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ひとりで高尾山に登ってみた


30うん年ぶりの山登りの記録

ケーブルカーVSエコーリフト


平日の昼下がり、きっと人は少ないだろう、ここならひとりの人もそれなりにいるだろうと、
色々考えた末、東京の超人気の山、「高尾山」に行くことにした。
記念すべき、初ひとり旅である。
人見知りのせいでどこにもひとりで行ったことのない、とうに50を過ぎた大人がついに一歩を踏み出した。
いささか大げさだが、本人にとってはこのくらいの勇気なのだ。

11時30分、電車を何本か乗り継いで、ようやく高尾山口駅に到着。


人気のスポットだけあって、人はそれなりにいるが土日に比べれば、相当少ないのだろう。
割と年配の人が多いようで、みなさん、楽しそうにおしゃべりしたり、中にはひとりで黙々と歩いて行く。
私も負けてはいられない。と言いつつ、
さっそくケーブルカーに乗る。

高尾山には、清滝駅から山の途中までケーブルカーかエコーリフトで登ることが出来る。もちろん自力で登っていく道もあるが、体力温存のためにここは乗り物に乗ろう。


どちらにするか直前まで迷ったが、高いところが苦手な私が、誰かと一緒ならまだしも、リフトにひとりで乗るとなるとちょっと勇気がでない。

ケーブルカーの券売機とエコーリフトの券売機は隣同士にあって、ケーブルカーの方が年配者が多めだろうか、、、
まあここは仕方ない。怖い思いしてまで乗る必要はない。

無事に乗り込み、12時ちょうどに出発。
緑の中を日本一の傾斜だという坂を登っていく。うーん、楽だ(笑)
あっという間(約6分)に高尾山駅(山の中腹の駅)に到着、
いよいよここから山登りが始まる。

登り1号路で出会った面々


 最後に登山に行ったのは高校生の遠足のとき。
もう30何年も前だ。一抹の不安はあるけど、子どももお年寄りも犬もいるから大丈夫だろう。
事前にチェックしておいた王道の1号路で登っていくことにする。
1号路は薬王院というお寺を通っていく人気のコースで、平日とはいえたくさんの人がいる。
なるほど道はずっと舗装されていて緩やかで歩きやすい。
これなら私も行けそうだ。

途中の薬王院で今回の目的の1つである御朱印をもらった。
目の前で手書きでさらさらと書いてくれた人が若い女性で、すごくかっこよくて思わず感心してしまった。
私にとって書道が上手い人は無条件に尊敬に値する。良いもの見せていただきました。


薬王院を抜けると階段を登っていくことになる。このあたりからだいぶ足にきて一歩一歩がキツくなってきている。
上から柴犬が元気に階段を下ってきた。狭い階段なので私がいると柴ちゃんは通れなくて、どいてよって顔で見上げてきた。

(わかるよ、おばちゃん邪魔だよね、でも足がね、、、)

心の声が聞こえたのか、じっと私が通り過ぎるのを待っていてくれた。

一応毎日ウォーキングはしているのだけど、目標は5000歩、クリアできない日も珍しくないレベル。
情けない、これを機にもっときちんと運動をしよう。。
などと考えていると
人が大勢いる場所が見えてきた。どうやらついに山頂に到着したようだ。
 

登り切った者だけが味わえる幸せ


高尾山頂 599.15M
(あと85センチちょっと盛土することはできなかったんだろうか、、、)


と書いてある記念碑にたどり着いたのは13時10分、約1時間の登りだった。

山頂の一番向こう側に富士山が見える見晴らしの良い場所があり、
たくさんの人たちの隙間から富士山を撮影しようと試みるが、あいにく
雲がかかっていてかすかに雪をかぶった姿がぼんやり見えるだけだった。


