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『新規事業を加速させるリサーチ術』講演当日に話したかったこと書いておきます

 こんにちは、Cobe Associeの田中志です🌳

 先日ビザスクさんにお呼び立ていただいて、『新規事業を加速させるリサーチ術』のタイトルでお話をしてきました。事前申し込みで1,200名近く(!)、当日も700名ほどの方がご参加頂いていたようで、大変ありがた&恐縮です。

 さきほど担当者の方から参加してくださっていた方からの具体的フィードバックもお戻しいただきまして、”もう少し時間があれば...”的なコメントがいくつかありました。私の時間配分が下手で本当にごめんなさい。。もっと色々お伝えできたのかもしれなかったのに...🌱

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贖罪といってはなんですが、当日の資料をいくつか抜粋しながら「こんなこと(も)当日言いたかったんや!」的なことを書いておくと、もしかしたら理解がもう一歩進む参加者の方がいらっしゃるのではと思いまして。記事にしておくことにしました。

「ここもう少し詳しく聞きたかってん!」「ここはどういう意味?」「これは違うんじゃ...」などあれば、当日の参加者の方でも新しくご覧いただいた方でもここにコメント頂き、加筆/修正したいなと思っています。なので、わからないことやディープダイブしてほしいことがあればぜひコメントでお知らせくださいー!

ちょっとずつ加筆しながら、新規事業やリサーチに取り組む方のためになる内容として育てていけるといいなぁという想いです🌳

調査は必須のアクションではない

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 前半でしっかり伝えたいこと、これが何よりです。調査そのものはなんの価値も生んでくれません(調査結果報告書を顧客に題しても喜ばれないし、そのものがお金を生むわけでもない)。なので、ないならないほうがいいやろ、と個人的には思います。ほぼ確信しています🍟

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 セミナーの最後にご紹介したソニーの開発18か条なんですが、関わりそうなところだけ抜粋して提示します。17/18条、大好きです。

第1条:客の欲しがっているものではなく客のためになるものをつくれ。
第2条:客の目線ではなく自分の目線でモノをつくれ。
第13条:他社の動きを気にし始めるのは負けの始まりだ。
第17条:市場は調査するものではなく創造するものだ。世界初の商品を出すのに、調査のしようがないし、調査してもあてにならない。
第18条:不幸にして意気地のない上司についたときは新しいアイデアは上司に黙って、まず、ものをつくれ。

セミナーの中で、新規事業における調査のゴールを「社内を口説いてプロダクト・サービスをリリースするための予算・リソースを確保すること」とおいて、「調査はやらなくていいならやらないほうがいいし、やるとしてもできるだけ少ないほうがいい」というお話をしました。

私自身は仕事の一部として調査をしている身ですが、本心↑です。調査やめましょう🌳

目的は3つに分けて、混同しないように

そんな中でなんで新規事業周りで調査すんねん、という話なんですが、

●良いアイディアが浮かばない
●アイディアをプロダクト/サービスにすると取り返しがつかない(色んな意味で)
●プロダクト/サービス化に向けたリソースが手元になく、他人を”説得”しなくてはいけない

の3つくらいかなーと思い、当日は「目的に合わせて、調査手法は使い分け、意識も切り替えましょう」というお話をしました🌳

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事前の質問で、「いろいろ調べすぎてまとめ方がわからず...」というご意見だったり、「調査をしてもしてもアイディアが進化していく感じがしない」というコメントがあったりしたので、これはしっかりお伝えしたいなと思っていました。(事後評価のコメントでも、この切り分けはNewだった、意識していなかった、との声が相当にあったので、しっかりお伝えできてよかったなぁと🌳)

浴びる編:ネット/デスクトップでわかることがたくさんあるよ

それぞれの目的に応じてやれることはたくさんあるよと、具体的なTipsも諸所お話しました。

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コンサルファームのジュニアがやるように、専門領域の資料一気読みしましょう!ってことだったり(嘘じゃなく、2日で10冊読む、やります)、

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GoogleアラートやRSS(Feedly等)なんかの既存サービスを使って予定調和外の情報をたくさん浴びましょう、ってことだったり(Lobsterrは本当におすすめです)、

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SNS使って世の中から積極的に情報のコピーを取りに行こう、みたいな話をしました。海外のリサーチも、現地のYoutuberの動画を見たり、SNS覗いてみると意外と分かることあるよ、というお話もしました。あと当日お話できなかったんですが、オンライン英会話サービスを使って現地の消費者・生活車の雰囲気を聞いてみる、みたいなTipsもあります。フィリピンで事業を考えているなら、DMM英会話なんかでフィリピン人講師を見つけて受講しているとか。本当にいろんな工夫がありますよね。

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最後のQ&Aで「浴びた上で、よい仮説を生むためには何を...??」という話があり、うーん難しいなぁと思って1日考えてみたんですが、やっぱり当日話したタテ・ヨコ・ナナメ思考に落ち着きました。皆さん、やっぱり縦・下(具体/分析)が得意で、しかしそこからアイディアの広がりは生まれないんですよね。特にWhat ifのナナメ、これができる人は強い(私ももっと訓練せねばと日々思っています)

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ぜひSF読んで、ドラえもんの道具に想いを馳せましょう。

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磨く編:インタビューはここ!あっちじゃない!

