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Cobe Associe 3期締めと4期目に向けて

 コンサル自営業、田中商店で運営しているCobe Associeですが、21年8月31日で3期目が終わり、明日から4期目に入ります。会社設立日は9月3日なので少し先ですが、会計も事業もほぼほぼ締められそうで、1年をまとめておこうかなと思っています。

 ニュースレターメディア・Quartzから先週届いた記事「Guides:#68 無神論のジェネロシティ」で、仮説形成からはじまった事業はある種の実験である、ということが書かれていてふむふむいいなと読んでいました。この会社は、とにかく稼ぐ、数字を最大化するための会社というわけではない(それならもっとやるべきこと、やれること、やらなくてはいけないことがある)し、かつ達成したい唯一目標があるわけでもありません。あらゆることが流動的で、一時的で、しかし実験的です。

 試してみることに、失敗はない。

 ちょうど良いタイミングなので、この1年、自分と会社がどんな実験をしてきたのか、これからの1年、どんな実験をしようと思っているのか、を書きたいと思っています。

3期目に実験したこと

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 3期(2020年9月~2021年8月)は、ほぼほぼコロナ禍にありました。リアルで交換した名刺の枚数は10枚にもならないと思います。そんな中で、人と会わずとも出来るいろんなチャレンジを着実に進めてきた1年でした。

本を書いた

 リサーチ・情報収集に関する本を書き、21年4月に発売されました。そこそこに売れています。カテゴリー1位にもなりました。

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実際に読み手の方のためになっているようで、嬉しく思っています。

 これをきっかけに講演会にお誘い頂いたり、書店さん主催のオンラインイベントに呼んで頂いたり、貴重な機会になりました。書籍執筆、自分で企画書を書いて出版社さんに提案しまくることで実現しました。やってみるもんですね。

メディア露出を増やしてみた/お誘い頂いた

 独立して3年目ともなると「何してんねん」と思って頂くことも増えたのか、いくつか取材というか、キジ科のお話も頂きました。特に下記の記事は、自分がキーボードに向かってもなかなか言葉に出来ないことをインタビューを通じて表に出して頂いて、とても光栄でした。

 上で書いた本が露出を増やすきっかけにもなっていて、こんな風にして機会が広がっていく、繋がっていくんだなと実感しています。

ニュースレター/ポッドキャストをやり続けた

 1月から始めたニュースレターですが、今日時点で35回を数えています。自分の仕事にとってはクライアントと異なった眼を持つことも価値を出すために大切だしな、と思いながら手をつけ始めたのですが、書くことの効果は絶大だと改めて感じます。毎週購読者も増えていて、良い実験テーマだったのかも知れません。

 本を紹介するポッドキャストも1年以上続けてこれました。最近取り上げたのは戯曲や歌集で、これらに触れることで、なんというか、自分の中で取り扱う概念理解・表現や文章の深さに違いが出てきたなと感じることもあります。読んだもの、考えたことを強制的にでも声にする、文字にする、という機会は良いものだと改めて認識できました。

海外案件の比率をぐっと高めてみた

3期目は、「海外進出を考える国内企業」「日本での事業を考える海外企業」とのプロジェクトと積極的に関わりにいきました。必然的に業務の中で英語を含めた外国語を扱うことも増えますし、文化差などを踏まえたドキュメンテーションの工夫

事業の間口を広げてみた

Notionに専用ページを作ってSuperで独自ドメインをあてて公開しています。

人材紹介:実験結果→△
ニーズはある。自分なら出来る気もする。しかし専属でやれる人が居ないと難しい。新規採用する前提。いまアクセルは踏まない。
Webプロダクト:実験結果→×
大人数対象の動的リサーチを支援するプロダクトをリリースしました。しかし、自社の強みは人そのものand/orその振る舞いにあって、あえてそれをそぎ落として標準化するWebプロダクトとは相性がわるいのかもな、と感じています。これで収益化することはなさそう。どこかで無料公開して、賢い方々に好きに使って頂きたい。
コーチング:実験結果→◎
コンサルティングとは違う手法でクライアントの方々に価値を出す、それ自体が楽しい。怪しげなコーチング事業者・個人も相当居て、業界が怪しくならないといいな、と願いつつ。

