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投票は推し活だ。 政治の世界であなたの推しを見つけるコツ5選

投票は推し活です。
投票先選びは、推しと出会って、好きになるプロセスです。

ニュースで流れる衆院選模様よりも、推しのイベントが100倍気になる、そんなあなたにこそ読んでほしい。アイドルを推すように、政治の世界で推しを見つけるコツを伝えたくて、この記事を書きました。

今回はNO YOUTH NO JAPANより、尊き「推し」がいるあなたに、投票を少しだけ楽しくするヒントをお届けします。

投票先選び ≒ アイドルの推し探し

あなたにとっての推しは、自分のエネルギーをかけて応援したい!と思えて、その活動を一緒にしているかのように感情が動くような、日々の生活を楽しくしてくれる、そんな存在のはず。

でも生活の潤いは、楽しいことから生まれるだけではありません。働く環境や、生活をする環境、学ぶ環境が豊かになれば、わたしたちはもっと心地よく毎日を過ごせるかもしれません。

推しが、あのイベントやライブのこの場面よかったな、今度はどんなことしてくれるんだろう?、とワクワクやドキドキ、そして応援したいという想いを与えてくれる存在であるように、政治の世界にだって、今度はわたしたちの生活の何を変えてくれるんだろう、どんな政策を実現してくれるんだろうと期待する推しがいたっていい。

わたしたちにワクワクやドキドキを与えてくれる「推し」との出会いや応援は楽しいのに、自分たちの生活に密接にかかわる政策を決める政治家の推しはいないなんて、もったいないことなんです。

だから、わたしたちの生活を託す政治家を選ぶ、つまり投票先選びは、応援したいと思うアイドルに出会い、好きになっていくことと一緒。
投票は、あなたが推しを応援するように、政治の世界で推しの一層の活躍を願って、応援をする推し活そのものなのです。

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政治の世界で推しを見つける【出会い編】

ここからは、皆さんにも政治の世界の推しができるように、どんな風に推しと出会い、推し活を進めていけばいいのかを紹介します。

1.政治家ポスターのキャッチコピーは 「推しの自己紹介」

あなたの推しとの出会いを思い返してみてください。同じ推し友だちや、これまで推してたグループの一人が、ある人・グループの動画やSNS投稿をシェアしていた。ふと開いてみると、自己紹介や、些細な一言がとても気になった。
偶然のきっかけで出会い、何気ない一言や仕草をきっかけに好きになりはじめた人も多いと思うのです。

一方で、選挙の候補者は、普段、わたしたちが見ているYoutubeに出てきたりしないし、友達からオススメされることもないし、とにかく接点が少ない。気になる一言どころか、議員と言われても、首相と有名な大臣くらいしか顔が分からないかもしれません。

アイドルの推しとの出会いはYoutubeやInstagramにあるけれど、わたしたちと政治の世界の推しの最初の出会いのきっかけになりやすい窓口は、ポスターです。街中のポスター設置個所はコンビニの数の2倍あると言われています。
(※ 東京都内の例。2017年の都議会議員選挙の際、14,163か所のポスター掲示場・コンビニの店舗数7,583店舗

未来の推し探しに向け、衆院選に向けて張り出されているポスターの、まずは候補者の名前とキャッチコピーを確認してみてください。
「みんなの恋人」「とれたての笑顔」などなど、アイドルにキャッチコピーがあるように、「真面目に取り組む街づくり」「やる気!げんき!この街の転換期!」「この街に 住み続けているからこそ 知っている」などなど、政治家にもキャッチコピーがある。どんな自己紹介に惹かれるか、まずは選挙ポスターを眺めてみましょう。

また、自分の選挙区・候補者がわからないという方は、以下の選挙ドットコムさんのサイトからも、簡単に調べることができます。

2.「単推し」だけではなく「箱推し」も

誰かを単体で推す「単推し」だけではなく、気になるグループを「箱推し」することもあるかもしれません。
気になる候補者がいない人は、まずは「箱推し」として、自分に考えが近いなと思う政党を探してみるのも一つの方法です。

そもそもどんな政党があるのか、政党ごとにどんな政策や公約を打ち出しているのか分からないという方は、以下のサービスがオススメ。
箱推しをするためにグループについてのリサーチをする気持ちで、まずは政党について覗いてみてください。

【JAPAN CHOICE】
自分が気になるトピックやイシューのタブを押すと、それぞれの政党がどのような立場か一覧で見ることができます。箱推しをするためにグループについてのリサーチをする気持ちで、まずは政党について覗いてみてください。
https://japanchoice.jp/policy-comparison/

