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「短歌人」2021年8月号 20代・30代会員競詠

秋にそなえる

斎場の道の半ばの看板は不在の友の所在を示す

熱をもつ友のモバイルバッテリー返し忘れて形見となった

婚姻の延期の件は疫病にすべて任せておりますので

熱の出る予感の夜の指先できみの背骨の本音をなぞる

百円で取れてしまったチョロQは生命線を逆走し飛ぶ

友が逝き別の友には子が産まれ遠くで響く交代の笛

ヒーリング音楽浸しほんのりときみの寝顔を包むiPhone

消毒の飛沫に荒れた左手に薬を塗って秋にそなえる


以上の8首を「短歌人」2021年8月号の「20代・30代会員競詠」特集ページ(P47)に掲載していただきました。

今号では特集に参加できたので選歌なしの8首を普段より大きく載せてもらったわけだが、周りの人と並ぶとぼくの歌は散文的な印象。なんだろう、区切れをもっと意識した方がいいんだろうか。あとなんとなく漢字が多い気がするので見た目からして散文っぽい。こうやって本に大きく載せてもらうと見えることがたくさんあって、とてもありがたい。勉強します!

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