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ドラマ「火花」を観ろください

ドラマ「火花」を観ました。
随分前に公開された作品ですがご覧になりましたか。
売れた小説のドラマ化なんて...ってずっと観てなかったんですよ。
でももう、そんな自分が1ミリも残ってません。
まだ観てない人は観ろ。観てください。
Netflixですぐ見れるから。このためにNetflix入っても無駄じゃないから。
(いや嘘、合わなかったらごめんなさい。でもきっと無駄じゃないはず)
全10話、1.5営あれば観終えます。ここからは9-10話で感情が行き場を失ってnoteを書き始めた私の感想です。

憑依するキャスト

とにかく全体を通して「生っぽさ」「生きてる」感じがすごい。
役者の表現力と、カメラワークをはじめとする製作陣の場の作り方(そして未読だけど原作の特性)が掛け合わさって化学反応している気がする。
話が進むにつれて、役者に登場人物が憑依しているような錯覚に陥ります。というかもう憑依してる。林さんの徳永は徳永だし、波岡さんの神谷は神谷でしかない。芸人の好井さん、村田さんも本業だからか、本当に山下、大林でしかない。ストリートミュージシャンの小野寺、バイト先の先輩、挙げ出したらきりがない。

いま2周目を観始めているところですが、漫才の成長っぷりとか、すごい。本当に撮影中に10年経ってるんじゃない?これ。
関西人なので自然な関西弁がすっとなじんでくる。いや、ちょっとコテコテ感あるか。でも2000年代頭の話だし、まあ。

「完璧さ」だけが異質

どこかの記事でも見かけましたが、
こんなにリアルな風景と不安定な世界の中で
真樹、ユキ(神谷の同居人)、あゆみ(徳永の元バイト仲間)が安定剤のように完璧さを保っていて、作中では浮世離れしてみえる。
特に同居人と食卓を囲むシーンは幸せしかなく、それ以外の現実との対比になっている気がします。3話の食事シーン、今観たら絶対泣く。

3話といえば、試写会か何かの動画で村田さんが
「3人で明け方に外に出るあの光景は現実でも本当にあって、あのシーンでめちゃくちゃ泣いた」といったような事を話されていたのが印象的でした。
村田さんは「火花」公開の1年後のM-1で優勝されたんですよね…神展開かよ...

良くも悪くもない2人

個人的に主人公の漫才コンビ「スパークス」の2人の関係が好き。好きというか、そうだよなぁって思わせる2人。
いわゆる幼馴染ってやつなんだと思うんですが、
本編の10年の中で、喧嘩とか価値観の違いが少しずつ出てくるけど
根本は出会ったときから多分そんなに変わっていない。
だから仲が良さそうな表現は少ないのに、2人で漫才を続けることだけはやめなかったのかなと思ったりしました。(小説にはこの辺りのことも書いてあるんだろうか?)
9話後半から10話前半にそういうのが全部詰まっていて、巨大な感情に涙腺がぶち壊れてそこで一度死にました。
「あ、これあかん」って一回再生を止めました。自分でもびっくりした。

良くも悪くもなく見えた2人の関係ですが、告知動画にも出てくる言葉
「生きている限り、BAD ENDはない。僕たちはまだ途中だ」とも呼応している感じがします。

本筋としては主に徳永と神谷を象徴するものと捉えますが、そこにスパークスだった年月がしっかりと組み込まれてできた言葉なんだと
思います。

漫才が最高

スパークスの漫才シーン、おもしろいです。
気づいたら声出して笑ってました。
もともとこの系統の漫才が好きなので、
作中のネタがおもしろいなんて!とテンション上がるわけですが
オーディションのシーンではけっこう辛辣な言葉が飛びます。
「嘘や!おもろいやん!」「いやなんでそこ鹿谷やねん!」って山下のようにつっこんでました。
オーディションもそうですが、本番前の舞台裏なんかも多く描かれていて
そのあと地上波のお笑い番組をめちゃくちゃ複雑な気持ちで見ました。

火花

2話の後半、オーディションに受かったと電話を受け
いつになく高揚する徳永を遠くから大声で呼ぶ神谷。
ここの徳永のカットで、背景に火花がバチバチってなるシーンがめちゃくちゃに好きなんですが観た人だれか、わかってくれ...!

他にも神谷さんのオーディションを見たあと
外に出た徳永の目の前で花火が打ち上がるなど、
徳永の心理描写ともとれる象徴的なシーンが何箇所かあってたまらないです。


指が追いついていないんですが、今書けることを書きました。


最後に印象に残った主題歌・挿入歌を置いておきます。
それでは。


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