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会社を潰すな!崖っぷち社員たちの企業再生ドラマ。を読んでみた

本著はエリート銀行マンが業績不振にあえぐ出向先の中小企業を立て直す姿を描いた物語です。

本自体の構成がユニークで、胸が熱くなるストーリーの小説としておもしろいのはもちろんですが、財務三表の基本を理解するための指南書も兼ねていて、小説だけ読むのもあり、財務表の基本だけ学ぶのもあり、財務表を学ぶための実例として小説を読むのありと、読む人のスタンスでいろんな読み方ができる内容になっています。

物語としては、地方銀行のエリート行員である主人公が同じ地域の融資先でもある企業への出向を命じられるところから始まります。

その際に上司から

「晴れた日に傘を貸し、雨の日に傘を取り上げる」

のようなことを下命されます。

しかしこの主人公、この上司への反骨心から出向先の会社の立て直しを決意します。

さて、出向先の会社にしてみれば

「うちの資産を売り払い債権回収のために送り込まれた銀行マン」

良い気はしません。

主人公は冷遇されながらも熱い情熱を胸に、業績回復のため、地道に奮闘します。

そして、少しずつではあるものの、味方になってくれる人物が一人また一人と増えていきます。

この辺りから物語も熱を帯びてきて、読んでいて胸が熱くなってきます。

出向先の個性的な面々と主人公のやりとりが熱くもあり面白く、バーの美人ママが一服の清涼剤となっています。

この物語、舞台となっている出向先が地方で書店チェーンを展開する企業なので、業界のちょっとした裏側も覗けるので読書好きには特におすすめです。

とにかくラストまでこの主人公を応援しながら読み進めることができ、爽快な気持ちになれる一冊です。


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