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傘嫌い、日傘を買う。


過剰な天邪鬼によって、結果的に自分で自分の首を絞めてる、なんてことはよくある。

よくあるならその性格治せよっていう声には耳を塞ぎたいけれど、直近、本気で治そうかな、と思いはじめた出来事があった。


「人が良いというものにはまず、疑おう」
というオレオレ詐欺ならお手本のような疑心まみれで生きてるので、


友人が勧めてくれる物に関しても、
実は「ほんとにぃ??」と疑いから入ってる。
(結果、もっと早く知りたかった、、に落ち着くことがほとんどだけど)


職場の同期を駅でたまたま見かけたので、一緒に会社まで向かった。

その子は駅から会社までのほんの数分の道のりでも日傘を欠かさずにさしている。

私にも傘に入るよう気にかけてくれたが
彼女の白い肌と、すでに焼け始めてる自分の肌を天秤にかけ、いいよいいよと彼女に傘を戻した。

「日傘えらいね」

「暑いもーん、、なーちゃん買わないの?」

「んー、、傘がなあ、、、。」

子供の時から傘をさすのがめちゃくちゃ嫌いで、小ぶりの雨ならささなかったし、
というか大雨の時もテンション上がってさしてなかった気がする。

「人目」というものを無視できなくなってからはもちろん傘をさすが、できることならさしたくない気持ちは変わらず健在で。


というか片手が塞がってることにもの凄く抵抗感がある。
有事の時のウィークポイントになる気がして、基本両手は空けておきたい。通り魔に常に備えてるんかってくらいの緊張感のある生活。

ここまでこだわるのには、おそらくこれかな、というきっかけがある。

小学生の時にみた「1リットルの涙」で主人公が病気ゆえに転倒するシーンがある。
その時に両手をつかずに転倒するのがトラウマレベルで恐ろしかった。

主人公は病気だから手を反射的につけなかったのだけど、自分が顔から転倒するのを想像してしまい恐れ慄いた。

それがきっかけで転んだ時に手をつける状態を常に保たなければ、という厄介でしかない自分ルールが生まれてしまった。


カバンはできるだけリュックかショルダー。
飲み物など蓋のない溢れたら困るものは基本早めに飲み干す。

傘はギリギリまでささず、変な目で見られ始めたらさす、くらい攻める。

そんな傘嫌いが日傘をさす日は一生来ないと思っていた。

「傘さすのがめんどいのよね」

「え〜、でも日傘あると涼しいよ?」


え?日傘は焼けないためのアイテムだと思っていたけどそうなの?

でも冷静に考えてみれば直射日光を避けれるんだから、ささない時よりは確実に体感温度は下がる。


そしてついに買いました。日傘。
25年モノのマイルールが一瞬で変更されました。

そして日傘のまあ、快適なこと。
日傘がある時とない時でこうも違うか、と。
いまや出かける時の必須アイテム。


同期にも日傘の購入を報告するとともに、その利便性を力説した。
(当然、知ってるって顔された)


「ね、日傘便利でしょっ」

「いや、マジで人の言うことは聞いとくもんだわ」

なにそれ〜〜って癒されスマイルで返された。

かわいい同期は今日も日傘の下で涼しい顔をしていた。


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