マイペースなサピエンスの 並々ならぬ設定と語感へのこだわり

みなさんを創作沼に引きずり込むべく、すでに創作を楽しんでいる、いわば楽園の住人たちにインタビューをするこの企画「エデンの住人たち」。
インタビューは創作初心者のマシュマロ見習いが行っています。

今回はあんびさん(@mg_ambystoma)にお話をうかがいました! 設定と語感にとてもこだわっているマイペースなサピエンスであるあんびさんに、創作の楽しみ方をとことんききました!

基本情報

Twitter:あんび(@mg_ambystoma
pixiv:あんび
note:あんび
カクヨム:あんび
マシュマロ:あんび
執筆ツール:SomNoteWordExel、A4のスケッチブック

執筆ツールはSomNoteがメインです。
PCとスマホの同期が容易な事と最低限のフォルダ機能がある事、シンプルなUIである事が気に入っています。

Wordは推敲や校正時に使います。Excelは設定をまとめる為に時々使っています。スケッチブックはメモを取ったり自分で設定画を描く際に利用します。

マシュマロ見習い:まずは創作活動のきっかけからお話いただけますか?

創作のきっかけ

物心ついた時から今までずっと、小説に限らず「何かを作る事」が大好きで
その中でも物語を書くのが楽しいと気付いたのは、確か小学校の頃、短編の物語を書くという課題を国語の授業で出された時ですね。クラス全員がそれぞれ一作書き上げて見せ合ったんです。
見せ合ってクラスメイトにどういう反応貰ったかは全く覚えてないんですが、書いてる最中滅茶苦茶楽しかった事と自作の物語を何度も読み返して悦に浸っていた事は覚えています。

思えば、小さな頃から本と妄想が好きだったのでそれが下地になっていたのかもしれません。本であれば何でも読んでましたね。本格的に創作と投稿を開始したのは高校生の頃ですが、それ以前も、誰に見せるでもなく色んな作品を書いてました。

見習い:公開することになったきっかけはなんですか?

当時、ネットに作品投稿している子は周囲に結構いたんです。同人活動というものも雑誌などを通して知ってました。ただそれを自分がやる気にはならなかったんです。別に自分さえ読めればいいし、サイト立てたりするのも億劫だし。

でもある時思ったんです。
情熱と手間暇かけて育てた、自慢の我が子とも言える作品達。それを自分の手元だけに置いておくのはなんか勿体ないな、と。このままうちの子達が私にしか読まれずに一生終えるとかなんかやだなって思ったんです。
3.11の直後、避難生活中に思い立った事だったので、もしかしたら漫然とした死や生活環境の変化への恐れもあったのかもしれません。人恋しかったのかもしれません。

あわよくば誰かにうちの子の事見て欲しいし褒めて欲しい。
お節介ながら、うちの子のような作品を見たがっている人の需要を満たしたい。
そして、ネットの片隅でいいからうちの子――私が生きた痕跡を半永久的に残したい。そう感じて個人サイトを立ち上げました。

見習い:自分の痕跡を残したい、ですか……。3.11という異常事態が改めて自分自身と向き合うきっかけになったのですね。
一大決心の元ですから、創作活動への情熱の傾け方もやはり並々ならぬものなのでしょうか?

最初に言っとかなきゃ、と思ったんですが。
小説書く事を私もめっちゃエンジョイしてます。ただ、先にインタビュー受けた皆さんと比べると私の執筆ペースはかなりスローなんです。

趣味が色々あるせいで時間が足りてないとかってのもあるんですが、一番の理由は、私が小説執筆に対してのんきでムラっけでスロースタート、かつマイペースなサピエンスである事です

小説書く手前の設定捏ね回しなどはいつでも出来るんですけど、それを作品に起こすには閾値を乗り超える為のパワーと気分が必要になってしまって。なので、普段から書いているのではなく気が乗った時に書いている状態なんです。

見習い:そうだったのですね。
時間が足りない中でもネタを自分の脳内に留めず、作品へと昇華させる熱意の源はどこにあるのですか?

時間がなくても作品を作り上げる熱意の源は?

