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私が書きたかった文章

私は文章が書きたい。小さい頃から本や文字や文章を読んだり、書いたりするのが好きだった。

子供ながらに、小さい白紙の紙に、手書きで新聞のようなものを作っていた。電子辞書のメモ機能で新聞を作ったりもしていた。そういうのが好きだった。

なぜかは分からないけど、文章っていいなって思う。言葉って素敵だよね。漢字って素敵だよね。平仮名って素敵だよね。日本らしさが溢れている。素敵。

小説家のような、詩人のような、綺麗な文章を私は書きたい。書けるようになりたい。だけど、今まではそう思うだけで、何の努力もしてこなかった。

日記とか、黒板の板書とかも好きだった。日記なんて続かないけど、定期的に書きたくなる。

自分の気持ちを残す方法っていっぱいあるよね。音にして残すこともできるし、絵に残すこともできるし、物とかに残すこともできる。残す方法っていっぱいある。私はその中でも文字、文章にして自分の気持ちを残したいと思った。なんでかって?私にとってはそれが一番分かりやすいから。それと、文字や文章が好きだから。

人によっては音に残す方がやりやすいって人もいるかもしれない。でも、私は小さい頃から触れてきた、というか誰もが触れてきた当たり前のような存在の文字に残したい。

食品のパッケージに書いてある原材料名を見るのとか、商品に書いてある説明とかそういうのを見るのも好き。

とにかく文字が好き。何度でも言う。文字が好き。

綺麗な字を書きたいからたくさん練習してきた。まだ納得はいかないけど、それでも少しずつ綺麗な字を書けるようになってきたと思う。

小説、私も書きたい。

高校生になって、将来何の仕事につくか考えた時、自分のやりたいこと、好きなことを仕事にできたらいいなって思った。音楽も好きだから楽器を演奏する人になりたいな、とかも思った。でも私は歌が下手だし、作詞作曲のセンスもないと思う。だから、音楽は趣味でやれればいいかな。

でも、小説家なら自分にもできるんじゃないかって思った。小さい頃から好きだったし、作文を先生や親に褒められたことがあったから、なんとなくそれで、自分には才能があるのかもしれないって思ってるのかも。

親に、小説家いいなって話をしたら、お母さんは「いいんじゃない?あなた、向いてると思うよ。文章とか字書くの好きだし。」って応援してくれた。だから少しその気になった。

でも、小説家で食べていけるのなんてほんの一握り。小説なんて一度も書いたことないから、まずは書いてみようと思って、パソコンを買うことを考えた。でもわざわざ買って続かなかったらどうしよう。そんな不安があってパソコンは買えなかった。

パソコンなんかなくたって今はスマホがあるからそれで書けばいい。紙とペンさえあれば書ける。書く方法なんていくらでもあるのに、書かなかった。逃げたからだ。パソコンを買わないことを理由に小説を書くことから逃げた。こんなの、きっとパソコンを買っても買わなくても同じことだったと思う。こんなんじゃ書けるわけない。書こうとは思った。でもいざ書こうと思うと何から書けばいいのか分からない。何の知識もないまま書けなかった。

そのまま時が過ぎ、結局私は公務員になることを決めた。公務員は給料も安定しているし、休みもある。私は事務的なことが向いているから合っていると思った。

でも最近、なぜか分からないけど、また、文章を書きたいという気持ちが出てきた。でも今さら小説家になりたいなんてそれは無理だ。その代わり、文章を書くのなんていつでもどこでもできる。紙とペンさえあれば書ける。小説家にならなくたって小説は書ける。それでお金を稼ぐことはできないかもしれないけど、自分の書いた文章を人に見せる方法はいくらでもある。InstagramやTwitter、そういうところで見せればいいのだ。家族や友達に見せればいいのだ。小説家にならなくたって私のやりたいことはできるんだ。

そう思ったらなんか安心した。これで終わりじゃないんだって。だから私は、なんでもいいからとりあえず文章を書くことにした。でもやっぱり何を書けばいいか分からない。ネットで調べてみたら、

「まずはとにかく書け。綺麗な文章じゃなくていい。上手じゃなくていい。書かなければ文章は生まれない。自分の思ったことを書け。途中で読み返すな。書き直しなんていくらでもできる。でも書かないと直す文章さえない。だからまずは書け。それが終わってから読み返して直せ。」

そんなことが書いてあった。私はその言葉が心にきた。とにかく書こうと思った。自分の気持ち、思ったこと、浮かんだことをとにかく文章にしようと思った。

そして書いているのが、この文章だ。本当に頭の中に浮かんだ気持ちをただひたすらに書いているだけだ。上手さとか、そんなのどうでもいい。きっと、おかしな、変な文章になっているに違いない。でも私はそれでも全く嫌じゃない。むしろ楽しい。こうやって、ずっと書きたかった文章を、ひたすら自分の思うままに、何も考えずに書けているからだ。どんな文章が出来上がるのか楽しみで仕方がない。

これが最初の一歩だ。私は今、一歩を踏み出した。すごく嬉しい。楽しい。こうやってたくさん、これからも文章を書いていこうと思う。誰に見せるわけでもない。見せたかったら見せればいい。良い文章ができたら見せればいい。それまではとにかく書くことが大事だ。書かなければ何も始まらない。

ああ、やっと書けた。こんな簡単なことだったんだ。ただ書けばいいのに、私は綺麗な文章を書こう、上手に書こうとしていたばかりに、ずっと書けなかった。こんなに簡単なことだったのに。ずっとこういうことがしたかった。やっとできた。嬉しい。

これから色んな文章を書いていこう。そしたら少しずつ、良い文章を書けるようになるかもしれない。

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