可哀想な女の子よりも
可哀想な女の子を書くのが辛くなった。
私が生きている現実の世界でも、わかりやすい暴力を振るわれたり、踏みにじられるのは女性の方が多いのに、なにも創作の世界でまでやらなくてもいいのでは無いかと思うようになった。
現実の世界と創作の世界は違うのだから、性欲の赴くまま、性癖が導くままに書けばいいし読めばいいとも思うのだけど、本当の思春期の頃とは違い、私は現実世界において『社会に出て働き、税金を納め、既婚の成人した一人前の女性』になっている。
インターネット上でどんなにアホボケカスのスットコドッコイハッピーセットであっても、私は奨学金を借り、場末のスナックでおっぱいの上半分が見える真っ赤で素敵なドレスを着てたくさんのお酒を飲んで生活費と学費を稼ぎ、整形をして、卒論を書いて学校を出て、技術職として就職し、幾度かの転職をし、会社では『職歴がきちんとある人』として取り扱われるようになり、様々立場も性別も年齢も事情も価値観もみんな異なる人々と強制的に関わっていく中で、そういった中で、やっぱり、女性にとっての不利がまだまだ世の中に潜んでいると肌で感じる。
本当の思春期の頃には漠然としていた『女性とは……べき』とか『女子は……の方が良い』とかに対する『は?』という苛立ちの仔細が、実際の不利益になりながら私の前に壁として現れた訳だ。乗り越えられなくは無い。
でも、なんで女が乗り越えなくてはならんのだ、とは思う。あと100年くらいしたらもうちょっと道路整備されていると信じて今を生きている。
『女医』とか『女教師』とか『リケジョ』とか、な〜んにも考えずに平気なツラして言ってくるバカが一人でも減ったらいい。心で思うのはいい。口に出さなければいい。その呼び方に馴染みがあって、もうどうしようもないくらい生きた人だっている。だから、私はお年寄りから『看護婦さん』と呼ばれても、怒らないし、不愉快ではない。あと私は看護師ではない。
でも職場の海外勢の前で『リケジョ』なんて言ったら殺される。あれは性差別用語なのだ。性別とその人個人の努力に対する罵倒とか侮辱とかに当たる。本当に。読みながら、めんどくせえな、と思った人がいるかもしれないが、大丈夫、安心して欲しい。お前が面倒くさいと思ったのと同じくらい、私もお前が嫌い。お互い様だ。友だちになれる。
世の中、随分良くなったとは思うし、こういう世の中になっても尚まだ訳の分からねえことを性別に絡めてなんやら言う間抜けを洗い出すことができるようにもなったけど、でも、どうやったって、男性に対して女性は身体的に不利なのだ。
身体構造上当たり前の話だ。
身長や体重が全く同じ、あるいは男性の方が軽かったとしても、純粋に、ジェンダー的価値観抜きの殴り合いになったら、まず男性が有利だ。
個人について注目すればそれぞれ事情があって、もちろん体格や骨格、腕力が一般的な男性よりも遥かに優れた女性だって存在するし、その逆も然り。これについての良し悪しの話では無い。個人は個人でいいのだ。
『ヒトという遺伝学的に雌雄の別がある哺乳類』として見た時の話だ。
ここまで長々書いたけど、つまり、出だしに戻って、現実でも女性はこんな状態なのに、創作の世界にまで持ってきちゃって救いがないとなると、私にとっての『逃げ場』がなくなってしまう訳なのだ。
創作はしんどい。
小説なんか全然楽しくない気持ちで、でも書いて吐いたときのスッキリ感が気持ちいいというか、そうしないと高血圧で死ぬのでやっている。その創作の世界の中で、辛い目にあった(特に)女の子たちには、必ずハッピーエンドとハッピーエンドのそれからを用意している。
昔は救い無し残酷エンドとかやっていた時期もあるが、あれは14歳とかの頃なので勘弁してほしい。分からなかったのだ。そもそもセックスの実際がどういうものなのか、レイプがどういうものなのか、望まぬ妊娠がなにを意味するのか、中絶に男の同意がいることの凄まじい気色悪さ、下劣さ、卑劣さ、逃げる男のおぞましさだとかが全部。
