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『なんか、いい。』と向き合う1日。デザインキャンプ密着レポ

直感的に分かり、さらにわくわくする。そんなNO YOUTH NO JAPANの発信に欠かせないのが、「デザイン」の力です。
Instagramのポストをはじめとし、全てのコンテンツ制作を行うデザインチーム。大学生からプロまでが集まるメンバーが、それぞれの頭の中を覗く1Dayキャンプを行いました。デザインチーム外から潜入した私が、その様子をレポートします。

「発見する機会がないから」キャンプをしよう!

NO YOUTH NO JAPAN(以下NYNJ)のデザインチームは、Instagramのポスト・ストーリー・HPなどNYNJの全ての制作物のデザインや、コミュニケーションツールの制作を担当しています。大学生がメインのNYNJですが、デザインチームは一番社会人が多いチーム。実際にプロのデザイナーとして働いている方もいれば、NYNJのデザインが好き!という思いで入ってくれたメンバーもいます。現在は6人のメンバーが所属しています。

デザインチーム・デザイナーの平山みなみさんへのインタビュー記事はこちら

そもそも、NYNJの活動はフルリモート。デザインメンバーは制作依頼を受けたら、パソコンの前で1人でもくもくと作業をしていきます。そのスタイルは設立当時から変わっていませんが、1人で作業をしているだけでなく、お互いがどういうデザインがいいと思っているのかなどみんなで意見をぶつける機会も必要であると考え、今回のNYNJの活動から離れてデザインと向き合う1日、その名もデザインキャンプを企画しました。


「『なんか、いい。』と向き合う1日」デザインキャンプのスケジュール

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4つのステップで、丸1日、「なんか、いい」ものと向き合ってみました。
完成させる制作物があって意図的に作る普段の作業とは異なり、ゴールを決めずに直感的に「なんか、いい」と思うものを作り、語りあい、並べてみる1日です。
※新型コロナウイルスの感染対策を行い、開催しています。

デザインキャンプに潜入してみた

10:30- なんか、切ってみる・置いてみる・語ってみる

この時間は、各自で画用紙をいろんな形に切って並べて貼って、なんとなく作品にしてみるという時間。狙いは、感覚主体の制作を体験することです。
普段制作しているNYNJのデザインは、わかりやすいという点で評価されることが多いです。わかりやすいグラフィックは、ある程度メソッドがあり頭でわかって作ることができるもの。一方で、感覚的にいいなと人が思うものは、頭ではわからないものが多い。そのため、この時間はとにかく頭よりも手を動かして、できたものに意味を見出そうという普段の作業とは真逆の作業をする時間です。

もう1つの狙いとしては、今日は頭で考えなくていいんだな、というスイッチを入れること。普段のように綺麗なものを作ることが狙いではないと、身体に気づかせる時間でもあります。

そして、できた作品一覧がこちら。

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メンバー個人が「なんか、いい」と思うものを形にした結果です。テーマがわかりそうなものも、わかりにくそうなものもあります。
一番右の列の、手前から2番目のくしゃっとした紙が置かれているのは、雨をテーマにしたそう。


13:00- なんか、知ってみる

この時間はひたすら、各々が「なんか、いい」と思ったものを共有する時間。オンラインではわからない紙の手触りや色使いや仕掛けについてひたすら語り合います。タイポグラフィ―の本から文字の魅力を語り、フライヤーの紙質やデザイン、フライヤーの紙を開く仕掛けなどの魅力について語る。普段は話さないそれぞれの「なんか、いい」を共有する時間です。

ここで学んだことは、自分がなんかいいと思ったものはとっておくべきということ。私は美術館に行くとフライヤーを持って帰ることがありますが、帰宅後はもういいやと思って捨てちゃうことも何度かあります。ファイリングしておいて、いつか振り返った時に「なんか、いい」に触れる瞬間は一番創造的な時かもしれません。

モザイク

14:00- なんか、並べてみる・眺めてみる

この時間は3つの図形をパーツとして使い、100パターンの図形をデザインしました。いわゆるデザインの筋トレ。皆さんもできるので、ぜひ実践してみてください。

<用意するもの>
・3つの図形(棒、大きな長方形、小さな長方形)
・100個の枠
(今回はmiroを使用しましたが、Illustratorなどなんでも大丈夫です)

ここからとにかく100個作ります。簡単そうに見えて地味に大変なの作業です。予定では1時間でしたが、途中に休憩なども挟み結局2時間ほどかかりました。

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ちなみに、一番早く100個作り上げたのはデザインチームメンバーではなく私でした。デザイン力よりも負けず嫌いの方が勝りました。

16:00- なんか、真似てみる

今回のキャンプでは時間がなくできなかった、幻の「なんか、真似てみる」。内容は、NO YOUTH NO JAPANのInstagram
のポストの画像を、miroを使って、シンプルな幾何図形で再現してみるというものです。時間がある時に、挑戦してみてもいいかも楽しいかもしれません。

価値観を見える化する=デザインキャンプ

普段オンラインで制作をしていると、お互いがデザインについてどうやって考えているのか知る機会は中々ありません。今回のデザインキャンプは、「なんか、いい」と思うものを作ったり語ったりする中で、お互いがどんな価値観を持っているのかを深く知ることができ、チーム力をぐっと高めてくれました。「なんか、いい」という感覚からインスピレーションも広がって、NYNJのデザインにもいい影響をもたらしてくれるはずです。

また、デザインを専門的にやっていない方でも今回のデザインキャンプで行ったワークは活用できると思います。

自分がいいと思うもの、惹かれるものの言語化してみる。
言語化していく過程で、いいと思うものの共通点が見えてきて自分がなんとなく大切にしている価値観が明確になる。
その過程の思考回路や明確化した価値観は、仕事や生きていく中での様々な選択に繋がると思います。
こんな風に、デザインを通して自分が大切だと思っている価値観について改めて見つけてみませんか?

私も今日から「なんか、いい」を始めます。

(文=石井萌)

NO YOUTH NO JAPANのInstagramの投稿を続けるためのデザイナーさんへの依頼料と活動の運営経費にさせていただきます!