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(続)ちょっと手伝って!!

アルゼンチンの運転事情については、前回お届けした通りだが更新しなきゃいけないほど、日々のネタも尽きないくらいのネタの宝庫だったりする。

事故の保険のシステムに踏み込んだこともないし、そんなことを想定しているのかどうかの知る由もないが、事故になったらお互いに悪いというだけのことという意識を感じている。

1.歩行者も車も優先はない

どっちはどっちを譲るルールがあるのかないのか、ウィンカーを出さずに曲がることも平気だし、譲り合おうという運転ではない。

赤信号でもゆっくり交差点に入るし、路上駐車が普通のアルゼンチン。そんな景色を見ていると、子供のころの日本の景色を見ている気がしてならない。都会育ちではないので、田舎の町ではそんなことが当たり前だったのである。

2.ときどきエンジンがかからない

お世話になっている家での話。移動はもっぱら車で送迎してもらうのだが、ハプニングが絶えないのがとても楽しい。エンジンがかからないことが日常茶飯事なのである。

「車の修理に行ってくる」というので、「バッテリーは交換したのか?」と聞いたら「バッテリーに異常がなかった」と笑顔で答えてくれた。

エンジンがかからないのが、バッテリー以外に原因があるということなのかは聞くこともできなかったが、深く聞くこともしなかった。


3.そして出先でエンジンが止まる

サッカーの練習帰り、駐車場から出るのにエンジンがかからない。車を手押しで移動させていると、何となく人が集まってくる。押しがけ(車を押して走らせてエンジンを回すこと)をすればエンジンはかかるから。

一度目はかからなかった。そこで手伝う二人にも離れてもらった。すると、駐車場で車の向きを変えた。そして、また応援を求めたのである。

さっきとは違う二人が押しがけを手伝ってくれた。私と12歳の子供も加わり4人で押したらエンジンがかかった。そして挨拶は「Chao!」で颯爽と帰るのである。

4.エンジンがかかれば帰れる

車はエンジンをかけるのには電気を使う。むしろここに一番電気を使用するという。あとはガソリンで駆動するので、止まる心配はないという判断だろう。でも、どこに行っても簡単にエンジンを切るのでその度にハラハラさせれた。そしてまだバッテリーは交換されずに今日を迎える。

5.その話には続編があった

別会場での帰り、またもエンジンがかからない。今度は会場から離れた場所に駐車していて人の気配のない場所。「Por favor!」と言うので、押せばいいのかと親子で車を必死に押したが、今回は二人だけなのでかからなかった。

すると、近くの住民が声をかけてきた。自分のバンを後ろにぴったりつけ始めた。大体の予想はついたが、12歳は何が起こるのか想像もできない。

予想は的中した。後ろのバンが家の車を押したまま走り始めたのだ。その勢いで止まった車のエンジンがかかる。3人で「Gracias!」とだけ叫んで帰路についたというだけの話。

6.ケーブルでバッテリーを繋ぐと思った

車のバッテリー同志をケーブルで繋げばエンジンはかかる。今回のは単純だった。車で車を押すっていう初めての出来事。凄すぎて動画を取り逃がしたことを後悔した。

そんなことも躊躇なくできるのがアルゼンチン。全てをそれで片づけるのもどうかと思うが、ハプニングを笑って話せる感覚の凄さの理由が少しだけわかってきた気がする。




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