【毎日新聞えらぼーと】
25問のアンケートに答えると、候補者との意見の一致度が数値化されて出てきます。
はじめから政策を読むのはしんどいという方、まずはアンケートに答えてみてください。
https://vote.mainichi.jp/49shu/

政治の世界で推しを見つける【本当の推しと出会う編】

出会ってすぐに推しになる、そんな一目ぼれのような出会いもあるかもしれませんが、多くは「気になる」存在のアイドルのことをリサーチしたり、動画を見たり。
そんなふうに、推しの沼にハマっていくのではないのでしょうか。

これは投票先である政治家も同じ。名前や顔を知っただけでは、「推し」にはなりません。友人や家族に、「ここに投票して」と言われたから、その人、その党に投票するというのも、ちょっと待って。
気になる候補者が見つかったら、自分が本当に推せるかどうか、確かめてみましょう。

1.SNSや動画サイトで気になる推しの周辺情報をリサーチ

出身地、アイドルになる前はどうしていたのか、どうしてアイドルになろうと思ったのか。何が好きでどんな人なのか。あなたが、少し気になるアイドルと出会って推し始めるのは、Twitter、Instagram、Tiktok、Youtubeなどを使った検索からではないでしょうか。

候補者一人ひとりにも、アイドルの推しと同様、それぞれのストーリーがあります。元国政議員、県・市議会員といった既に政治家だった人だけではなく、前職は会社員、弁護士であったり。子育て環境を変えたいと思っていたり、セクシュアリティによる差別がない世界を目指していたり、原発を含むエネルギー問題に関心があったり。今回出馬をしているきっかけも理由も様々です。

まずは、ポスターで気になった候補者や、自分の選挙区の候補者、聞いたことのある政治家の名前、政党名を、TwitterやInstagram、tiktokなどのSNSで検索してみましょう。公式HPやSNSのアカウントを持っている候補者も多いです。
推しや推しのグループの公式アカウントをフォローするように、政治家のアカウントも気軽にフォローするのがオススメです。

候補者が過去に投稿している内容からは、考えていること、やってきたことを知ることができます。SNSでの発信は、ポスターだけでは掴めない、候補者の人柄や大切にしていることが分かることもあります。

中には、自分と近い環境・境遇にある候補者、同じ課題に関心をもつ候補者もいるかもしれません。
自分と環境が似ていたり、価値観が近いアイドルが話していると、わかる!それが言いたかったと納得してしまうことがありませんか?
自分に近い候補者がいたら、その方は、自分の声を代弁してくれる可能性が高いかもしれません。推しのアイドルのSNSアカウントで好きな側面を色々と探るように、まずは気軽に候補者を知ってみてください。

2. 新曲を聴くように、政策をチェックしよう

この曲いいな、ライブのパフォーマンスがかっこいいなと思うから、そのグループや推しがどんどん好きになる。逆に、パフォーマンスがいまいちでは、推しから心が離れてしまうこともあるのではないでしょうか。

政治家にとってのパフォーマンスは、具体的な政策の実現。
何人か気になる候補が見つかったら、推しのアイドルグループの曲を聴いて新曲をチェックするのと同じく、慎重に政策もウォッチしましょう。

新曲の曲調や歌詞、MVのパフォーマンス、ライブのパフォーマンス、曲や振り付けに込められた想いなどなどを分析するように、政策を読んだり、聴いたりしてみると、候補者ごとの違いにも気づきます。力強い言葉が多いのか・寄り添う言葉が多いのか、曖昧な表現か・具体的かといった政策の書き方のトーン。重視している分野。

推しだって好きになればなるほど、自分はどこが好きなのか、どんなところが好きなのか、パフォーマンスのここがいいんだよね!という部分、を友人に語りたくなることがありますよね。
候補者選びも同じです。候補者の公式HP、まとめサイトや選挙公報など、政策を読んでみて、わたしが推したいこの人の「ここがいいね!」ポイントを分析していきましょう。

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3.街頭演説はコンサートライブ。ファンサービス≒市民との関わり方をチェックしよう!

推し活では、コンサートやライブに参加したり、歌番組を見たりする方も多いのでは?

