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ヴィオラ母さん。を読んでみた

テルマエロマエの原作者、ヤマザキマリさん。

何度かラジオ番組にゲスト出演したときのトークが小気味良くて興味を抱き、自身のことを描いたエッセイを読んで感じたのは

「シャープな破天荒さを持つ女性」

かなと‥

そのマリを育てた母の人となりや、人生を綴った本著、母のそして、人間の強さや慈愛を描いているのですが、それだけでは‥

北海道で演奏家を生業にして、娘2人を女手ひとつで育てる姿を描いているのですが、この母‥

化粧っ気がなく、顔を洗うのも石鹸ひとつ

その石鹸を切らしたときは洗濯石鹸で顔を洗う

子供の弁当に、食パンにマーガリンと砂糖を塗っただけのものを入れる

これに異を唱えると

「戦後の究極のぜいたく品じゃないか!」

と一括。

舐めていた飴を落とし、土まみれの飴を再び口の中へ

「どんな味だった?」

と尋ねる娘に一言

「山味」

‥逞しさあふれる破天荒っぷりの数々が綴られています。

ただ、シングルマザーで子供を育てるのが今以上に困難な時代。

そんな中でも子供や、周りの人への深い愛情が描かれており、時には涙を滲ませながらページを捲る場面も。

そして、読み終わった時にはなんか元気になれる本著。

「私のご先祖さまも、たくましく命を繋いできたのかな」

と先人に想いを馳せながら本を閉じました。


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