主に2つあります。

①実体のない脳内イメージとしてだけではなく、客観的な文字情報としてもそれを楽しみたいという欲求

感覚的には「録画して残したい」とか「Blu-ray版を買いたい」とかに近いです。純然たる欲望です。

自分の妄想には段階があるんです。大雑把に分けるなら「一回考えたら満足して少ししたら忘れちゃうもの」と「もはや意識せずとも何度も反芻しちゃうもの」です。後者の脳内再放送繰り返すものはお気に入り度が高めな妄想で、こういうもの程「こういう話滅茶苦茶読みたいな、書くか」ってなるんです。

②脳内の作業スペースの確保の必要性

強度の高い妄想が1つ脳内に居座ると他の妄想がスムーズに動きにくくなっちゃうんですよね。凄く重たいPCみたくなっちゃう。
なので、手元に文章として起こす事を通して、自分の妄想の保存先を脳内から文字に移動させるんです。取り出すと脳内スペースが空くのでそこにまた新しいものを詰め込んでいけるようになります。

下落合めるさんの記事に書かれていた『頭を占めてる推しを創作という形で外に出すことによって、なんとか生きてる』にちょっと近いかもしれません。私の場合日常生活に支障が出るまではいかないのですが。

先程述べた「作品に起こすには閾値を乗り超える為のパワーと気分が必要」のうち、パワーとはここで挙げた二つの事項、妄想をあやふやな脳内でなく確かな手元に置きたいという欲求と脳内スペースの確保の必要性です。
ただそれらのパワーがあっても書く元気がない時や、書くという作業が詰まったりダレたりする事もあります。これは「気分」の問題ですね。

ただやはり、「私がその妄想を作品として読みたい残したいと強く願うから」というのが一番大きな、妄想を作品化するための熱量の源泉だと思います。

見習い:先ほどあんびさんは多趣味だとうかがいましたが、創作の時間はどのようにやりくりしていますか?
時間がなくて書けない! ということもあるのでしょうか?

多趣味な人間の創作時間のやりくりは?

そういう時は脳内でネタ深めたりして楽しんでます。だからあまり悲観はしません、いつか絶対書ける時間が来るだろうっていう謎の自信があるので。

また災害の話題で恐縮なのですが、3.11後の避難生活で自分の布団の中にしかプライベートな空間がないって状況が結構続いて。充電の都合がありましたから携帯なども無駄に使うのは憚られました。

でも、今後の見通しも立たないそんな中でもずっと趣味活動はしていました、頭の中で。脳内で自分なりに素敵な物語を考えたりしてたんです。そんな当時の事考えると、今、他の事に少しばかり時間取られる位なんでもないなって。

「今書く事ができない」じゃなくて「今は書く以外の事が出来る」「未来では書く事が出来る」って考えているから不満も不安もそんなに湧かないのかもしれません。そもそも創作以外の趣味をやっている時も創作やっている時と同じくらい楽しいので、「創作に充てられる時間を取られている」って思わないんです。そういう目線を強く意識したきっかけが当時の出来事という事ですね。

見習い:「今は書く以外の事ができる」……。そうならざるを得ない状況だったのかもしれませんが、とても前向きな考え方ですね。
確かに、書かない時間で新たな発見があるかもしれませんし、創作時間がなかなか確保できないことは必ずしも悲観することではないのかもしれません。

では実際に小説を書く際のことを教えていただけますか?

マイペースなサピエンスの小説の書き方

私にとって小説を書くのは観察記録や論文を書くようなもので、映像で見えてくる創作世界をつぶさに観測して文字におこす作業なんです。
なので、私にとってはキャラ設定や世界観がまず重要で、話の流れはそれに手を引っ張ってもらいながら生み出していきます。

まずキャラクターや世界観について取り留めない妄想をする。次に、妄想の辻褄合わせする為の理論理屈を組み上げる。
そこまでできたら、 その過程で生まれた諸々の設定を書き出してまとめていく。思いついた設定を細かい部分まで全て羅列したメモと別に、それらのうち重要度の高い物をまとめた設定表を作る場合もあります。
短編でそこまで情報が出てこない作品の場合でも、ある程度しっかりしたものを作ります。

