球形の季節。を読んでみた
恩田 陸の沼にハマってしまい、第2作目の球形の季節をポチりました。
‥東北のとある町‥
奇妙な噂が広がり、この町にある4つの高校の生徒数名で構成される、通称「地歴研」のメンバーは噂の出所の調査を始めるのですが‥
緒を掴みかけた頃、ひとりの生徒が噂通りに姿を消します。
‥誰かに連れ去られたのか?
‥自ら姿を消したのか?
謎が深まる中、町では金平糖をばら撒くというこれまた奇妙なおまじないが流行り、新たな噂が流れ生徒たちを翻弄する。
‥何かが起きている‥
それは‥
何とも掴みどころが無い物語に思えたのですが、これが絶妙なタイミングで読む者にチョットだけ尻尾を掴ませ、そしてまた地に足が着かない感じにさせる‥
気がつけばどんどん読み進んでいました。
‥そういえばかなり前「口裂け女」の噂が日本中に広がり
「〇〇さん家の子供が学校帰りに追いかけられたそうよ!」
「今は九州の方で現れるんだって!」
「警察はもう容疑者に目星をつけているらしい」
「ポマードの匂いに弱いそうよ!」
‥何百何千の噂が日本中に溢れかえっていたのを思い出します。
挙げ句の果てには
「アメリカの情報機関が、噂話の拡がるスピードを調べるため極秘で来日し、滋賀県に最初の話の種を蒔いた!」
などと囁かれ出す始末。
結局あれは何だったんでしょうね。
この物語も、噂によって人々の意識や行動にどのような変化が現れるのか?が軸となって進んでいきます。
読んでいると何処か懐かしい匂いが鼻の奥の方からしてくる‥そんな感覚に私は囚われながら物語のラストを迎えました。
「0(ゼロ)を1にして世の中に投げ込めば、後は人々がそれを10にも100にも1000にもして拡めてくれる」
このことを強く感じる物語‥チョットした恐ろしさに身を震わせてください‥
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