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ふたつのプレイリスト 〜So Young Sports Team〜

今お気に入りのふたつのプレイリスト、ひとつはSo Young MagazineのプレイリストでもうひとつはSports Teamの。So Young Magazineは言わずと知れたものだけど、Sports Teamのプレイリストも負けず劣らず良い。バンドのプレイリストでここまで趣味があうのは初めてだって感じのやつ。更新頻度が高いっていうのもあって「ね?あの曲良かったよね?」ってコミュニケーションが取れているような気がするって錯覚出来ちゃうくらいに良い(余談だけど趣味のかぶりは7割あるいは6割くらいがベストだなって思う。それくらいだとこれいいなって新たな発見が出来るから)。

いままでプレイリストにどんな意味があるのか正直よくわかっていなかったんだけど、あぁこういう側面もあるのかってこのふたつのプレイリストを見てなんとなくわかって来たような気がする今日この頃。

たとえばWalt DiscoのCut Your Hairが出たとする。この曲好き!初期のHMLTDのフィーリングを少し水で薄めてそこにウィスキーを垂らしたかのような、そのままそれを飲み干してベッドで飛び跳ねたくなるような曲。そう思ってプレイリストを眺める、So YoungにもSports Teamのにも入っている、「だろ?」と生まれる感情、Yes,共感、感情の答え合わせ。

あるいはYard Act。何これ知らない、でも聞いた瞬間に違いがわかる。だから調べる。あぁこれビル・ライダー=ジョーンズのプロデュースなのか。メンバーの4分の3が眼鏡なのにこの不良感、Happy MondaysがFat White的なサウスロンドンのバンドを聞いてひらめいたみたいな雰囲気、こいつは違う。そんな過程の体験プライスレス。なんでも聞けるからこそどう聞くかが大事になって来る的な。So Youngはプレイリストに曲が入った後、2,3日後に記事があがることが多いから二度、三度楽しめるし。


そしてこういう毎週のように更新されるタイプのプレイリストは何が入っているかも大事だけど何が入っていないかも同じくらい大事だって思う。単純にまだ聞いていないだけってこともあるけど片方に入っていて片方に入っていないっていうのを見たりするとそれはどうしてか?って考えてしまうのが人間ってもの。そこにはいくつかの可能性がある。

1. 知らない
2. 知ってるがおまえの態度が気に入らない
3. 聞いたけど趣味じゃなかった

このパターン。特筆すべきは3番目(あるいは2番目もなのかもしれない)で、いいけどプレイリストに入れるほどじゃないなっていう場合もあれば正直好きじゃないんだよねってパターンもある。
今の世の中、好きは言えても嫌いはなかなか大っぴらに言いにくいものだけど、なんとなく雰囲気は伝わるもので、あそこのレーベルなんか変わっちゃって好きじゃなくなっちゃったんだよねって誰かが言っているのをあるとき聞いて「やっぱり」ってもの凄く共感してしまうこともある。こういう負の共感はいけないのかもしれないけど、なんかわかりあえた気がしちゃうんだよね。それは何で嫌いか、どうしてダメなのかっていう理由が大事で、結局考え方に共感しているからだと思うんだけど(負の共感のなにがいけないってそれが愚痴につながるからだなってなんとなく思う)。とにかくプレイリストに入っていないってことが意味を持つ場合もあるということ。選んだ理由と同じくらいに選ばなかった理由もまた大切。

そして自分はどうだったか考える。この過程がやっぱり楽しい、良い悪いの間のアナログな感情をあちこちに散らばして他の何かとくっつける的な、感覚の答え合わせ的な、そんなやつ。

そういう意味でSports Teamのプレイリストは本当にいいなって思う。At Home with Sports Team、このプレイリストのなにがいいって常に最新のバンドに興味を持って価値観をアップデートしているところ。バンドのプレイリストって自分たちはこういうものに影響を受けましたみたいな自己紹介的なものが多いけど、現在進行形でシーンを見渡して立ち位置を表明しているプレイリストはほとんどない。最近はリリースがあったタイミングで聞いたぜってインスタなりTwitterなりでアクションを起こすバンドが多くてそれで興奮したり楽しくなったりもするんだけど、こうやってプレイリストとしてまとめられると静かなメッセージが伝わってきていいんだよ。だからSports Teamが運営しているレーベルHolm Frontは間違いないってそういう感じになるし、バンドとしてもちょっと違うなって思えるんだよね。Sports Teamはロンドンシーンのバンドの中で他と異なるアプローチの仕方をしていてそういうところが本当に好き(あとはSlow Danceもそうかもしれない)。

去年自分でこんな感じのことをツイートしてたっぽいけど、その理由はこれだなって。

ロックダウン期間に公開したHome Counties(このバンドHazeの人たちだったのか)のプレイリストを見てもやっぱりこう感じ入るものがあったし。こういうのが大事だなって思ったりもする。

ふたつと言いながらリンクはみっつのプレイリスト。

そしてみんなDrug Store Romeos好きで嬉しくなっちゃう(Sarah可愛い)。


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