キャラの設定のまとめ方は荒木飛呂彦先生の『キャラクター身上調査書』を参考にしています。

二次創作の場合、これらは公式様によって殆ど終わってるので、絶対間違えたくない部分や混乱する部分のメモを取るに留める事が多いです。人称とか性格、口調、交友関係、能力とかですね。無論、二次設定を付与する際には上記のような過程を辿ります。

以上の作業を重ねる事でキャラと世界観――観察対象が具体化されてきます。
これが固まったら、「ここは是非とも見たい!観察したい!」ってシーンやセリフなどを片っ端から書き出して取捨選択し並べていく。一応これが私なりのプロットです。スタート、いくつかの中継所、ゴールを設定する場合が多いです。

で、おおよそそれに沿った観察が行えるようにお膳立てをしていく。展開誘導の為の設定や状況、言ってみれば観察条件をまた色々考えるわけです。で、その際にまた生えてきた設定をまとめる。

ここまで来たらあとは、設定や状況に齟齬や無理が無いかを確認して本文執筆に取り掛かる。まとめた情報と自分の欲望を元に幻視した物語を文字に起こしていく、と。

ただ、自分は物語の展開をキャラの自由演技に結構任せるタイプなので、見えてきた映像がプロットと全然違うなんて事が度々あります。その際はまた誘導したり、もしくは開き直ってそちらにズレた物語を書いたりします。

私は、創作の大前提は、自分の中に種々の情報や表現手段をしっかり詰め込んで咀嚼し整頓する事だと思っています。自分の場合、ここをある程度きっちりしないと後の段階が上手くいかなくなるんです。

二次創作を書く場合で言えば、原作や公式読本などをとにかく読み込み、情報を自力で解釈し、出来る限り全て脳内に系統立てて収めます。必要なら設定表やその他の表も自作します。

でも、学べば学ぶ程世の中には知らない事や上手く飲み込めない事、なんとか取り込んだものの上手くアウトプットできない事だらけだと気付かされて。日々勉強だと痛感しています。

見習い:あんびさんは、ご自身の中で「ここはまだ未熟だな……。」と思うところはありますか?

未熟な点は推敲と設定

①推敲が甘い

自分の作品が大好きな分盲目なんですよ。執筆中は特にその傾向が強く出てしまいます。
なので、暫く経ってから読み返すと「あれ、おかしいぞ?」ってなりがちです。

対策としては、書き上がった後数日寝かせてからもう一度推敲するようにしています。これが基本です。
あと、一度非公開設定で投稿サイトに投稿してそこで推敲しています。そうするとサイト上で確認する分客観的になれるんです。
最終兵器は印刷して紙面上で確認する事です。

見習い:なるほど、推敲については悩む人も多そうなのでまた後ほど詳しくおききします!

②設定に凝り過ぎる

強みだとも思うんですが行き過ぎる時も多々あります。
なので、設定を「語るべき設定」と「語らなくてもいい設定」に分ける事を意識しています。
あと、長い文章ではなく箇条書きなどですっきりまとめておくようにもしています。そうした方が設定の重要度の順位付けがしやすくなるので。

強く自覚しているのはこの2つです。
これらに共通している対策は、脳内で批判的な自分に出てきて貰って評価してもらう事です。あくまで批判です。非難はしないでもらいます、されると辛いので。自己否定ってメンタルに対して良い事無いと思ってるんですよ。
元々、感情や思考の整理の際には色々な性質の自分を脳内に招集して会議行うタイプなんです。

見習い:設定については、あんびさんの作風にも深く関わってきますね。まず、ご自身では作風をどのように捉えていますか?

