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カケハシ退職エントリ~6年間の感謝を込めて~

2024年5月31日、株式会社カケハシを退職し、独立しました。
33歳から39歳の働き盛りの時期を、スタートアップの環境で働くことができ、開発・CS・コミュニティ・マーケティングという様々な経験ができ、とても幸せでした。
法人の立ち上げや、それにまつわるいろいろがあり、退職から時間が立ってしまいましたが、このnoteでカケハシでの6年間を感謝を込めて振り返りつつ、何を得たのか、これから何がしたいのかといった、今の気持ちを備忘録的に書き留めておこうと思います。
スタートアップで働くことを追体験していただいたり、共感してもらえたりしたら嬉しいです。

カケハシとの出会い

カケハシは創業2016年、「日本の医療体験をしなやかに」をミッションに掲げ、複数サービスで薬局のDX化をサポートするスタートアップです。

いまや社員数は300人を超え、市場の10%を超えるお客様に選んでいただいているカケハシですが、私が入社した2018年6月時点では社員は40人ほど。製品としてもまだ薬歴システムの「Musubi」のみ。まだまだ機能は少なく、初期のお客様を中心に「可能性」で先行的に選んでいただいているような印象を感じたのを覚えています。

自己紹介も兼ねて、少しカケハシに入る経緯をお話させてください。
私は薬学部を卒業後、薬学系研究科の修士課程修了し、2010年に野村総合研究所へ入社。少子高齢化と社会保障費の増加という日本の課題に取り組むべく、コンサルティング事業本部で官公庁むけの調査・シンクタンク業務や、製薬・ヘルスケア分野のプロジェクトを中心にコンサルタントとして従事しました。
その後、夫の就職を機に一度地方で薬剤師となり、薬局店頭に約2年立ちました。薬局に持ち込まれた飲み残された薬の山や、なぜ服用しているのか患者さん自身もわかっていない状況に「これじゃ医療費は減らない…」「薬局でしか把握していない情報がたくさんあるのでは」と、思ったことをよく覚えています。
夫の転職で東京に戻ったことをきっかけに薬局本社に勤め、いくつかのプロジェクトに関わっている中で、カケハシのファウンダーの中尾と出会い、カケハシへ入社しました。本社で働く中で、中から新しいことを仕掛けるハードルも感じていたこともあり、「業務効率化とプラスαの価値提供を同時に実現しよう」というMusubiに大きな可能性を感じ、転職を決めました。

カケハシでの6年間を振り返る

さて、そんなこんなで2018年にカケハシに入社した私は、大きく3つのチームで仕事をしました。開発・CS・マーケティングです。

本当に色んな経験をさせていただきました

ユーザー目線でゼロから見直した健康アドバイス(2018-2020)

入ってすぐは、Musubiに初期から搭載されているコンテンツ「健康アドバイス」のプロダクトオーナーを担当しました。
私は、薬剤師として店頭に立っていた頃から、「患者さんも好きで薬を飲んでいるわけではない」「正しい健康習慣を身に付け、薬を減らしたり合併症を予防したい。地域にいる薬剤師こそ、そこに関われるのではないか」と思い、自分で調べたり学んだりしたことを患者さんにお話していました。とはいえ忙しい中なので、「誰かが正しさを確かめてくれた健康に関するコンテンツがあればいいのに…!」と思ったりもしていました。
社会保障費のことを考えても、自分がもし患者さんだったらと考えても、お薬を渡すだけじゃない、薬をむしろ減らせるくらいの薬剤師がいたらすごい(今は薬を減らすことを国としても評価しています)。確からしさが裏付けられた健康アドバイスは、私にとって垂涎のコンテンツ。そこに携われたことは非常に嬉しかったです。

実際にユーザーさんはこのコンテンツをどう思っているのか、どうしたら使いやすいものになるのか。ユーザーインタビューやデータ分析をもとに、テーマ・内容・文字数・レイアウト・おすすめのアルゴリズムなど、考え整える事ができたのは良い経験でした。

コロナ前だったこともあり、実際に全国の薬局さまに足を運ばせていただき、お話ができたことが、今思えばカケハシで仕事をするうえで財産になったと感じています。

ユーザーの馬場さん加藤さんは、この頃からたくさんお世話になりました。本当に感謝しています。

薬局での情報提供がアドヒアランスによい影響をもたらすことを示した「緑内障アドヒアランス向上プロジェクト」(2018-2020)

「緑内障アドヒアランス向上プロジェクト」は、その健康アドバイスがアドヒアランス(患者さんが前向きに、薬を正しく飲むこと)にどのくらい効果をもたらすかを研究したものです。
これもカケハシでは当時初めての取り組みでした。何をどう検証したらいいか、論文を読みデータを整え、初めて触るPythonと格闘し…初めての事だらけで、途中泣きたくなるようなこともありましたが、2年に渡る研究の結果、良い結果が出せたことはホッとしました。