やっぱり現地現物です。百聞は一見にしかず。現場は必ず見ましょう。

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 そのうえで、ファクトを取りに行くインタビューですね。ポジショントーク無しで、ビザスクさんが市場に登場してから、エキスパート探索がめちゃくちゃやりやすくなりました。海外のエキスパートとのつながりもかなり強化されている、ということなので、私のような仕事をしている人間には、本当に最高の時代が来たな...という感じです。
 当日は「インタビューは磨くために行うもので、浴びるために行うものではない」というお話をしました。↓に書いている、”どう思いますか?””どう考えていますか?”などの質問を中心に据えないこと。あくまで自分たちの仮説をベースに、その構成要素としてのファクトをチェックするのがインタビュー。使い方を間違えないように...!!

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類似スタートアップをデータベースで調べるのもいいよ、というお話もしました。CrunchbaseのAdvanceサーチを使うと創業年や業種、資金調達ステージや本社所在地など多様な軸・キーワードで抽出ができます。数万円/年で使えるサービスですし、ぜひ契約しておくことがおすすめです。

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B2C向けサービスの人は特に、仕事外の方と触れて、アルシュの一般感覚から離れないようにすることも大切に。これも一つの磨くプロセスです。

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口説く編:アルゴリズムではなく苦難と熱意で

(ちょっと長くなってきたので疲れてきました)

ここが一番難しくて、それはもう、調査のイシューじゃない部分が多分にあります。一般に、企業内での説得においては

・データ
・熱意
・妥協(話し合いに書ける時間の長さや相手への情報など)
・巧妙さ(飲みにいく、上司からの支援など)
・権威(脅す、怒るなど)

が効くとされていて、調査は一番上のデータの部分のみにしかアプローチできません。良いファクトがあっても、熱意や巧妙さがかけていると、説得はできんのです。熱意ですよ、やっぱり。

その前提で、できることはやろうや!ということで、「アウトプットから逆引きで考えて調査し、埋める」という話をしました。調べて出てきたものをまとめて口説くのではなく、何があったら口説けるかを考えて足りない部分を調査で埋める、という手法で行きましょう。

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あと、このスライドも評判が良かったです。関西弁は便利。上司の質問、意地が悪いですよね。そんな相手でも、味方にしていきましょう。ガンジーです。

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もう一つガンジーです。自身が苦しんでいることを見せて、チームを巻き込むんです。会社を敵にしたままにせず、味方に。

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ファクトの解釈を相手に委ねないように。ご紹介したSurvivorship Biasは、こんなおはなしです。研究者でも間違えるんです、いわんやあなたの同僚や上司も。解釈までリードしてあげるのです。

第二次世界大戦中、統計学者エイブラハム・ウォールドは、敵の射撃による爆撃機の損失を最小限に抑える方法を検討する際に、生存者バイアスを考慮した。
海軍分析センターの研究者は、任務から戻った航空機が受けた損傷の研究を行い、最も損傷が多かった部位に装甲を施すよう推奨した。ウォールドはこれに対し、分析センターによる研究は任務から「生還した」航空機しか考慮していない、撃墜された爆撃機が損害評価に入っていないと述べた。ウォールドは海軍に対し、帰還した航空機が損傷を受けていない部位を補強することを提案した。それは、帰還した航空機に空いた穴は、爆撃機が損傷を受けても安全に帰還できる場所を表しているからである。

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さいごに

実質お話したのが40分、Q&A含めて50分くらいで、盛りだくさん&消化不良にしてしまった感がとってもあります。ごめんなさい。

一人でも、良い調査をささっとやる方が増え、「あれも調べろ」「これも調べろ」で疲弊する方が減るといいなと願っています。私もできることをがんばります。

改めてですが、「ここもう少し詳しく聞きたかってん!」「ここはどういう意味?」「これは違うんじゃ...」などあれば、ぜひコメントでお知らせください🌳

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なお当日の資料は↓にまるっとあげています。掲載許可してくださったビザスクさん、Great thanks...!!


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