note小説『みらいを、待ってる』
はじめまして、Mizukiです。
今回はきなこさんが書かれた『みらいを、待ってる』について紹介していきたいと思います。 本書は、障害や特別なケアが必要な子どもたちが集う学校を舞台にした物語です。
本作の主人公は、ハルタという少年です。ハルタは非常に好奇心旺盛で、世界の不思議に心を躍らせる子どもですが、発達障害があり、普通の学校生活を送ることが難しいとされています。そんな彼が通うのは、特別な支援が必要な子どもたちを受け入れる特別な学校。この学校では、どんな子でも自分の居場所を見つけることができるよう、一人一人の「特別」を大切にしています。
物語は、ハルタがこの学校でみらいという新しい友達を作るところから始まります。みらいは体が非常に弱く、話すことができないため、タブレットを使ってコミュニケーションを取ります。しかし、ハルタとみらいは、言葉を超えた形で深い絆を育んでいきます。二人の友情を中心に、彼らの周りにいる人々も変わっていく様子が描かれています。特に、ハルタとみらい、それぞれの家族の喜びと苦悩が丁寧に描写され、読む者の心を打ちます。
ある日、みらいが病気で緊急入院することになり、ハルタは彼の帰りを待ちわびることになります。その間に、ハルタは自分自身と向き合い、みらいがいない学校での生活、友達や先生との関係など、様々な経験を通じて成長していきます。また、ハルタ自身も学校生活の中で様々な困難に直面しますが、みらいとの友情が彼に勇気と力を与え続けます。
物語のクライマックスでは、みらいが学校に戻ってくるかどうかが焦点となります。ハルタは、みらいの健康状態や将来について深く考えるようになり、彼のために何ができるのかを模索します。そして、二人が再び一緒に学校生活を送る日を夢見て、ハルタはみらいのために特別なサプライズを用意します。
本書は障害を持つ子どもたちが直面する現実をリアルに描きつつ、彼らの持つ無限の可能性と光を浮き彫りにする作品です。この物語は、障害のあるなしに関わらず、すべての子どもが持つ「特別」を尊重し、彼ら一人一人が輝ける社会の重要性を訴えています。読む人に勇気と希望、そして「普通」とは何かについて考えさせられる、心温まる作品でした。