このときも、患者さんへの想いのあるユーザーさんにたくさんお声がけをさせていただき、ご協力をいただきました。皆さんの普段行っている患者さんへの情報提供の価値を示すことができたこと、とても嬉しかったです。

当時は「なんかずっと伊藤さんあれやってるね」くらいの小さなプロジェクトだったのですが、現在カケハシが取り組んでいるPatient Engagement事業のはしりにもなったんじゃないかと思うと、少しは貢献できたのかなと思います。

自分の”得意”に気づいた、報酬改定セミナー・ホワイトペーパー(2020-2023)

ここまで開発チームの一員として健康アドバイスを担当していたのですが、「作るだけではなかなか使ってもらえない…!」という気づきもあり、CSチームに異動しました。オンボーディング研修についていったりワークショップを開いたり、ユーザーセミナーとして「健康アドバイス講座」などを担当し、多くのユーザーさんに「使ってみようかな」と思っていただくことができました。これは開発チームとしてはなかなかできなかったこともあり、やりがいを感じました。
その一方で、当時の健康アドバイスはどこまでいっても「プラスα」感が強く、開発の優先順位としては「薬歴として必要なマスト機能」がどうしても高い。相対的に健康アドバイスの優先順位は下がりがちで、ややくすぶるような気持ちもありました。

そんな中、カケハシに入社して初めての診療報酬改定が近づいてきました。
診療報酬改定とは、簡単にいえば2年に一度ある「保険医療の料金表の改定」。限られた財源の中で、何に報酬をつけ、何につけないのかといった議論が年単位で行われ、それが点数として次第に決まっていきます。その議論を読み解くことによって、国が目指す方向性を理解でき、今後の経営を考える指針ともなります。

「元コンサルだから、国の資料を読み解いてセミナーとか文章とかにまとめるのは得意だよね?」と当時の上司にアサインされ、ホワイトペーパーをまとめ、セミナーに落とし込んだのは2020年の改定からでした。

報酬改定についてまとめるサイトは数あれど、速報的に点数や要件をまとめるものが多い。それでももちろん経営的に対応することはできるでしょう。
でも不器用な私は、表出した事象だけを器用にまとめることがどうしてもできず、自分が腑に落ちるまで徹底して調べることにしました
過去からの議論の流れ、予測される未来の課題、それを踏まえた現在の方針。ストーリーに仕立て、皆さんの背中を押すようなメッセージを含めてセミナー・ホワイトペーパーに仕上げました。
その結果、「なんてわかりやすい」「こんな報酬改定セミナーは初めて」「モチベーションが湧きました」と、想定以上の反響を得ることができました。

中には、「セミナーに感動したのでFacebookでお友達申請させていただきました」とメッセージをくださる方や、「このホワイトペーパーを書いた伊藤さんって何者なの?」とCS担当に聞いてくださるユーザーさんもいらっしゃり、ユーザーさんとの距離感が一気に縮まったきっかけにもなりました

2020年の報酬改定セミナーを皮切りに、その後の報酬改定や薬機法改正等について、アウトプットする機会を数多くいただきました。

お聞きいただいた皆さん他者からの評価だけでなく、まとめ上げていくプロセス、納得の行くまで調べてストーリーとしてアウトプットすること自体が、私にとって大きな喜びであり、それこそが強みだということにも気づくことができました。(いつか執筆のお仕事をしたい、と思ったのはこのあたりからでした)

ユーザーの生の声が聞ける、「Musubiトーク!」(2020-2021)

さて、今やユーザーコミュニティ「MusuViva!」をもつカケハシですが、それ以前はユーザー同士が直接製品の使い方をシェアする場はありませんでした。そんなとき、当時のとあるインサイドセールスメンバーからこんな声が上がりました。

製品を導入済みの方にとっても、導入を検討くださっている方にとっても、ユーザーさんの実際に使ってる声・様子が、一番説得力がある

その時ユーザーセミナーの担当もしていた私は、それを聞いて「ユーザー間のリアルタイムなやり取りができるイベントができないか」と考え、予め編集した動画を画面共有しながらの公開インタビューで、ユーザー自らがMusubiの使い方をシェアする「Musubiトーク!」という新しい形のセミナーを企画しました。

ゲストには馬場さん加藤さん光谷さん川野さん星野さんと、今でもコミュニティで非常にお世話になっている素敵な皆さんばかり。皆さんのお話がとても興味ぶかく、人となりを大好きになり、距離がまた一歩近づきいたと感じられるイベントでした。本当にいつもありがとうございます…!

