見出し画像

(小説5分読書)四辻御堂物語~水龍の巫女と妖狐の罠~(こちらが四辻御堂です④)

割引あり

次話全話前話

(本文、表紙絵の無断転載等、著作権侵害となる行為は禁止です)

メンバーシップ会員になってお得に小説マルシェを応援する

以下本文


 スオウは少し冷めた紅茶を一口飲んで間を空けた。私は下を向いてスオウの次の言葉を待った。カチャリとカップが置かれる音に、肩がピクリと動く。

「あんたの様子を見ると、本当に何も聞かされていなかったようだなぁ……あっしから話して良いものやら……恨みっこ無しですぜ澪さん!」

 スオウは天に向かって手を叩いて、ここにはいない母に謝っているようだ。
 確かに私は、母からも父からも何も聞かされていない。それどころか、おじいちゃんやおばあちゃんや親戚にすら会ったことが無い。親戚は居ないと聞かされていた。母方にも父方にも。

ここから先は

2,437字 / 1画像
この記事のみ ¥ 0〜

この記事が参加している募集

#眠れない夜に

69,179件

頂いたサポートは主にまつかほ家の食費、執筆活動費、そして娘の画材購入費になります。サポートしてくださった方には良いことが立て続けに起こるおまじないをかけておきます。