選挙期間、街なかで行われる街頭演説は、推しのコンサートライブ。
政策を読めば投票先を選ぶのには十分ですが、余力があればぜひ推しと対面で出会える、コンサートライブにも足を運んでみてください。

内容を全て理解しようと意気込むと大変ですが、そんなに肩肘をはる必要はありません。

ライブやテレビ番組を見ていても、推しのファンサービスや雰囲気はなかなか掴めないことがありますよね。同じように、候補者がどんな風にわたしたちと関わってくれるのかを確かめられるのが街頭演説。

どんな人がその演説を聞きに来ているかという推し友の様子を見てみたり、どんな言葉で語りかけ、応援している人たちとどのような距離感で、どんなふうに関わっているか、ファンサービスの様子を見てみてください。より応援したい気持ちが強くなるかもしれません。

投票は推し活なんだけど、全て一緒な訳じゃない

推し活は、自由に推しを応援する活動。応援したい人を応援するという意味で、投票は推活だし、投票先選びは推しとの出会い。しかし、少し注意が必要なポイントがあります。

1.容姿やプライベートなことで推しを選ぶのはナンセンス

政治家はアイドルなどと違って、わたしたちの生活や将来に大きく関わる仕事を担っている人。

私たちは皆さんにぜひ政治の世界で推しを見つけてほしいけど、「容姿がかっこいいから」「ケーキが好きなところがかわいいから」といった、政治家としてのお仕事とは関係がない理由で、政治家の「推し」を選びましょうと伝えたいわけではなりません。

なじみやすい雰囲気をきっかけにしていくのは一つの手ですが、わたしたちの生活を託す政治家を、容姿や雰囲気で決めてしまうのはナンセンス。

投票先選びは、わたしたちの生きたい社会をつくるための一つの行動です。

今回の記事でお伝えする、「投票先選び≒推し活」とは、あくまで出会い方や好きになるまで、そして実際に応援(投票)するまでのことであることを頭の片隅に置いていただけたら嬉しいです。

2.推しが見つからなくても、投票先を決めてみる

推し活であれば、「今は特に好きな人いないから、推し活はお休み中」という時期もあります。でも、選挙はわたしたちが推しを見つけるまで待っていてはくれません。

投票に行かない(=無投票)ということは、「どんな社会になっても、わたしは賛成。お任せします。」と同じこと。

また、白紙投票(=投票はするが何も記入しない)はどこも支持しない(推しはいない)をいう意思表示にはなりますが、結局その声(票)は国会には届きません。

投票で「推し」と呼べるくらいまでの候補者が見つからない場合は、今回の選挙では少し妥協が必要かもしれません。でも、選挙後、当選した人に自分や周りの声を届けていくこともできます。今、一番生活を任せたいと思えるなという方に、自分が生きたい社会を作るための、せっかくの1票を、使ってみてください。

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3.推しを広める「布教」活動には注意が必要

推しを広めるための、いわゆる「布教活動」はやり方も、時期も自由そのもの。
けれど、選挙の世界では、投票日当日に「〇〇さんに入れてください」と発信することはご法度です。
自分が選挙に行く理由も、推しの候補者の話も、投票前日までは問題ありませんが、投票日の推し活については、くれぐれも注意してくださいね。

選挙中も選挙後もわたしたちの応援で推しを育てる

ライブやイベント、グッズ販売など、わたしたちに向こうから積極的にいろいろな働きかけをしてくれるアイドルとは違って、普段、政治家は何をしてるのかが分からず、推す理由を見つけるのも難しいのが現状です。

思い返してみれば私も、いままで国会議員に会ったのは、修学旅行で国会議事堂に行った時くらい。SNS発信を積極的にしている政治家の方も増えてきましたが、政治家はアイドルと比べたらまだまだ、自己表現が苦手なのかもしれません。

でもだからこそ、わたしたち一人ひとりが、もっとこうしてほしいという声を積極的に届けたり、意思を投票という形で示すことで「政治に関心をもち、政治家を見ています」というメッセージを、選挙後も伝えていくことが大切だと思っています。アイドルの推し活には「推しを育てる」という言葉がありますが、選挙後も政策実現の様子をウォッチして、政治の世界での推しと、伴走してみてください。

リアルに感じ「推せる!」と思える瞬間はまだまだ少ないけれど、衆院選は、政治の世界でも推しを見つけるせっかくのチャンス。
今回の衆院選を期に友達や周りの人と楽しく推し活を始めてみてほしいと思います。わたしたちが生きたい社会を作るため、推しからパワーをもらいながら、少しの勇気をもって、周りの人と、選挙について話してみてくれたら嬉しいです。

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(文=鮎沢日菜子)


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