設定と語感にこだわった作風

設定オタクで考察オタクなので、物語の設定面についてはかなり気を使っています。齟齬が出ないように、とか読んだ人がリアリティを感じられるように、とか。

あと、語感や語呂の良さを意識します。台詞は勿論、地の文含めて「声に出して読みたい日本語」になってればいいなって。有難い事に「設定の扱い・描写がしっかりしている」「文章のテンポが良く一気読みした」という旨の感想を何度か頂いた事があるので、これらの工夫はある程度実を結んでいるのかなとは思います。

それとこっちはあまり指摘して貰えませんが「ネタを挟まないと死んじゃう病」の軽症患者です。特に二次創作の場合は、原作のネターー原作であった台詞をできるだけ自然に引用したり、原作のイベントを匂わせる発言をしてもらったりですね。そういうのをどこまで仕込めるかに命かけてる節があります。なのでたまーに「ここって○○って小ネタですよね」って突っ込んで貰えるとチェシャ猫の如くな表情になります。

あと、創作、こと二次創作に関して昔、「スタンスが熱狂的なファンや信者というよりも研究者のよう」と指摘を頂いた事もあって。
すとんと腑に落ちました。昔からよく理系的思考だと言われていたので。それが私の創作等する際の強みや特徴にもなってるんだと思います。

見習い:設定の作り込みはどのようにしていますか?

設定の作り込み方

世界観に関わる設定の付け方は、どんな場所か、基本的なルールや文化はどうなのか、どういう状況なのか、どんな人や物があるのか、そこに暮らす人達の思想はどうなのかをまず考えます。
ある程度そういった設定が積み上がってきたら、「細かく見るとどうなっているのか」「なぜそうなのか」を考えます。

キャラ設定と世界観設定はどっちが先にできるか決まってません。キャラを想像していたらつられて世界観が出てくることもあればその逆もあります。全く別々に考えておいたキャラと世界観がぶつかり合って化ける事もあります。

物語の展開に関わる設定――例えば、キャラに課せられた使命とか、どんな事件が起こるのかとかですね。そういうのはキャラと世界の設定を揃えて色々捏ね回していると化学反応的に出てくることが多いです。
あらすじの設定が決まるとキャラや世界の設定が更に深まっていったり、新しい設定が追加で生えてくる事も多いです。

見習い:語感や語呂の良さのための語彙力はどのようにして鍛えていますか?

語彙力はとにかく様々な「言葉」に触れて鍛える

基本は、本や小説に限らず色んな分野の言葉を見聞きする事です。言葉というのは、使われる場所によって「言語」が違うと言っていいほど異なっていると思います。

国語の教科書は「国語語」で、数学の教科書は「数学語」で書かれているんです。ニュースでは「ニュース語」、バラエティでは「バラエティ語」が使われます。それぞれ文法も違えば単語も表現の癖も違う。なので様々な「語」に触れてみるんです。

趣味で読む本や見る番組・動画ってどうしたってジャンルが偏ります。なので、敢えて興味が薄いジャンルにも手を出してみます。
私はスポーツ分野は疎いし興味もあんまり持てないんです。でもそういうのも見てみる。よく分かんないなあと思ったら家族に解説を求めたり自分で調べてみたりしています。

それから語感の話にも関わってきますが、どれだけ語彙を暗記していても使いこなせないと全く意味がありません。

なので、小説執筆中に限らず普段から「これどういう意味だっけ?」となったら可及的速やかに辞書を引きます。それと便利な言葉は使い過ぎない。ヤバイとかつい言っちゃうんですけどね。

常に自分の伝えたいニュアンスを分析して最善の言葉のチョイスを考えます。
「このPVヤッバ!……あー……いやその、特殊効果や編集でとても凝った演出をしてて……俳優の魅力も十二分に引き出しているっていうか……えーっと……」みたいな。

言いたい表現を英語に置き換えたらどうなるかもしょっちゅう考えますね。「面白い」「楽しい」「凄い」など、ニュアンスごとに対応する英単語が異なる日本語は沢山あるのでいいトレーニングになります。

こういう事からから発展して、家族と「この語を使うとしたらどんな文章だと思う?」とか話したりもします。読書一家なので言葉の話題に皆興味があるんです。TVで語彙力を問うタイプのクイズをやっていると、家族揃ってそれを見ながらやいのやいの言い合う事が多いです。

見習い:なるほど、「国語語」に「数学語」ですか……。確かに学校の国語の中でも「小説」と「論説文」では表され方も読み解き方も異なりますね。
あんびさんは大きな情熱を創作に傾けておられますが、改めて、なんのために創作をしているのでしょうか?

