローバル企業の元日本法人トップから聞きました。

「社長交代のときは、オフィスで使うティッシュの銘柄まで変えました」

人の意識を変えるにはオフィスを移転するのが一番。それが無理ならせめて備品のブランドを刷新して物理的にも変わったと伝える、ということでした。

何の取材だったかは忘れましたが、このこぼれ話は覚えています。実際、オフィス移転のとき事業方針や組織を変える企業も多いと聞きます(余談ですが、失恋したら引っ越しが一番と、別の経営者から聞いたことも)。

10年以上前の話を思い出したのは、今週公開のこの記事を読んだからです。日本郵政の若手が、地方のベンチャーに出向するというプロジェクト(ローカル共創イニシアティブ)。全国にある郵便局を活かして社会課題を解決しようと始まったものです。

社内の反対、出向先での衝突、若手の退職……。さまざまな壁を乗り越えつつ、プロジェクトの担当者である小林さやかさんは、プロジェクトが立ち上がって2年経った今、マインドセットを変えることこそが重要だった、と振り返ります。

大きな組織から人数の少ない組織に行くこと、住む場所や働く拠点をガラッと変えること。この2つの強烈な体験を同時に行って初めて、アンラーニングができる(小林さん)

若手が発案、日本郵政「地方ベンチャー出向」プロジェクト。辞めていく後輩たちの「絶望」が原点(Business Insider Japan)

前述の「目に見えるものを変える」はまさにそう。それほど人間はノンバーバル(非言語)なものから影響を受けているということです。

ローカル共創イニシアティブのパートナーである「Next Commons Lab」の林篤志さんも、以前の取材で熱っぽく語っていた取り組み。この先どのように地域を変えていくのか、追い続けたいと思っています。
※ローカル共創イニシアティブは、Business Insider Japan主催の「Beyond Sustainability 2023アワード」ローカル部門を受賞しました。

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