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ベトナム旅行記⑦ シクロと財布

警戒していたにも関わらず、簡単に騙しとられた話。

バイクのおっさんを回避した後、どこに行こうかなと考えた。
歩きながら考えようと思っていたものの、想像以上に暑い。
秋の日本からやってきたので、その温度差に余計に体力を奪われた。
ここはひとつ、ベトナム名物のベトナムコーヒーでも飲みながら考えようという名案が浮かんだ。
そこで、図書館で借りてきた地球の歩き方を開き、おすすめのカフェを探すことにした。

ホーチミンのページに目を通していると、人力車みたいな自転車に乗ったおっさんがフレンドリーに声をかけてきた。
またか。
拙い英語で話してみると当然ツアーを案内するおっさんのようだった。
「ベンタイン市場は高い。」
「1時間フィフティーンだ。」
汗臭い酸っぱい匂いをさせながら、見所が描かれたマップを見せ力説するおじさん。

僕は、人力車自転車(シクロ)に惹かれていた。
1時間15万ドンはさっきのおっさんよりも安い。
騙されても700円程度。
ま、いっか。と乗ることにした。

乗る前にフィフティーンだよね?と払おうとすると後で後でと突き返される。
半信半疑ながらシクロの座席に乗り込むと、車やバイクの間を縫いながら走った。
シクロは運転手の前に乗客の席があるので、視界が開けている。
バイクは混み合う道路を進むのは中々爽快だった。

よくわからない市場、ホーチミン市立博物館に連れて行ってくれた後、メコン川に架かる橋でおろされ、おっさんから一言。

「お腹空いたからここまでね。」

最初の場所まで戻らないんかい!
とは思ったものの特に問題はないのでオッケーと支払いに入る。
おっさんからは「2時間分ね」言った。
確かに1時間分のツアーとは言われてなかったし、時計見てなかった...。
おっけーサーティーね。と話しながら支払おうとしたその時だった。
財布から50万ドン札をふんだくるおっさん。

しまったーーー。
こういう財布から抜き取るパターンの騙され方を完全に忘れていた。
そこからは当然、口論に。

おっさんは「1時間ワンハンドレッドフィフティーだ。」といい始め、ガイドマップを見せ折り曲げていた値段表示を見せるという詐欺定番の技。
そこからのおっさんは
「まだ足りない」「2万ドンしかもらっていない。」「こんなんじゃ水しか飲めない。」
とあの手この手で訴えかけてくる。
こっちはお釣りを出せの一点張り。
50万ドン奪いながらまだ稼ごうとするおっさんがすごい。

結局、僕はお釣りを諦め、おっさんも渋々と言った顔で去って行った。


後々になって気付いたのだが、僕はフィフティーン=15万ドンと勝手に勘違いしていた。
フィフティーンは1万5千ドンだ。
だからおっさん後から言ったワンハンドレッドフィフティーは15万ドン。
僕はそこでぼったくられたとしても、自分の想定通りの金額になっていたのだった。
結局50万ドン盗られたけど。

昨夜のバスが4万ドンだと考えるとぼったくられたなーと悲しみながらメコン川を眺めた。



<参考>シクロについて
『シクロでホーチミン市内めぐり』ホーチミン(ベトナム)の旅行記・ブログ by kao(顔)さん【フォートラベル】
他のブログを見たりすると現地人がシクロに乗ると1時間5万ドンのようでした。




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