読みたい小説を読む為です。これは昔から一度もぶれた事がありません。典型的な自家発電家です。公募とか送る際も、御題に沿いつつも結局自分にウケるか否かを基準に書いてしまいます。というか、そういうものしか書けないんです。

クノさんのインタビュー記事にあった『時々より多く人に好まれやすそうな感じのものを書こうかな〜と思うことはある』って言葉見た時に、そういう発想が自分の中に一度も湧いた事がなかったと気づいて。もう10年以上創作やってるのに意外と自分の事分かってなかったんだなあと。

自家発電家なので、私は公開せずとも自分の小説読み返すだけでも十分楽しめちゃうんですよ。それでもわざわざ作品をネットに公開しているのは、先述のように、我が子とも言えるような作品を自分の手元だけに置いておくのは勿体ない、自分が生きた痕跡を残したい、というような理由からです。

なんかこう言う事書いてると自己完結型寄りのストイックな奴に見えなくもないかもしれません。が、そうでもありません。反応貰えるに越した事はないですし貰えれば滅茶苦茶喜びます。

見習い:「創作を楽しみ続ける」ために重要なことはなんだと思いますか?

「自分に合ったペースや方法で楽しむ事」と「力まない事」だと思います。
私は自身の執筆活動のマイペースっぷりを個性だと捉えています。昔は「未熟さ故にそうなのだ、これは良くない事なのだ」と思っていたんですが、いつの間にか吹っ切れたというか開き直ったというか。
結局、書かない(書けない)時の私を責めてたのは私だけだと気づけたのも大きかったかなと思います。

のんびりサピエンスの3つの掟とおまけ

①自分に合ったスタンスの模索

趣味の本質は楽しむ事です。
なので極論、自分さえ楽しければ創作活動への取り組みの姿勢はどうだっていいと思います。ラフに軽ーくやってもいいし、とんでもない熱量を掛けてもいい。たまにやるでも毎日やるでもいい。

楽しむ為の最善の手法は個々人によって違う。他者と自分を比較するのはごく自然な心の動きですが、それに振り回されてしまうと良い結果は生まれない。

自分のスタンスを貫きやすくするのにまず必要なのは、自分の性質の自覚と、それが自分のスタンスと噛み合っているか否かの確認だと思います。でも、どうすればこれをスマートに出来るのかは私にもよく分かっていません。

ただなんにしろ大事なのは、例えどんなに目を背けたい性質を自分が持っていたとしても「こういうもんだ」と認めてあげる事だと思います。自分を許す。
自身の弱点を理解する事とそれを責め立てる事は全く別です。図太く開き直るんです。その上で、性質とスタンスがより噛み合うにはどうすればよいか考えると良いと思います。

②義務化は悪手

『人類にやたらと小説を書かせたい」という性癖』 (【実例】自意識の壁より)を持つマシュマロちゃんの連載記事でこういう事言っていいのか分かりませんが……。
創作が趣味でも、創作しない時期があっていいんです。そもそも、趣味のやり方に「べき」を持ち込むこと自体がナンセンスだと見なしています。

趣味はやりたい気分じゃない時はやらなくていい、という思想が私にはあります。
勿論〆切などあれば守りますが、基本「書くべきか」じゃなくて「書きたいか」で考えます。書きたいという熱が来ない時は別の趣味を楽しむ。

日常的・習慣的にやらないなら趣味と言えないのでは無いか、と不安になる方もいるかもしれません。しかし、生活上必須でもないのにやって、かつ楽しんでいる事って、趣味と呼ぶ以外になんと呼ぶのでしょう。実際、広辞苑(第七版)には『専門としてでなく、楽しみとしてする事柄』としか書かれていません。

③凄くなくたっていい

上手くなる事や評価される事を目標に据える事はとても素晴らしい事です。でも、それらも全て創作活動をより深く楽しむ為の手法に過ぎないと私は思っています。
何度も言いますが楽しんだ者勝ちなんです。下手の横好き大いに結構。

