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ベトナム旅行記⑥ おっさんと日本人観光客

目的なくふらふらと歩いていると、バイクに乗ったおっさんがフレンドリーに声をかけてきた。

「コンニチワ!」

思わず挨拶を返すと、おっさんはバイクを止めて寄ってきた。
拙い英語で話してみるとどうやらツアーを案内するおっさんのようだった。
「ベンタイン市場は高い。」
「昨日は日本人のバイク少年をガイドしていた。」
「日本人は色んな感謝のメッセージをくれる。」
そう言うとノートを見せてきた。

以前似たようなことがインドのデリーであった。
声をかけてきたのは耳かき屋のおっさん。
僕を安心させるためか、客が日本語で書いてくれたメッセージノートを見せてくれた。
「ぼったくりの耳かき屋です。逃げて。」
そのメッセージを見て、僕は逃げた。

ホーチミンのおっさんのノートを見てみる。
「美味しいフォーの店を紹介してくれました。」
「怪しいと思っていたのですが、しっかり案内してくれました。」
「2時間40万VDNと言われたのですがその通りの値段でした!」
と、意外に良いことばかり書いてある。
おっさんに「日本語読めるの?」と聞くとノーノーと言われた。
自称ではあるが選定しているわけではないらしい。

当然、おっさんはツアーを勧めてきたが、自分は興味がなかったのでノーノーと言って断った。
すると、おっさんはノートのページをサッと変える。
「いいおっぱいのお店紹介してもらえました。」
と書かれていた。
おっさん、本当に日本語読めないのか。
明らかに作戦を変えて、このページを開いたぞ。

結局、歩いて観光したいからと言って断り続けるとおっさんは去って行った。
日本語のノートは、本当に観光客が書いたものだと思うが、恐らく騙されたことに気づいていない人達なのだろうなと思う。


"自分にとっては"騙されていない状態でも本当は騙されていることもある。
自分が満足なら、それはそれで幸せなのかもしれない。
コメントの悪用で巻き込まれたくはないが。



<参考>  後日発見した記事。
ホーチミン【ボッタクリの手口公開】バイクタクシー・ガイドに騙されるな | Fu/真面目に生きる(ふまじめにいきる)


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