なんとも残念ではあるけど仕方ない。また見に来よう。

ふと見るとすぐそこに食事処がある。なにも買い食いせずに登ってきたので、めちゃくちゃお腹がすいた。
嬉しいことに誰も並んでいない、ここにしよう。
ひとりで飲食店に入るのは苦手だけど、そんな事言ってられないほどもう空腹は限界だ。
すぐに店員がやってきて、おひとりですか?と訪ねてきた。
はい、と答えると、相席で良ければ、、、と席を指さす。
人見知りにとって相席などもっとも苦手なことの1つだ。どうしよう、
カップルとかだったらすっごく嫌だ。かといって断る勇気もなく、
そーっと指さす方を見ると
そこにはひとりで美味しそうにざるそばを食べている年配の女性がいた。
お~!お仲間ではないか!
私はもちろんOKをして女性の前に座った。
なんだかすごく心強くなって、いつもはしないトッピングなどを追加し、
しばらく、ずっと圏外だったスマホをチェックしつつ待っていると、
念願の、山菜そば(冷)とろろトッピングがやってきた。


高尾山に来たら食べたかったものだ。5月とはいえ滝のように汗をかいた体に冷たいお蕎麦がなんとも美味しくてあっという間に完食してしまった。

下り6号路は初心者コースと言えるのか、、、?

さて、そろそろ下りますか。
ひとりで山頂にいてもこれと言ってする事もないし、富士山は見えないし、
なにせ山頂は日差しをさえぎる場所が少なくて暑い。

帰りのルートはガイドブックでチェックした6号路。
ガイドブックによると6号路は長い階段と沢つたいの道と緑濃い魅力的な道らしい。
下りなら長い階段も沢もなんとかなるだろうと歩き始める。
長い階段は木で出来ていてとても綺麗だし歩きやすい。
が、登ってくる人は皆、ハアハアしてる。
下りでよかったと胸を撫で下ろしつつ歩いて行くと次はなんと道が川になってる。沢つたいとはこの事か?
他に道は無さそうだし、水の流れる石だらけの道を進むしかない、なかなかハードな道じゃないか!

私はもしかしてめちゃくちゃ甘く見ていたか? 
下まで辿り着けるだろうか…
足はもうすでにガクガクになっている。
登りより下りの方がキツイと聞いた事があるが、
このことか。

周りの景色を楽しむ余裕などなく、早く下山したい一心でひたすら歩くと、ようやく舗装された道に出た。
安心すると急に周りが見えるようになり、登りで乗ったケーブルカーの横の道にたどり着いた。ここまで来ればあと少し。

ひとりで噛みしめる達成感もまた良し


重い足を引きずりながら、ついに下山!
時刻は15時、約1時間の下りでした。

今回の登山での歩数は約12,000歩。ケーブルカーを使っているのでそんなもんか。
しかし、初のひとり旅、30うん年ぶりの登山としては上出来!
山頂でひとりで蕎麦屋にも入れたし、頑張ったと思うよ、私。うん

そんな感じで、無事ひとり旅を終え、帰りの電車で爆睡し、2日たった今日、筋肉痛でいちいちどっこいしょ、痛たたた…と言ってるわけだが、
登山なんてひとりで行って楽しめるのだろうか?寂しくないだろうか?などと、考えあぐねて頭でっかちになっていたが、勇気をだして、
エイヤ!と行動おこすと、案外簡単に行けてしまった。

私の姉はわりとガチな山ガールなのだけれど、
何が楽しいんだろうかと遠巻きにそーっと見ていたが
なんとなく分かった気がする。
あまり味わったことのない清々しい疲労感だ。
これなのか?これが山の魅力なのか?
はっきりとは分からないけど、どうやら嫌ではなかったようで、もうすでに次はどこに行こうかな?と考えている。

いずれにせよ、またどこかひとりで旅に出てみよう。
山ではなくても海でも観光地でもどこでも、どこに行こうと
私にとっては初めての経験なのだから。

[ひとりで高尾山に登ってみた]の動画はこちら







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