見出し画像

いかにして文章を読みやすくするか④ 饒舌文体とメモリ管理の両立

これの続きです。

メモリ管理にはまだ先があります。ここまでは「いかに読者のメモリに負荷をかけないか」でした。しかしより重要なのは、「自分の文体でいかに読者のメモリに負荷をかけないか」です。自分の作風を純化させていって、その結果として表現される文体でメモリ管理をしないといけないのです。

たとえば例文となったメッセージを送ってくれた人は、明らかに饒舌文体が好きです。それは純化の壁と戦って勝ち得た好みですし、他人にも伝わるというのはレベルの高いことです。そのためメモリ負荷を下げただけの例文Fは、純化という点ではレベルが下がってしまっているのです。

ですからこれでは終われません。純化の足枷になってしまうなら、最初からやらないほうがマシです。ここからはいかにして作風、とりわけ饒舌文体とメモリ管理を両立するかについて書いていきます。

饒舌文体でのメモリ管理

ここから先は

3,930字