Musubiトーク!は「リアルなMusubiの使い方がわかる!」と好評を博し、その一部はオンボーディングプログラムにも組み込まれるなど、社内外から一定の評価を得ることができました。
私は企画を立て、全体の構成を考え、登壇者調整をし、イベント中の公開インタビューも担当。
この時に、新しい企画を生み出し、型にして一連のコンテンツにすることの面白さを知り、またインタビュー・聴く力・ファシリテーションも、自分の強みの1つであることに気づくことができました。

そして、ユーザーコミュニティ「MusuViva!」へ(2020-2024現在)

こうして、ユーザー同士の知見や事例を共有することの価値を強く感じた私は、ユーザーコミュニティに強く関心を持つようになりました。
ちょうどその同時期に、丸田弦心さんが開催しているCSの大イベント、CSカレッジ BRIDGE2020に参加しました。

この中の、特にDay2の基調講演、長橋明子さんによる「カスタマーサクセスはマーケティングがお好き〜カスタマーマーケティングの蜜と毒〜」に参加したことで、私の人生は大きく変わりました。

カスタマーマーケティング=マーケティング手法を使ってCSを加速する。
心はCS、体はマーケ。

長橋さんによる名言たち

これだ…!これこそ、今後とりくみたいことだ!

火がついた私は社内でもこのイベントについて、カスタマーマーケティングについてシェアをし、コミュニティの必要性や有効さについて当時の上司に熱く語りました。そこから、運良くユーザーコミュニティの立ち上げに関わることができ、私のコミュニティマネージャー人生が始まっていきます。

途中には様々な苦労がありましたが、相方のにっしーと「薬局のあした」というコンセプトに共感してくださるユーザーの皆さんのおかげで、立ち上げから2年後には社内外で表彰されたりと、一定の評価を得ることができました。

コンサル~薬剤師経験から思う「今後の日本の医療課題解決には、薬剤師がカギになる」という確信と、「コミュニティは、会社にとってもユーザーの皆さんにとっても、大きな価値がある」という信念。そしてこれまでのカケハシでの業務におけるユーザーさんとの関わり。そのすべてが噛み合ったユーザーコミュニティMusuViva!のコミュニティマネージャーは、私にとって天職とも思える仕事になりました。

多くの素敵なユーザーさんに出会えたこと、一緒にいろんな企画ができたこと、本当に幸せなことだと思っています。

6年間での、一番の転機

「チームで働く」に対する根深い悩み

幸せ一色に見えるかもしれないここまでの話ですが、実際には辞めたいと思うほどしんどい時期も長くありました。最初のキーワードに、私の幸せ曲線を重ねるとこんな感じです。

コミュニティはどん底から始まったんですね

なぜ、こんなにも幸せ度が上下したのかというと、話は面接まで遡ります。

そうか、伊藤さんはチームで働いたことはないのか

3人×3回面接の、一番最後に言われました

今でも覚えていますが、基本的に良さそうだね、という感じで進んだ面接で、唯一懸念を示されたのがここでした。
もちろん、コンサル時代も各プロジェクトはチームで行いましたし、薬局時代だって店舗はある意味1つのチームだったと思います。だから私もその指摘をされた面接時には、そのような経験を話して会話を終え、自身でもあまり深刻に考えていませんでした。

ですが、スタートアップにおける「チーム」という言葉の意味は、それまでのものとは全く異なりました。

まずチームメンバーの多様性。エンジニア、営業、薬剤師、デザイナー…。バックグラウンドや職能がこんなにも違うメンバーと一緒に働くことは初めてでした。
また、正解がわからない中でお互いの考えを述べ合い、より良い選択肢を導くこと。盤石な収益体制があるわけではないヒリヒリした環境下で、勝ち負けではなく、お互いを尊重しながら、本質を突く議論をすること。
事業会社での経験が乏しい私にとって、困難を感じたことが何度もありました。

担当していた「健康アドバイス」も「コミュニティ」も長期的には重要なのですが、短期的な価値を見出しづらいものだったこともあり、周囲を巻き込むのにはかなり苦労がありましたし、またフルタイムで働きながらプライベートではイヤイヤ期の長男とまだ手のかかるヨチヨチした次男、少し大きくなれば小1の壁と次男のイヤイヤ期をワンオペで育てるという日々。「誰もわかってくれない」という気持ちは日に日に大きくなっていました。(小1の壁の話はこちら

その結果、いつも防御的でツンツン・トゲトゲしてしまい、周りとうまくやっていけない、という状態に陥ってしまったのです。

「誰もわかってくれない」孤独を溶かしてくれた方々

コミュニティ立ち上げからの1年半くらい、私は苦しさを感じていました。この時の感情については、この一連のXポストがよく表していると思うので転載します。

このポストにでてくる「私の強みを信じてくれる上司」が、私が孤独のどん底にいる時に送ってくれたSlackがこちらです。

誰だって、わたしもふくめて、完全ではないし、苦手なことも失敗もあるよ。
伊藤さんはまだ若いんだから、前向かって失敗するのはおおいにしてほしいし、それは今しかできないし、そのためのフォローはいくらでもするよ。
だからあんまり卑下しないでほしいな。私は伊藤さんのすごいところをほんとにもっとピカピカにしたいと思ってるよ