会社としての採用に手をつけ始めた

 上の新しく考えている事業もそうですし、元々からやっている市場調査・コンサル事業もそうですし、これからやっていきたいなと思っていることもあり、人の採用を考え始めています。まだこちらから積極的に動けてはいないんですが、たまに問い合わせフォームからご連絡頂く(奇特な)方と面談させて頂くことも出てきており、3期目の実験テーマの一つにもなりました。企業は雇用を生んでこそ、と考えている部分もあるので、積極的にアンテナを張りたい実験テーマです。

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4期目に実験したいこと

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気合いを入れて「この1年!」みたいなことはないんですが、できたらおもろいな、と思っていることをいくつか書いておきます。

情報収集版Kaggleを作りたい

 1冊目の本を出してみて、世の方々がデスクトップリサーチをいかに甘く見ているか、適当にやっているか(そしてそれによってどれほどのヒトモノカネ資源が無駄になっているか)を痛感しています。先人の知恵に上手くのっかることは、個人や組織の成功だけではなく、社会資源の効率化、社会厚生の拡大に繋がると信じているので、何かしたいなと思っています。

 一つのヒントは、Kaggleのような場にあるのではと思っています。とある課題を通じて参加者がそれぞれの斧を磨きつつ、知見を共有しあい、そこでの成果がキャリアに繋がったり、同士を生み出したり。 "コミュニティ" "プラットフォーム"みたいな手垢のついた何かにしたくないなとも思っていて、まだ実験前の発酵期間なんですが、この1年、一つのテーマであり続ける気がしています。

2冊目の本を書きたい

 そのままです。若手の持続的成長や健全メンタルライフに繋がる何かを書きたいなと思っていて、これも内容の熟成期間にあります。書くなら、来年4月には間に合わせたく、どこかでみっちり文章と向き合う時間を作らなくてはいけません。

 書くことは、他の誰でもなく、自分のためです。やります。

カンファレンス登壇で価値が出せるようになりたい

 今年、ビザスクさんのイベントやSchooさんのオンライン講義に登壇させて頂いて、自分は口話で一定バリューが出せる人なのかも知れないな、と感じています。これはぜひ実験して確かめてみたいテーマです。

 まずはオンラインカンファレンスの登壇者として読んで頂けるだけの内実・コンテンツを自分の中に持つこと。他人との調和や衝突を経て新しい価値観を生み出せる人であることを示すこと、その前段としてそういう人間になること。良い問い手、聴き手になること。

 1年間で10カンファレンス登壇目標でいきます。

人事・組織系のお仕事にも取り組みたい

 これまではコンサルティングとコーチングをある種独立に扱ってきたのですが、それらを混ぜるともっといろいろできそうだな、と感じています。面白くなりそうな予感もしています。

 この領域は、適当な人が適当なことを言っている(言い続けている)事例も散見しているので、そうならないように、どんな実験ができるのか、これも発酵中のテーマです。

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変えること、変えないこと

実験もするんですが、実験の対象にはせず、次の1年も守ることも書いておきます。

・よく働いて、よく眠ること
・よく断ること
・常に、自分の機嫌は自分で取ること
・常に、言葉を大切にすること
・利益は絞りかすとして扱うこと
51/49で考え、意志決定すること

おわりに

 思いついたことをだらだら書いてきました。読み手の皆さんのためになることはないかも知れません。すみません。

 会社というのは概念なので、米や釘のように、それ自体が社会から消滅したとしたら人が困る、というものではないと思っています。「こうなんちゃう?」「こんなんしたらおもろいんちゃう?」みたいな仮説がたったら、それをどんどん実験にしてやっていきたい。その存在継続を目的化せず。会社がなくなるその日まで。

 次の1年も、ご愛顧のほどどうぞよろしくお願いいたします。

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