無理だ。
しんどい。
もう、女の子たちには、最初はどうあれ最後には必ず優しい男とくっつけちゃうおばさん妖怪になった。いやまだお姉さんでいいか? ここ多分私より年齢上の人が結構見てるよな? じゃあお姉さんにするわ。よろしくお願いしますお姉さん妖怪です。これあと10年したらもっとひどくなりそうだけどまあいいか。
そんなこんがらがりがり妖怪の私は、ここ最近本アカウントではすっかりおとなしく、お絵かきにマスキングテープをペタペタ貼って楽しく暮らしている。
しかし性癖に平静が訪れたのではなく、むしろ本アカウントにいろんな人(マスキングテープアートとかがお好きな人や、素敵なイラストを描く方々)が遊びにきてくれるようになっちゃった分、吐き出すもんも吐き出せなくなり、むしろ血圧がバンバンに上がってぼちぼち死ぬ。自業自得だがまだ死にたくない。
ロミ子や春子さん、葵ちゃん、すなわち『花嫁ちゃんズ』のお話を書く分には全然いいだろう。でもあれらはもう激しい本編を終えたあとの世界だから、私が本当に吐き出したい塊はずっと残っている。
可哀想な女の子が書けなくなった。
代わりに、生意気な少年を強制女装させて暴力を振るう話に最近ハマっている。
強制『男の娘』を、sadisticな年上女性たちが取り囲んで暴力を振るい、尊厳を破壊し、屈服させて壊していく。そういう流れの話を思いついて『いいじゃん!』と楽しく吐きだそうとしている。
もちろん可愛い女の子も登場させたい。
可愛くて生意気でツンケンしていて優秀で、でも生きるのに必死で、本当は甘えられる場所や人を一生懸命探しているへにょへにょのよわよわのマゾっけ美少女を出したいのだ。それで、その女の子にはお得意の、頼れる年上の男をあてがいたい。へにょへにょの本性を現した美少女を連れて、男の娘が凌辱される現場を見にいくシーンとか書きたい。もう私死んだ方が世のためなんじゃないか。
いや、いるだろ他にもそういうの好きなやつ、分かってる、大丈夫だ。あと他に誰もいなくても俺は突っ走るから大丈夫だ。
そもそも『私たちは家族』もそれっけがあるお話なんだけど、あれは現代日本を舞台にしているから、表現に限界がある。
もう少しぶっ飛んだ設定で、いい意味で現実味を失わせて楽しみたいから、すっかりファンタジーな世界設定の方がいいのかもしれない。
現実から逃れるためなんだから、剣と魔法の世界の方がいいのかも。
プライドをバキバキに折られてアナルファック無しにはイけなくなった少年を見物しにいくよわよわ美少女が、絶対的安心感のウホッイイ男にいい子いい子、おまえは可愛いね、と大事にされてめろめろふわふわセックスをする話が好きだ。読みたい。ねえのか、note に、世に。
無いのか。
俺が書くしか無いのか。
本アカウントでもお世話になっているharu@miyukiさんの作品が好きだ。
異世界転生シリーズも好きだし、ミチルくんの話も好きだ。私が求めている味に限りなく近い何かがそこにある。
限りなく近い!!!好きだ!!!近いぞ!!!
マスキングテープ貼りながら、真裏でこんなふうにも考えているから生きるのしんどいんじゃねえのかな。
まあ先に『シノブ』とか『失恋』の掲載をこっちに持ってくる作業があるから、いつになるかは分からないけど、できるだけ早く『強制男の娘フルボッコ〜美少女見学を添えて〜話』も書きたいなあ。
それで、誰かが『この味ですよお!!!』ってなってくれたらいいな。
そしたら、よかったらうちでポテチとか食べながら萌え話せん? 近所に美味しいケーキ屋さんあるからケーキ一緒に買いに行ってから駄弁るのでもいいし、ルピシアのお茶かTWININGSのアールグレイ飲みながらでもいいしさ。
お茶もお菓子もございます、の看板出してる赤鬼みたいだなこの妖怪。
まあ、よかったらまた遊びにきてね。
ろくなこと書いてないけど。
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