見出し画像

「わたしのアメリカのママはどこ?」


1ヶ月くらい前、6歳の娘がコーヒーを飲んでるそばにやってきて、いきなりそう聞いた。

思わず笑って、飲みかけのコーヒーをむせた。

「・・・えー?Keiはママのお腹から出てきたんだよ。生まれた時の写真見たことあるじゃん」


「あー、そうだった、そうだった。」って彼女は鼻歌を歌いながら何もなかったようにどこかに行ってしまった。

(え?もしやわたしママと思われていないのか?)

一瞬頭をよぎったけど、そんな事はないでしょう。だって毎日「ママー」「ママー」「マァマァ!!」ってうるさいし。


しばらくそんなことは忘れていたけど、ふと、彼女がなんで「アメリカのママ」なんて言ったのかを最近よく考えるようになった。

そしていつしか、彼女は「ママのての色になりたい、ママの髪がいい」とも言わなくなったなーとも思った。


4,5歳の時はお風呂に入ると毎日こんな会話がなされていた。

「Keiはママの髪すき。いいなあ」

「ありがと、でもママはKeiの髪大すき。」

「Keiもママの髪みたいにサラサラがいい」

「大きくなったらサラサラにも、くるくるにも、ピンクにもゴールドにもKeiがしたいヘアスタイルに自由にしていいんだよ。ママも茶色にしたり、くるくるにしたりしてたなー。でもママは自分の髪の色がやっぱり一番似合う!って思ったからもう多分染めないし、カールもしないの。Keiのくるくるカール、とってもかわいいなあと思うけど、ママがくるくるにしたら、ちびまる子ちゃんのお母さんだったから、やっぱりKeiのように可愛いカールにならなくて似合わないんだよ。だからママはこのままでいっかなー」

「・・・ふうん」

とわたしの髪を触りながらシャンプーをつけてくれた。


でも、いつからだろう、そんなやりとりはなくなってて。

意識はしていないだろうけど、彼女の中の「アイデンティティ」が次のフェーズに移っていったのかな、とも思う。

我が子の場合はこんな感じ↓

Phase1: (0歳〜2歳):自分と他人との違いを意識して認識できていない
Phase2:(3歳) :父と母の言語に合わせられるようになる。言語が違うことに気づく。シャレ心は目覚めるが肌の色とかはまだ微妙。(グッズはほぼピンク)
Phase3:(4歳〜5歳):自分の容姿について意識し、父と似ていることに気が付く。自分はアメリカ人でも日本人でもあると理解している。母や身近な友達のような「日本人と同じがいい」が強くでてくる。(グッズはほぼプリンセスかプリキュア)

今ここ↓

Phase4:(6歳):妹が赤子から幼児になり自分と似てきたことで仲間意識が芽生える。自分と他人の違いを認めつつある。自分はアメリカ人と日本人の子供、じゃあどうやって生まれてきたのだろうと興味を持つ。(プリンセスやキャラクターは興味薄れつつも「しずくちゃん」にはすこし心惹かれているようだ)


次はどんな質問がくるのか、ドキドキ・・楽しみだ。

いや、でも、もしかしたら、わたしの愛情を確かめたかっただけ・・なのかな。

「わたしのアメリカのママはどこ?」って聞いたら「何言ってんの」って私がギュッとしてくれるってわかっていたのかな。

そう思うと指先が熱くなってくる。

6歳の心境、これまた難しい。

悩んでも悩んでも答えがない・・人を育てる醍醐味ですね。




この記事が参加している募集

スキしてみて

よろしければサポート、お願いします!