当時のマネージャーのSlack。許可をもらって掲載しています。

私は叱責されると思っていたので、このSlackを見たときには思わず涙が出ました。
他にも、私が描いているコミュニティの方向性や可能性を面白がってくれ丁寧に紐解いてくれた元同僚、一緒にコミュニティの可能性を語り合える相方のにっしー。途中でミュージカルに目覚めた私を、暖かく受け入れ面白がってくださった皆さん。(ミュージカルの経緯はこちら
MusuViva!が華々しい成功をしているように見えたら、それはこういった周囲の支え合ってこそ。ユーザーさんはもちろん、社内にも、コミュニティのや私のことを、信じて助けてくれた人がいました。本当に、感謝してもしきれません。

これから、価値としてお還ししていきたいと思います。

6年間で得たものと、これからやりたいこと

2歳児と0歳児を抱えて、ビジネス経験がない中で33歳で飛び込んだスタートアップの世界。いくつもの新しい経験をさせていただき、尊敬できる上司・同僚、そして素敵なお客様と出会わせてくれたカケハシには感謝しかありません。
中でも、今後の自分に活きるであろうベスト3を上げると以下のようになります。

①「事業をする」ということ

コンサル・薬局と、一般的な事業会社経験の乏しい私にとって、製品・サービスを作り、人を集め、機能する組織を作り、お客様に選んでいただき、継続的に活動するための利益を生み出す、という一連の流れを経験できたのは、非常に貴重な経験だったなと思います。世にあるサービスを見る目が変わりましたし、ニュース等を見ていても内情を想像しながら自分事としてみることができるようになりました。自分が独立するうえでも、まちがいなく糧になっています。

②「チーム」で働くこと・「強み」を活かすこと

カケハシで働くまで、私は「全部できるようにならねば」意識が強かったように思います。「伊藤さんは〇〇ができないよね」と言われれば、それができない自分を恥じ、できるようにならねばと思っていました。逆に言えば、他人に対して「あの人はこれができない」ということも、かなり気になっていたのだと思います。
でも今は、自分には自分の得意があり、相手には相手の得意がある。そのかけ合わせこそがチームで働く意味なのだと、素直に思えるようになりました。
一人でできることは決して大きくない。大きなビジョンに共感し、それを目指して助け合える仲間がいることの、素晴らしさ・大切さを身にしみて理解しました。

③「誠実さ」の大切さ

人として誠実であることは、カケハシに入る前から個人的に大切にしている価値観でもありました。ただ、スタートアップにおいて「不確実な中で期待された成果を出す」というプレッシャーの中で、誠実であり続けることの難しさを知りました。その中で、成果を出しながら相手に対する誠実さを崩さない、そんな尊敬できる上司や同僚に出会い、ともに仕事ができたことはかけがえのないものだと思います。

いずれも「まだできてないな…」と反省することもあります。まだまだ未熟者です。
それでも、この6年間で経験したことは今後の人生への財産です。働くものとして、また子を育てる親としても、とても大きな意味を持つと思います。

これから何をするのか

コミュニティと音声コンテンツ(Podcast)の可能性を広げたい

これからは、「コミュニティ×音声コンテンツ」の可能性を探り、広げていきたいと思っています。
育児中から大好きになり、自分でも始めたPodcast。コミュニティとの相性が非常に良いと感じています。
大好きなその2つをかけ合わせて、なんらか世の中に価値を届けたい。そんなふうに思っています。

このnoteが思った以上に長くなってしまったため、その経緯などは別のnoteに書きますが、1つ言えるのはカケハシのお仕事はまだ続くということです。

想いをもって立ち上げたMusuViva!の今後を、まだまだ見ていたい。
そんなワガママを叶えていただき、独立後も業務委託契約を結んでいただきました(なんてありがたい…)。
MusuViva!をより心地よく、刺激と学びに満ちたものにしていくため、会社にとって、業界にとって、なくてはならないものにしていくための試行錯誤を、まだまだ続けさせていただけることが、とても嬉しいです。

カケハシの皆さん、
カケハシでのお仕事を通じて出会った、社外のメンター・仲間と呼ばせていただきたい皆さん、
そして大好きなユーザーの皆さん、
ここにあげられないくらい多くの皆様。

本当にお世話になりました。ありがとうございました!
そして、まだまだ未熟者ですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

ふがしさん青木さんくまさんがくださった、よなよなエールの「隠れ節目祝い」。とても嬉しかった!


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