蜜蜂と遠雷。を読んでみた

コアなファンが多いと言われる本作、コメントするか迷いましたが素敵な物語が綴られているので書き込みますね。

本から音楽が聴こえる！

ページをめくるごとにそう感じます。

音を文字で表現するのは大変な作業だったと思いますが、この著者は見事な表現で私を素晴らしい世界へ連れて行ってくれました。

脳内映画でスタンウェイが、後半ではオーケストラが鳴り響きます。

たまらずヘッドフォンをして大好きなショパンのピアノコンチェルト第１番を大音量で聴きながら物語に没入しました。

物語は、コンテスタントの苦悩、審査員の選ぶことの難しさや葛藤が描かれています。

天才音楽家から届いた一通の推薦状に翻弄される姿がとてもリアルに描かれており、この物語の核を成しています。

４人のコンテスタントがとても魅力的なのは間違いないのですが、私が好きなのは浜崎奏です。コンテスタントのひとり、栄伝亜夜を支える彼女の姿がとても微笑ましく読んでいてとても心が癒されます。

そしてラスト

「栄伝さん、時間です」

というステージマネージャーの言葉でステージへ向かう亜夜

過去のトラウマを乗り越えたその姿に胸が熱くなります。

あと、スピンオフの著書「祝祭と予感」こちらも合わせて読むことをお勧めします。