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ブラジルのタクシーで身を守る方法

「治安の悪い国=ブラジル?」

とまだまだイメージがこびりついて離れないという人が多いハズ
そんなみなさんに、ブラジルで身を守るとっておきの方法を実話をもとに書いていこうと思います。


今から12〜3年以上も前、2週間の春休みを利用し、単身でブラジルに
グアルーリョス国際空港からサンパウロ市内へ向かうタクシーでの出来事


色んな旅の雑誌には
「ブラジルの空港は気をつけろ!」
と書いてある。


30時間のフライトから無事に入国手続きが終わり
到着ロビーで軽く腹ごしらえをしてデカい荷物をカートに乗せてうろついている
日本人に空港で待ち構えているタクシーのポーターがドット押し寄せて
あっという間に取り囲まれた。


留学していた頃よりは危ないということは感じはしなかったが
それでもまだ日本人は危険な目に遭う確率が特に高かった頃


ポーターとは、
タクシー運転手の代わりに、呼び込みをし、荷物をタクシーまで運んでくれる人


留学してたそれこそ30年くらい前は
ポーターと運転手がグルになって観光客の荷物を奪う
ということが平気であった時代だ

どんな手口かというと

運転手がドアを開け客をタクシーに乗せると
ポーターは後ろのトランクに客の荷物を乗せるフリをして
地面に客の荷物を置いてそのままトランクを閉める

タクシー運転手はしばらく走ったのち
銃で客を脅し金を巻き上げて、どこか知らない路地裏で置き去りにされる

といった具合だ。

だからいま、ブラジルで最も便利な移動手段にUberがなっていることが驚きだ

いつもなら誰かに迎えを頼んでたり
リムジンバスでサンパウロ市内に行ってた

今回は自分で市内まで行ってみたかったから、チャレンジしてみた。

自分の安全は自分で守らないといけないからこそ
ポーターとの会話が何よりも信頼を築き、安全を保障してくれる。

タクシーに乗るまでが大事

タクシーに乗るまでの短い移動時間が勝負だ。
ポーターに、「どこのチームのファン?」って聞いて
すかさず「オレも」って言う。

これでポーターと一気にアミーゴになれる
危ない目に巻き込まれる確率がグッと下がるってわけ。

その時のポーターは、サンパウロの強豪コリンチャンスのファン。 
ブラジルではコリンチャンスのファンのことを
コリンチアーノ(Corinthiano)と呼ぶ。

ここ数試合の事を聞いたり選手の事を聞いたり
試合の日程を聞いたり....

最後に、「ここ最近ブラジルは危ないのか?」って聞いてみた。

そしたらポーターは、

「昔よりは良くなった。でも心配はいらねぇぜ! 
遠くから来た同じコリンチアーノを危ない目には遭わせねぇ。」

って言ってポーターは運転手に行き先を告げ、
トランクに荷物を積んでくれて、運転手からチップを受け取った。

そして最後に、ポーターはデカい体を屈め
笑いながら運転手にこう言ってクギをさした。

「オイ!運転手!! オレのアミーゴをしっかり送り届けてくれよ。
じゃないと、多くのコリンチアーノが許さないぞ!! ガハハ」

そして、僕の方を見てサムズアップしながら
めちゃくちゃアメコミに書けそうなくらい分かりやすいウィンクし

「ヴァーイ、コリンチャーンス‼︎(ゴー‼︎コリンチャンス‼︎)」

ってタクシーをデカい手でバンバン叩いて
バカでかい声で見送ってくれた。笑


空港からサンパウロ中心街まで、約50分。


その日は、月曜日の早朝ということもあって、どこの道路も出勤ラッシュ。


それでもかまわず運転手は、ドリブルのごとく車の間をかいくぐって走って行く。
運転手のオッチャンはスーパーマリオのワリオにそっくり。笑

「どこのチームのファン?」って聞くと

「コリンチャンス」っていうけどなんだかウソくさい。

目的地に着き、メーターの金額を払おうとすると運転手が

「Deus Abençoe. デウス アベンソイ(神の御加護を)」

と言って10レアルと5レアルの札を僕に返してくれた。

ブラジルはカトリックの国だから
何かと普段から身近に神の存在があふれている。

要は神様の前では、悪いことができないどころか
普段から受けている神から恩恵を少しでも誰かに分け与えようという精神が
根付いているからなのかわからないが
宗教的な意味合いが強く言葉に反映されて
ポルトガル語の「おかけさまで」っていう言葉には神が宿っている

「Graças a Deus(グラッサス・ア・デウス)」 

直訳すると、神さまの厚意とか神さまからの恩恵という意味。
(Deusは神という意)

そうした人たちのおかげがあって
自分の身が守られているんだと強く感じた出来事だった。

こんな普通の日常の中に
こんなにも「サッカー」と「宗教」が大きなチカラを持っているところに
ブラジルのサッカー大国の根底が見えてくるなぁって感心した瞬間だった。


ん? あれ?

話のまとまりがタイトルから逸れちゃった。😅


そんな大都会サンパウロはアートな街でもあった。


最後まで読んでいただきありがとうございます!