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瀬戸内国際芸術祭#1 -男木島- 島の文化に溶け込む現代アートとタコと猫の関係

そこには、島のゆったりとした時間や自然の中でこそ感じることができるアートの良さがありました。

美術館に並べられているものを鑑賞しに行く感覚とは全く違う、島の生活のすぐ隣にある現代アート作品。民家や病院だった建物自体がアート作品に生まれ変わっていたり、草むらの中、海のそばにぽつんと置かれていたり、、

島の中にある作品を探し求めて、島内を散策するというスタイルは、ただ鑑賞するのではなく、体験するという言葉の方がしっくりきます。

2022年の秋に訪れた2泊3日の旅では、島の生活の中へお邪魔させていただくような気持ちで芸術祭を楽しんできました。

瀬戸内国際芸術祭とは

瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内の島々十数カ所を会場に、2010年から3年に一度開かれている国際美術祭です。海外からの来場者数も多く、なんと2022年には約72万人もの人が訪れたそうです。

「島のおじいさんおばあさんの笑顔を見たい。」-そのためには、人が訪れる“観光”が島の人々の“感幸“でなければならず、この芸術祭が島の将来の展望につながって欲しい。このことが、当初から掲げてきた目的=『海の復権』です。

瀬戸内国際芸術祭公式サイト

上記に掲げた芸術祭の目的がとても素敵。パンフレットの写真がまさに、島民の方を主役に据えたこの芸術祭を表しているようです。

旅は高松港からスタート

前日に夜行バスで東京を出発し、1日目早朝に高松へ到着。
友人と落ち合った後、高松港から出発し、まずは男木島へとフェリーで向かいます。

フェリーの移動は風を切るので思っていた以上に寒く、薄着をちょっと後悔しました。。(かといって、デッキから海の写真を撮るのはやめられない)
芸術祭では島間を何度もフェリーで移動するため、上着は1枚持っておいた方が確実です。

1日目行程:高松港→男木島→女木島(引用)

男木島

平地がほとんどないため、斜面に密集して民家が建ち並び、その間を縫うように細い坂道が通っていて、どこか不思議な光景が広がります。

高台にある豊玉姫神社は安産の神様として知られ、島外からも多くの人が安産祈願に訪れていたとのこと。この神社から見える景色はなかなか眺めが良く、気持ちのいい場所でした。

フェリー乗り場の方へ行くと、待合室でもある建物は、水面に映りこんだ風景込み、とっても存在感があります。

「男木島の魂」

この模様は何をイメージしたんだろう?と思って調べてみると、どうやら「風」「波」などを意味する8つの言語の文字が刻まれているらしい。

男木島とタコ

「部屋の中の部屋」

こちらは90度回転した和室。
ふすまには、タコ漁がさかんな男木島ならではの、島を守るように抱えている巨大タコが描かれています。

観光客の乗ったフェリーをギョロリと大きな目で見張っているように見えてなんとも面白い。私たちも来るときに海から見張られていたのかもしれません。

「男木島パビリオン」海に重ねられたタコ
タコ漁に使われるタコ壺巨大ver「タコツボル」

アップデートされた家屋

芸術祭には、人が元々住んでいた家屋を使ってまるごとアートへと変身している作品もありました。

壁全面に漆が塗られている贅沢なお部屋
「生成するドローイング」

壁画に埋め尽くされた家屋を拝見。繊細な模様がよく見たら貝殻のようにきらきら光っており、本当に美しかったです。

男木島の猫たち

お昼寝中の猫と「歩く方船」

この島にもたくさんの猫たちが住んでおり、とっても癒されました。そして島と猫は相性抜群。どこを切り取っても絵になります。

海のそばにたくさん猫たちがいたので、やはり取った魚やタコを島の方たちに分けてもらったりしているのでしょうか?

猫、落ちてます

1日目後半は、鬼ヶ島と呼ばれる「女木島」へ。


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