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片手鍋焙煎の“燻し臭さ”を解決する。

皆さん
鍋振ってますか?
コーヒー愉んでますか?

片手鍋の排気、ちゃんと出来てますか?

『浅煎りなのにロースト臭が強い』
『エイジングしたのにスモーキーさが消えない』

焙煎は上手く行ったし、焦がした覚えも無いのに...と言う方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?

と言う訳で、今回は片手鍋焙煎によくあるロースト臭、焦げ臭などの『“燻し臭さ”が気になる問題』について、原因と対策をご紹介しようと思います。

燻し臭さの原因

焙煎度の深さに由来する燻し臭さ。
この場合は“ロースト香”と言ったほうが適切でしょうか。
また、浅煎り深煎りに関わらず焙煎直後というのも結構燻し臭さが目立つタイミングになります。
これらの場合は焙煎後に数日間寝かせる(エイジングする)ことで、徐々に目立たなくなってきます。

しかし、これらの条件以外で“燻し臭さ”が気になる場合、ほとんどは焙煎中の“排気不足”が原因と言えます。

なぜ燻し臭くなるのか?

既に“排気不足が原因”と結論が出てしまいましたが、それには片手鍋焙煎は『蓋を閉じる事で密閉性が高くなる』という特徴が関係しています。

この特徴は生豆に熱を伝える効率が良くなる効果がある半面、“排気”という観点においてはデメリットになると言えるでしょう。
焙煎が進み豆が高温になることで煙が発生しますが、排気を怠ると煙が鍋の中にこもるせいで、自らの煙に燻されてニオイが染み付いてしまいます。

排気をするタイミングが重要

これらを解決するために手鍋焙煎では、焙煎途中に蓋をパカパカ開閉する事で煙を排出する訳ですが、無闇にパカパカすれば良いと言うものではありません。適切なタイミングで排気をしないと、焙煎そのものが失敗するリスクが高くなります。

※焙煎に失敗する理由はこちら↓

僕の場合、焙煎の過程で生豆投入〜1ハゼまでは温度測定以外、なるべく鍋蓋は閉めたままを心掛けています。
理由は焙煎温度の維持と、豆から放出される水蒸気を逆に焙煎に利用する為ですが、この段階で生豆から放出されるものは“煙”というよりも“水蒸気による『湯気』に近い”ので、そこまで燻し臭さの原因にはならないと思っています。

水蒸気か煙かを判断する目安となる『焙煎中のニオイ』は、生豆の青臭くムワッとした臭いから始まり、徐々にナッツを煎ったような甘く香ばしい香りに変化していきます。

本格的に『煙』と呼べるものが出始めるのはこの香りの後で、1ハゼが始まる直前。一気に煙の色とニオイが濃くなり、スモーキーな香りに変わります。このタイミングで鍋振りの合間にパカパカと蓋の開閉を行い、焙煎温度が下がらない様に気を付けつつ、積極的に煙を逃がしていく必要がある訳です。

ただし、あまりに排気に気を取られ過ぎると撹拌不足や焙煎温度の乱高下に繋がり焙煎に失敗してしまうので気を付けたいところです。

片手鍋焙煎に潜む燻し臭さの“落とし穴”

“燻し臭さ”という問題にフォーカスした時、個人的にかなり気にしているポイントに『鍋蓋の汚れ』と『チャフの焦げ』があります。

①鍋蓋の汚れが原因

特に2バッチ、3バッチと連続して焙煎をする時に注意して欲しいのですが、焙煎後は鍋蓋(ガラス蓋だと良く分かる)に細かいチャフのカスと共に、タバコの煙が原因で染みつく“ヤニ”のような茶色い汚れが全体に付着します。

これは焙煎の煙に含まれる成分が付着した為に起こる現象で、とても燻し臭い物質です。

鍋蓋を都度キレイに洗わず使うと、焙煎序盤に発生する水蒸気と水滴で汚れが溶かされ、撹拌中の生豆に付着する事でより燻し臭く、嫌な臭いと渋みのあるコーヒーになります。

1回の焙煎でこれくらいの汚れが付着します。

②鍋の中で焦げるチャフが原因

もう一つの原因が、生豆から剥がれ落ちるチャフです。
焙煎中に剥がれ落ちたチャフは鍋底に溜まりながらどんどん焦げて、焙煎中の豆よりも早く煙を出し始めてしまう上、煙の量が多くなるので、よりしっかりと煙に燻される時間が長くなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

コーヒーにスモーキーな香りが好みであれば問題ないのですが、意図せず着いてしまった燻し臭さはネガティブな要素の一つになってしまいます。

鍋の汚れやチャフも燻し臭さの原因の1つではありますが、排気を始めるタイミングが重要と言うことがお分かり頂けたかと思います。
片手鍋焙煎は撹拌に排気にと、手先の動きがなかなか忙しいので、こればっかりは回数をこなして慣れる他ありません。

排気不足で煙が鍋にこもる。
剥がれたチャフが焦げて煙が増える。
鍋の汚れが生豆に付着する。

焙煎中に鍋からチャフが排出されて、鍋内の空気が循環していればかなりマシになりますねぇ...

さて、どうしたものか?
皆さんで色々工夫をして見てください。

それでは!!

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