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片手鍋焙煎の『焙煎ムラ/色ムラ/焼きムラ』は何故起こる?

前回のnoteで過去の焙煎失敗豆たちをご紹介しました。
そもそも見た目が美しくなく、美味しそうに見えない時点で残念なのですが、飲んでみるとさらにその残念が悪化してしまう物もいくつかあります。
そのなかでも個人的に『なぜそうなるのか?』を理解するまでに時間がかかった失敗例として『焙煎ムラ/色ムラ/焼きムラ』があります。
片手鍋焙煎をやる上で豆が焦げるのよりも厄介な失敗例であり、味への影響が特によろしくないと思っています。

見るも無惨な姿に...トホホ。

そこで今回は、前回のnoteで失敗例が『焙煎ムラ/色ムラ/焼きムラ』の際に度々出て来たキーワード『温度の乱高下』についてフォーカスしてみようと思います。

何が原因で、どうしてムラになるのか?
どうすれば改善できるのか?

ここを徹底的に攻めたいと思います。
アホほど鍋を振ってたどり着いた僕なりの原因と対策です。
このnoteを読めば、片手鍋焙煎のムラムラが解消する事間違いなしっ!(?

※『これが正しい!これで間違いない!』と決めつけるつもりは一切ありませんし、もしかすると他の原因があるかも知れません。皆さんもぜひ考えうる原因を探して見てください。(そして教えて下さい)

あと注意点として、生豆の発酵具合や生育状態で起こるムラは別の原因なのでここでは割愛します。

何故『温度の乱高下』が良くないのか

実はこれ、特に手鍋焙煎に起こりやすい現象の一つで、業務用の焙煎機とかしっかり作られた手回し焙煎機、小型のホームロースターではあまり起こらない現象だと思っています。
※あくまで片手鍋焙煎での話なので、手網焙煎や一部直火型焙煎機など、直接豆が火に触れるような物は別とします。

まぁ意図的に無理やりやろうとすればそれらでも出来るでしょうが、そもそもコーヒーの味づくり於いてメリットが無いと考えています。
コーヒーの焙煎は『加熱調理』の一部と考えれば、温度を上げたり下げたりを頻繁に繰り返す調理方法なんて他の料理でも聞いたことがありません。
(※僕が知らないだけで、あったらスミマセン(;^ω^))

無駄にやれば、それだけ焙煎に重要な温度管理が難しくなるだけです。

何故『温度の乱高下』が起こるのか

次に何故、手鍋焙煎だと温度の乱高下が起こるのか?
1番の理由はいたってシンプル

“鍋蓋をパカパカ開け閉めするから”です。

鍋のように、比較的密閉されて内部に熱がこもる構造で、特に熱くなった空気が溜まる上部の蓋が一気に開放されれば、そりゃあガクっと温度も下がるって話です。
『しっかり温度管理しなきゃ!』→パカッ!…ピピッ!
『溜まった水蒸気を逃がして水抜きしなきゃ!!』→パカパカッ!
『燻し臭くなるから煙を逃がさなきゃ!!!』→パカパカパカパカッ!

これらはコーヒーを焼くうえで大事ポイントではありますが、こと手鍋焙煎においては『鍋内の温度が急激に下がる行為』だと覚えておきましょう。

何故『焙煎ムラ/色ムラ/焼きムラ』になるのか

やっと本題です。
なんで『温度の乱高下』が『ムラ』に繋がるのか。
手っ取り早く図で見てみましょう。

相変わらずチープな図でスミマセン(;^ω^)

という事で、一目瞭然の素晴らしい図ですね(白目
蓋を開けることにより鍋内の熱い空気が排出、代わりに冷えた外気が入り込み、鍋内の温度が一気に下がります。

熱い鍋底に近い生豆はある程度高い温度が維持されるので焙煎は滞りなく進行しますが、冷えた外気に晒される上部の豆は温度が急激に下がって焙煎の進行が遅くなります。

そしてここで鍋の振りが甘く(緩く)撹拌不足が起こると、上部の冷えた生豆と下部の熱いままの生豆が上下入れ替わらない(均一に混ざらない)ので、しっかりケアをしないと焙煎の進み具合に差が生じたまま1ハゼ~煎り上げとなってしまうワケです。

どうやって改善させるか?

これもやり方はいたってシンプル。

『鍋蓋の開閉を極力減らす』

これに尽きます。

え? 温度管理が出来なくなる?

重要って言われている生豆の水抜きが出来ない?

煙の排気はどうしたらいいのか?

…続きはWEBで(茶番

またこの辺りの話は追々踏み込んでご紹介しようと思います。
(すでに、コーヒー繋がりで僕とSNSでお付き合いのある方はピンッ!と来るかもしれません笑)

ただ、そうではない方にもある程度対策出来る方法をお伝えします。

対策方法(ただし注意点もあり)

なるべく簡単にお伝えするために箇条書きで参ります。

①焙煎時間を長めに取る
実はこれでかなり解消します。
焙煎の進み具合に差が出るなら、焙煎の遅れた豆が追い付いてくるまで待ってあげるという発想です。温度上昇が止まればある程度焙煎の進行は遅くなるので、徐々に足並みが揃ってきます。
(あまり長くし過ぎるとコーヒーのフレーバーや味が飛んでしまうので注意が必要です。)

②焙煎量を少な目にする
元々の焙煎プロファイル(温度変化)と若干変わるかも知れませんが、鍋の中の生豆の層が薄くなるので、ムラの原因になる豆の上下の温度差は少なくなります。(量が減る、感覚が変わる)

③温度測定の回数(時間)を減らす。
豆の温度を測定して記録することに必死になってませんか?
美味しいコーヒーを飲むことが目的なのか、温度を測って記録することが目的なのかよく考えましょう。(細かいプロファイルには向かない)

④とにかく撹拌をしっかりする
それでも蓋の開閉が必要と感じるなら、とにかく鍋を振りましょう。
なるべく豆を動かして温度差を解消するのも一つの手です。(まぁ疲れます)


最後に

長文になりましたが、いかがでしたでしょうか?
『なるほど!』と思って下さった方も『何言ってんだコイツ?』と思った奴も(コラコラ

皆さんのお悩み解決に少しでも役立てば幸いです。

次回の記事は引き続き別の焙煎失敗の原因をお伝えしようかなと考えております。

それでは!!

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