ぶっちゃけてしまうと、私は小説書くのがそこまで達者じゃないと思っています。
でもそれはそれとして、謙遜はしても卑屈にはならないようにしています。

何故なら私は私の書く文章が大好きなナルシストなので、それを貶め馬鹿にしたくないんです。それに何より、私の文章を好きだと言ってくれる方に失礼じゃないですか。なので、うちの子に対して「駄文ですが」とか言わない。謙遜のし過ぎは却って傲慢で無礼だと思っています。
それに「上手くない」って事は「伸びしろがまだまだ沢山ある」って事なんです。その伸びしろが伸びるのにどれくらいかかるのかは分かりませんが。何にしろ自分にはまだ可能性があると思うとワクワクしますよね。

④おまけ もしも悩みがでてきたら?

そういう時は、設定を深める場合と同様に自問自答を繰り返して突き詰めてみるといいです。

そもそも悩みって具体的に何?悩みの原因の核は何?何故悩むの?それで実際に問題は起こっているの?本当に悩む程の事なの?

そして、それをどうしたら解消できるか考える。解消した結果、自分がどうなりたいのか考える。
自分だけで考えると袋小路に入ってしまう事があるので、他人の意見を見聞きしてみるとより良いです。
そうやると道が開けたりします。

「楽しむ事」をやたら力説しているのは、趣味を義務化した結果その趣味が嫌いになってやめた人を見た事があるからです。なんて勿体ない事するんだと他人事ながら悲しくなりました。

自分だけの世界を、自分にしか出来ない表現を他人にも見える形に落とし込むのが創作活動というものだと私は思っています。これって人間の特権なんですよ。だからこそ、一人でも多くの方にそれを目一杯楽しんで欲しいと切に願います。

見習い:マイペースな創作の良さはなんですか?

何でしょう……ここまでで一番難しい質問ですね。先も述べたように、その人に合ったものならどんなスタンスでもいいと私は思っています。だからか、「マイペースだからこそ良い所」となるとなかなか思いつきません。

マイペースって人によって色々な説明がされる語だと思うのですが、ここでは「周りを気にしない」というニュアンスでお話進めさせていただきます。あと、あくまで私の場合なので、全ての「自身をマイペースだと思っているサピエンス」「マイペースと周囲に言われるサピエンス」に当てはまる訳ではないという事をあらかじめご了承ください。

①流行りやメジャーの流れに乗れなくても心配しない

好きなものを好きなように書きたいという欲求が根幹にあって、その上そういうものしか書けないんです。仮にウケないであろう話を書いてると自覚しても、自覚するだけでそれ以上感情が湧いてこない。
所謂大手と呼ばれるような方を見ても「凄い人がいるなあ」位で終わってしまいます。上を見ても焦らないんですね。周囲は周囲、自分は自分って意識が強いんだと思います。

②反応が無くても憂鬱にならない

大前提として、反応はあった方が当然嬉しいです。そりゃあ公開する以上あわよくば一人でも多くの方に見て欲しいし評価もして欲しいです。ですが「あわよくば」なんですよ。評価を貰うのはエクストラステージで、作品ができた段階でほぼゲームクリアなんです。
なので、反応がない事で創作のモチベーションが下がる事はありません。反応貰って上がる事はあるんですが。

③同士と直接交流できなくても平気

これもできた方が楽しいです。
でも、なくても問題ありません。繋がれなくても別にいい。同士との交流も私にとってはエクストラステージなんです。

こんな所かなあ、と思います。
結局、書いて、出来て、ついでにどこかに自分の足跡残せたら満足なんですね。

見習い:SNSによってどうしても「周り」が見えやすくなってしまっているために、他の人と比べてしまうこともあるかと思いますが、「マイペースを貫くぞ!」だったり、「自分はなんのために創作をしているのか?」がはっきりしていれば、より自由に楽しく創作ができるのかもしれませんね。

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・設定表の作り方
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・推敲の仕方

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見習い:多忙なあんびさんはどのようにして創作時間を捻出しているのですか?

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