ニュージーランドで銃乱射事件

今月15日に起こった、ニュージーランドでは前代未聞の事件。2つのモスクを襲撃した銃乱射事件。今の世の中、リアルタイムに近いかたちでニュースは伝わりますが、今回の犯人は自分でライブ映像を流すというなんともエゲツないことをしてくれました。

被害に合われた方には、かける言葉も見つかりません。とにかく今は早く事件の全容を明らかにしてもらって、今後の対応や対策などを然るべき場所とポジションで行ってもらいたいです。

今回の事件で、犯人の思考や育った環境などの報告は各マスメディアに任せるとして、僕は今回この犯人が行った「ライブ映像」について考えたいと思います。

誰でも自分の考えや言いたいこと、特ダネ、決定的瞬間映像など好き勝手にインターネットを通じて配信できる時代です。ある意味、人類全員が特派員で、少しでも犯罪行為や特異な自然現象を見つけると、すぐにビデオを取って、マスメディアや警察などに報告できる。これが一種の抑止効果になっているのも事実です。

日本国内で多発している車の運転によって他人を妨害したり煽ったりする迷惑行為も車載カメラの普及により若干だか少なくなっていると聞きました。少なくとも「カメラで撮っている」と意思表示すれば、犯罪行為を行っている認識が自らもっているのであれば、抑止効果があって不思議ではありません。

それなのに。。。日本で最近流行り?の「バカッター」は意味が判らないというか、僕の中の常識では理解不能状態です。

自分が働いているお店で、商品を汚染させて、それを陳列させれば当然、自分が首になることくらいわかるはずなのに、それを動画にとってわざわざインターネット上に公開する。働いているお店を辞めたいなら、上司に辞めるといえば済むことなのではないでしょうか?

ただ辞めるには腹の虫がおさまらない。お店に被害を被らせようという考えでこのようなことをやっているのなら、ある意味成功しているのかも知れません。これが「バイトテロ」と言われている所以だと思います。つまり、お店側からすればテロにあったということです。

しかし最近の流れは、犯行を行った者がたとえ未成年であっても損害賠償を請求するという方向のようなので、お店からのカウンターパンチはおそらく親御さんに及び、自分の将来にも及ぶでしょう。そこまで考えても、やはり動画をネットに流すのでしょうか。やっぱり意味不明です。

バイトテロの目的は、「単なるおふざけ」ならまさしくバカッターですが、「お店に損害を」ということならある程度成功してきました。が、今ではそれはカウンターパンチで自分に帰ってくるこを考えれば、テロに見合う対価は難しいですね。損害賠償は想像よりも多額であり、自分の将来においては、いつまでたっても「あの投稿者」というレッテルが貼られ、就職先が見つからない可能性が大きいと思われます。つまり社会的な制裁を今後受けなければなりません。テロを行うということはそうゆうことです。

バイトテロの被害にあったお店側は、該当動画の削除を要請し、お客さまには謝罪し、バイトテロの加害者に損害賠償請求をしても、一度失った信用はなかなか戻りません。これはもうお店にとっては致命的と言ってもいいでしょう。

話しをクライストチャーチの事件に戻すと、あのテロ事件は自ら動画をとってLIVEでインターネットに拡散ということをやってしまいました。もう誰も制止ができない状態で、動画が出回ってしまいました。

テロ活動とは、敵対するグループ、仲間、民族、宗教、国に対して「寄り添っている人は被害にあう」という恐怖感を煽り、自分たちの思想が正しいのだから自分たちの仲間になれというものです。

そのため、この動画のLIVE配信は犯人にとっては最高のツールだったのでしょう。被害にあったのは、モスクに居合わせた人々たちだけでなく、この動画を見てしまった人たちも、あまりの衝撃映像でトラウマが残るでしょう。

LIVE映像が誰でも配信できる時代に、このままでいいのでしょうか?なんらかのルール作りが必要なのではないでしょうか?基盤が追いつかず、ソフト面がどんどん進化していくと、こうした歪みの中から犯罪に利用される可能性があります。

と、実はこのトピックを書き始めたのが、クライストチャーチ事件の翌日からで、仕事の合間に少しずつかいていて、一週間がたってしまったのですが、なんとこの間に、「このクライストチャーチ銃撃事件の動画を保存・拡散したものは違法として取り締まる」というルールがニュージーランドで制定されました。

す、すごい。違法にまでしてしまう、ニュージーランド。テロに対して「犯人の名前は口にしない」「銃の規制を1週間以内に制定化」「動画の拡散は違法」など、徹底的にテロ行為を排除しました。国民も不要な銃を自主返納しているという見事なまでの対応です。ニュージーランドはこうゆう国です。誇りをもって、そこに住んでいると言いたいです。


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