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優先するのは、正しさより幸せ

何年か前に、「TED」っていう有名な講演会の動画を観て、強く印象に残った表現があったんですよ。


2009年に、旅客機がハドソン川に不時着した事故があった(映画にもなったね)。僕が観たのは、その事故を経験した乗客の男性による講演。


【TED「不時着事故から学んだ3つのこと」】 
https://www.ted.com/talks/ric_elias/transcript?language=ja


その人は、不時着事故をきっかけに、自分のありようについていろいろと考え直したんだって。講演のなかに「2年間、夫婦げんかはしていません。いま私が優先するのは、正しさより幸せです」というのがあった。


これを聴いたときに、「ああ、自分もそうしよう」と思ったのだ。自分にとっての正しさが、ほかの人にとっても正しいとは限らないやんね。家族や大切なお友達が幸せでいられる在り方を選べるんや、って。


「それは違う」「こうあるべき」。言わなきゃいけないときもあれば、言わなくていいときもある。とくに白黒つけずともよいことならば、「へえ、そうなんや」ってニコニコしながら一緒にお菓子でも食べていれば、幸せやん。


あちこちで、言わなくてもいい「正しさ」によって起こる衝突や気まずさを目にする。感染対策についての考え方の違いというホットなことから、Amazonレビューでの他のコメントに対するコメント、というような小さなことまで。


自分の「正しさ」に反する誰かの発信に対していちいち直そうと働きかけたり、持論を一生懸命展開したりって、どうなんだろ?議論が推奨される場ならともかく、いつでも要るもんでもないんじゃないだろうか。


僕はこのTEDをきっかけに、「適当に放っておく、黙っておく」っていう選択は、あらゆる場面で有用であることを学んだよ。「おぅ、それはちょっと違うんだけど・・まあ、いいか」という具合に。そして、言う必要があるタイミングで、適切な表現で言うってことも。

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